ジャズを愛する皆様からのコメント

「ジャズの100枚。」発売を記念し、ジャズを愛する皆様よりコメントを頂戴しました!あわせて、「ジャズの100枚。」の中からお気に入り盤も選んでもらいました!
コメントは随時UPしていきます。

*敬称略、順不同、随時掲載

第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | 第7回 | 第8回 | 第9回 | 第10回 | 第11回

第11回(2014.10.17掲載)

常盤 響 写真家/デザイナー

ひとりの似合う音楽。家で聴く時、バーで耳を傾ける時、クラブで踊りながら聞く時。まわりに人がいてもいなくても、ジャズに包まれている時はいつでもひとり感がある。だから、一番好きなのは、自分の部屋でひとりジャズを聴くとき。しあわせな気分の時も、悲しくてどうしようもない時も、ジャズと煙草とお酒か珈琲があれば。


私のお気に入り盤:
UCCU-99055 サムシング・クール / ジューン・クリスティ
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子供の頃、叔父からもらったこのアルバム。ジューン・クリスティの歌声を包み込むピート・ルゴロ楽団の演奏。○○楽団でレコードを買うようになったルーツの一枚。

中平穂積 写真家・新宿DUGオーナー

私がジャズに興味を持ったのは、高校時代に観た映画『グレン・ミラー物語』がきっかけだ。昨今は地下街を歩いていてもジャズが流れていたりする時代だが、われわれゴリゴリのジャズファンにとって、あまり不釣り合いなところでは聴きたくない。ジャズ喫茶は少なくなったが、やはりジャズはジャズ好きが集まるジャズ喫茶やジャズ・バーでジャズ談義しながら聴くのが一番。まずは自分の愛聴盤を見つける事。迷ったら名盤です。


私のお気に入り盤:
UCCO-99012 静かなるケニー / ケニー・ドーハム
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日本人好みのケニーの音色に加えて、トミー・フラナガンの名調子が一体となってジャズ喫茶のリクエストNO.1だった。

吉永祐介 art director/graphic designer/DJ

若い頃から様々なJAZZを聞いてきたけれど、未だに背伸びする感覚が抜けないのがJAZZ。追い続けても広がっていく世界。「ジャズの100枚。」企画、気に入ったジャケットがあったら雑貨感覚で買える値段設定が凄い。入り口としてはジャケ買いもおススメです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99006 クール・ストラッティン / ソニー・クラーク
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10代の頃にジャケ買いしたJAZZレコードのひとつ。未だに魅了されるジャケット。久しぶりに針を落としたら、タイトル曲よりBlue Minorの方が今の気分。

中原 仁 音楽プロデューサー/ラジオ番組制作者

大学生時代、自分にとっての「家」はジャズ喫茶でした。「ジャズの100枚。」のほとんどは当時(約40年前)、ジャズ喫茶で知りましたが、今あらためて聴くと、懐かしさを感じるよりも当時は気づかなかった発見に驚かされます。音楽の、そして音楽家の永遠の生命力に乾杯!


私のお気に入り盤:
UCCU-99061 ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー
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これもジャズ喫茶で出会った1枚。いい音楽には音だけでなく匂いもあることを感じさせてくれるライヴ盤です。

東京JAZZ女子部

ジャズの魅力は時代も国境も超えた色褪せないカッコよさ。マイルスやコルトレーンの音楽は、まるで昨日産まれたかのように、聴くたびに新しく感じさせる。「ジャズの100枚。」のように、新鮮で絶えず発見のあるフェスを目指して東京JAZZも頑張ります!


私のお気に入り盤:
UCCU-99023 ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン
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恋する女子は必聴! 約50年前の録音が、全く色褪せず今の私達の胸に深くキューンと響きます。

長崎義紹 クリエイティブディレクター

17歳の夏(1970年)、高円寺で一人暮らしを始めて、同じ下宿にいた大学生に連れていってもらったのが、名店”サンジェルマン”。強面のボスとマルさんが仕切るその店で、なぜかアルバイトをすることになった。そこから始まるジャズへの泥沼。今もまだ抜けられないでいる。


私のお気に入り盤:
UCCU-99005 プリーズ・リクエスト / オスカー・ピーターソン・トリオ
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“サンジェルマン”でまずはこれから聞きなさいと勧められた1枚。いまだに愛聴盤。

塩谷邦夫 タワーレコード渋谷店 JAZZバイヤー

ジャズを聴き始めた80年代、「ジャズは死んだ」「ジャズは死なない」などという活字を音楽雑誌でよく目にした記憶があります。「うーむ、そうなのか…」といちいち真剣に受け止めていましたが、今はこう思います、「ジャズは続いていくものだ」と。


私のお気に入り盤:
UCCO-99010 ジャンゴ / モダン・ジャズ・カルテット
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一瞬のアドリブにすべてを賭けるタイプのジャズではないけれど、ここにもジャズのスピリットがあると思って30年近く聴き続けています。

高桑 敏 フクロヤ

名門ジャズ・レーベルを網羅したこの「ジャズの100枚。」こそ究極のジャズベストと言って過言ではない!! ジャズの歴史の中でのエポックメイキングな名盤を、スタイルやジャンルを超えチョイスできるラインナップは、迷う事はあっても満足の行く結果を得るに違いない。


私のお気に入り盤:
UCCU-99004 ザ・ケルン・コンサート / キース・ジャレット
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ピアノ音楽の神髄!! 唯一無二の即興演奏はキースにとってもこのケルンを超えるソロ・ライヴはない。

第10回(2014.10.10掲載)

松岡matzz 高廣 (tres-men/quasimode)

基本的に個人名でのリリースなので最初は入りにくいかもしれませんが、楽器別でもよし、曲別でもよし1人(パート)に絞って名盤・名曲とされているものから聴いていくと色々見えてくると思います。難しく考えず、自分が刺さった曲から聴いていくのが一番良いかと。


私のお気に入り盤:
UCCU-99020 モーニン / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
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ブレイキーの荒々しいドラミングと緊張感がある「Are You Real?」という曲にやられて買った1枚。後でこれが名盤ということを知りました。今でも愛聴盤の1枚。

さかいゆう シンガーソングライター

私、さかいゆうの生みの親が日本の歌謡曲と演歌だとすると、育ての親は間違いなくJAZZです。いつも側にいてくれて、いつもアドバイスをくれ、時々叱ってくれたりもします。日本の歌謡曲、演歌の宝である美空ひばりさんは同時に素晴らしいJAZZも歌いました。


私のお気に入り盤:
UCCO-99016 リラクシン / マイルス・デイヴィス
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得体の知れないような、だけど魂に触れて来るエネルギー体がマイルスの音。マイルスが「JAZZ」ってる大好きなアルバムです。

渡辺シュンスケ (Schroeder-Headz)

Jazzは部屋の空気を変えてくれる。そして、僕が一番好きなのは夜明け前に聞くJazz。 巨匠たちの出す音の奥に刻まれた人生の機微みたいなものが、とてもつもない説得力を持って、優しく包み込むように自分の時間を取り戻すことに手を貸してくれるのです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99029 チェット・ベイカー・シングス >>収録曲へ
なぜか、中学生の頃に夢中に聞いた音楽は、若者の特権でもあり初期衝動でもあるパンクスや、ロックではなく、Jazzでした。露骨に反抗するわけでもなければ、手放しで人生を謳歌したり卑下するほど単純でもない、チェットのニヒルでハードボイルドなその声。グレるわけでもなく真面目でもない、でも背伸びもしたい、中途半端でひねくれた中学生だった当時の自分にピッタリきたのでした。

早乙女道春 画家/イラストレーター

子供の頃聴いて心に残っている曲。そんな曲をジャズマンが演奏する時の驚き。ビッグバンド・アンサンブルの中から弾けるように飛び出すテナーサックス・ソロを聴いた瞬間の歓び。バラードを聴いた時に感じた、甘い大人の世界。手垢のついた当たり前の何かに抵抗するクールなツッパリ精神。少年の私を現在まで導いてくれた、それがジャズです!


私のお気に入り盤:
UCCO-99013 ジャズ・アット・マッセイ・ホール / チャーリー・パーカー >>収録曲へ
スウィング、グルーブ、クール、反抗、官能、スタイル、カッコよさのすべてが記録されたシビれる一枚!

常盤武彦 在NY写真家/音楽ジャーナリスト

毎月数十枚の新譜が送られてきて、耳を傾けています。ふとしたときに、CDトレイに載せて聴いてみると、ティーンエイジャーの頃から何度も聴いていても、いつも新たな発見がある、いわゆるタイムレスなアルバムが、このジャズの100枚だと思います。


私のお気に入り盤:
UCCU-99007 至上の愛 / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
ジャズの、テクニカルとスピリチュアルが高度な次元で融合した、誰も到達していない極北です。

大島忠智 株式会社イデー バイヤー

高校生の頃に先輩と通ったジャズ喫茶。会話もせずに苦い珈琲を啜りながらひたすらジャズを聴いていました。初めてジャズを愉しんだ貴重な経験。最近は音楽を聴く時間も減りましたが、ゆっくりと自宅で寛ぎたいときは、珈琲を飲みながらジャズのアルバムを聴いています。


私のお気に入り盤:
UCCU-99034 モダン・アート / アート・ペッパー >>収録曲へ
ジャズ喫茶のマスターが大好きだったアルバム。私にとってもジャズを聴いて初めて心地良いと感じたアルバムです。

池上信次 編集者

「ジャズは演奏の瞬間にしか存在しない」とエリック・ドルフィーは言った(超意訳)。ジャズの本質だと思う。そして「二度と聴けない」と続くが、それは違う。CDはその瞬間を何度でも体験させてくれる。しかも聴くたびに新発見をしながら。ジャズだからこそ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99056 オフランプ / パット・メセニー・グループ >>収録曲へ
ただよう気配は「ラウンド・ミッドナイト」。引きずり込まれるこの暗さがいい。ジャズだな、と思う。

生島 昇 ディスクユニオンJazzTOKYO店長

ジャズの魅力とは?と聞かれたら、何よりも「強烈な個性との出会い」に尽きると思います。何かの縁で出会う初対面の人。見た瞬間からどんな感情が生まれるか、予想がつきませんね。初めて聴くジャズとの出会いはまさにそれ。一度に100人と出会えます!


私のお気に入り盤:
UCCU-99032 エラ・アンド・ルイ / エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング >>収録曲へ
もう全てといっていいくらいジャズの魅力が詰まった超大物二人の共演。無人島の1枚。

黒田朋規 タワーレコード神戸店 JAZZバイヤー

ジャズ、、、それは至宝のアジテーションであり、私法のプレゼンテーションであると捉えてます。勿論いろいろありますが、時代・場所・背景により様々な様式・編成・ジャンルを産み落とす”ジャズ”は、様々な時代・場所・背景を生きる私達1人1人に響く”ジャズ”。あらゆる感情に寄り添う、、、音楽、、、ジャズ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99047 ホワッツ・ニュー / ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ >>収録曲へ
ピアノ詩人ビル・エヴァンスと新鋭フルート奏者ジェレミー・スタイグの超豪華共演盤。相互に名盤あるジャズマンの魅力を凝縮した作品。「枯葉」は勿論、緊迫と緩和の中に刺激的な演奏が響き渡る。

安達友和 タワーレコード神戸店 (ラーメン愛好家)

時に愛に満ち溢れ、時に恐ろしい程に狂気的。演奏者の感情がダイレクトに伝わる、そして今だに変化、進化し続けるその生々しさたるや、ジャズってまさに人間そのものなんです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99002 バラード / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
62年の言わずもがなジャズ古典。タイトルに偽り無し、レコードの針を落とす度に胸を焦がす、コルトレーンの「愛」が溢れ出す至高のジャズ・バラード集。

第9回(2014.10.03掲載)

土岐麻子 歌手

あの人が歌うとやさしく、この人が歌うと強がりに、その人が弾くと絶望的。…一つの曲にたくさんの解釈が存在する、それが私の知るジャズの魅力のひとつです。そこに私も参戦したくて、スタンダードのアルバムを出したりしています。もっともっと、遊びたい!


私のお気に入り盤:
UCCU-99029 チェット・ベイカー・シングス
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どんな性格だったらこんな風に歌えるんだろ、というくらい、甘くて、それなのに客観的な歌!

藤本一馬 (orange pekoe) ギタリスト/作曲家

高校生の終わり頃。叔父の家にたくさんのジャズの名盤があり、「ジャズが聴きたいんだけどなぁ」と言ったら、ギターを弾いている僕へジョー・パスの録音を。もう聴いた瞬間からどこかへトリップ。美しいハーモニーと旋律、自由に物語が展開されていくワクワク感。そのままジャズの虜に。今もずっと、その憧れが消えないです。


私のお気に入り盤:
UCCO-99015 ヴァーチュオーゾ / ジョー・パス
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はじめて聴いたときの感動が今でも忘れられないです。圧倒的なギター演奏と歌心。聴く側にも自由を与えてくれるような、音楽力が溢れています。

直枝政広 (カーネーション)

ジャズは長い時間をかけて出会った盤をコツコツと聴いてきたけど、まだまだ。本当のお楽しみはこれからだと思ってます。この100枚分の楽しみは相当なもの。各々の作品が濃密な物語を背負っているわけだし、一生ものです。聴けばきっと最高の体験になるはず。


私のお気に入り盤:
UCCU-99063 ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル+2
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この「ティー・フォー・トゥー」3ヴァージョンにつきます。まるで夜空をくるくると飛び廻るような演奏。夢が醒めそうで醒めない感覚。これは一種の魔法なんだと思う。

中村智昭 (MUSICAÄNOSSA / Bar Music)

家族との時間を御座なりに、爆音で鳴らす古いジャズのレコードに身を委ねる父の姿がどうしても好きになれなかった。けれど、音楽は幼いころから好きだった。悔しいけどそのことは、父が毎夜ああして鳴らしていたジャズと無関係ではないはず。


私のお気に入り盤:
UCCU-99028 ナイト・ライツ+1 / ジェリー・マリガン
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今回の「ジャズの100枚。」シリーズにおいては僅か1000円で手にすることのできる、大人の夜の世界へのチケット。これまでどこか背伸びをするような気持ちで聴いてきたが、そろそろ僕にも許されるのかもしれない。

EN (横浜レアグルーヴ / Bar Music)

ジャズに初めて出会ったのは、父と母に連れられて行った今はなきブルーノート福岡でのこと。クラシックのピアノだけを懸命に学んでいた12歳の私にとって、それは衝撃だったのです。ジャズとはやっぱり、カッコいい音楽だということ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99047 ホワッツ・ニュー / ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ
>>収録曲へ
ビル・エヴァンスとジュレミー・スタイグの真摯な掛け合い。私も、きっとみんなも大好きな「スパルタカス 愛のテーマ」の中でも、特に素晴しいヴァージョンだと思います。

中条省平 フランス文学者

すごい! この100枚のラインアップを見ていると、人類の20世紀が生みだした最高の文化遺産はジャズなのだと確信します。「光の世紀」と呼ばれる18世紀は近代革命を準備しました。その輝かしい光がモーツァルトの音楽に集約されるように、20世紀の激動的パワーと悲痛な嘆きはジャズに濃縮されています。


私のお気に入り盤:
UCCU-99051 チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル Vol. 1
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私のお気に入り盤:
UCCU-99052 チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル Vol. 2
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モダン・ジャズはすべてここから始まりました。音質のせいもあってビギナーにはすこし敷居が高いように思われるかもしれませんが、これをくり返し聴いているうちに、ある日いきなり、「ジャズの100枚。」の出発点がここにあることが分かります。そうなったら、ジャズはあなたの一生離れがたい伴侶となるでしょう。

大川博之 カルチュア・コンビニエンス・クラブ 商品・調達部

RockのRollともSoulのGrooveとも違うSwingという揺らされ方。二度と同じ演奏が聴けない即興音楽としての緊張感。若いとわからないという意味ではなく、歳を取るにつれ、聴こえてくる音が増えてくる大人の音楽としての深さ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99004 ザ・ケルン・コンサート / キース・ジャレット
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金髪メタラーだった時代にも拘らず、心揺さぶられたピアニスト。JAZZへの入口となった1枚。

小林友和 カルチュア・コンビニエンス・クラブ TSUTAYA直営カンパニー 商品企画

いい意味でテキトーな音楽。自由で同じ曲でも毎回違いますし、演奏者や時代によっても表現が全く異なるというところがいいですね。いろいろ聴いた上でまた聴いてみると更にそこに発見がある、というところも面白いところ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99008 セロニアス・ヒムセルフ+1 / セロニアス・モンク
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流麗やメロディアスとは対極にあるゴツゴツとしたピアノ。シンプルなのに聴くほどに深みがある。

黒川哲洋 新星堂名古屋店

ジャズの魅力とは、それはSWING感だと思う。SWINGしているから何度聴いても飽きないし心おどる”スウィングしなけりゃ意味ないじぇ”。


私のお気に入り盤:
UCCU-99029 チェット・ベイカー・シングス
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「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の名唱で有名なアルバムですが、むしろそれ以外の曲が好きです。

冨永信良 新星堂テラスウォーク一宮店 店長

JAZZの醍醐味は、何と言っても即興演奏とライヴ感にあります。その時限りの一瞬の刹那を今感じることができる、その素晴らしさは何物にも代えがたい事で、人類の財産と言ってもいい。50年代、60年代の偉人たちの息吹をぜひ多くの人に感じて欲しい。


私のお気に入り盤:
UCCO-99007 フル・ハウス+3 / ウェス・モンゴメリー
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ウェスの超絶ギター対グリフィンの猛列ブロウ・テナー。熱すぎる! 嗚呼タイムマシーンがあればなぁ。

第8回(2014.09.26掲載)

NARGO (東京スカパラダイスオーケストラ)

一口にjazzと言っても様々な演奏スタイルがあってそれぞれ楽しみ方が違うと思いますが、僕はバップ期のjazzをヘッドフォン無しで可能な限り大音量で聴くのが好きです。10歳からjazzを聴いていますが、耳で聴くのではなく骨で感じて皮膚に来て鳥肌から震えになり最後は涙する。それが僕の感じるjazzです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99051 チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル Vol. 1 >>収録曲へ
パーカーの『オン・ダイアル』は僕のjazzへの入り口です。マイルス、ガレスピーをここで知りました。懐かしいーっ!

北原雅彦 (東京スカパラダイスオーケストラ)

JAZZつってもイメージするものって何かむずかぴーとか洒落おつっぽいとか人それぞれあると思いますが、どんなビートにせよその上で自由に会話し合っているそのやり取りを楽しめたら イエィ!って声に出ちゃいますよね。皆さん イエィ!って言いましょう!


私のお気に入り盤:
UCCU-99014 マック・ザ・ナイフ~エラ・イン・ベルリン / エラ・フィッツジェラルド >>収録曲へ
なんつったってエラのパッションがビシビシ響きまくってきてヤバイっす。

GAMO (東京スカパラダイスオーケストラ)

若かりし頃新宿のジャズクラブで、ある大先輩にジャズって何なんすかね?と尋ねたら、ジャズとは生き様だ!と言われ、以降その言葉を大切に日々精進しております。時代を超越したその様々な生き様が今回また味わえるわけだ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99008 セロニアス・ヒムセルフ+1 / セロニアス・モンク >>収録曲へ
独特で美しい音世界。あの店の苦いコーヒーがよみがえる。

谷中 敦 (東京スカパラダイスオーケストラ)

今やJazzがかかってないバーや居酒屋さんを探すのがむつかしいほど、どこでも自然にJazzが流れてるように思います。そして会話の合間に素敵なフレーズを見つけると最高に嬉しかったりします。俺が上の空みたいなときはそんな時です。どうか許して下さい。


私のお気に入り盤:
UCCO-99023 アット・ザ・ファイヴ・スポット Vol. 1 / エリック・ドルフィー >>収録曲へ
初めて聞いたとき訳も解らず呑まれるように聴いたのを覚えています。なんだか格好良かった

鈴木惣一朗 音楽家(ワールドスタンダード、ソギー・チェリオス)

「のような、そうでないような」ものが好きです。クロード・ソーンヒル、ゲイリー・マクファーランド、エリス・ラーキンス、そしてギャビン・ブライアーズ。ジャズ「のような、そうでないような」音楽。でも、どんどん聴いていると「ジャズって何なの?」という壁にぶち当たる。ぼくは、その壁を「コツコツ」聴き、崩すのが好きです。このジャズの100枚シリーズも、きっと、そういうことなんだと思います。100枚を「コツコツ」聴き、ゆっくり聴き崩す、喜び。まさに至上の喜びが、ここにあるのです。


私のお気に入り盤:
UCCO-99022 ムーンビームス / ビル・エヴァンス >>収録曲へ
いつでも聴けて、すごく聴きやすい。でも、気軽に聴いていると、突然、ビル・エヴァンスというジャズ・ジャイアントが、どっしりとそびえ立ちます。だからぼくは、いつも「ははーっ」とひれ伏す。本当の洗練とは、こういう音楽のことを言うのです。

及川亮子 代官山蔦屋書店

20代の初めにマイルスを聴いた。とにかくカッコ良かった。ジャズの最大の魅力は、演奏者も聴き手も対等に楽しんでいるということ。50年前の音源に、今でもニンマリしてしまう魅力的な音楽からは、一生離れられません。


私のお気に入り盤:
UCCU-99037 スタンダーズ Vol. 2 / キース・ジャレット・トリオ >>収録曲へ
オリジナル、ソー・テンダーが始まった瞬間から超エレガントな世界がグルーブします。

鈴木修二郎 代官山蔦屋書店

記憶をたどると初めてJAZZに触れたのは、高校時代に友人宅で聴いた女性の横顔のジャケット、ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビイ』でした。お洒落でカッコ良い印象に少しとりつかれ、22才の時に某レコード店に就職し、レコード中毒になり現在に至る。


私のお気に入り盤:
UCCU-99066 ソングス・イン・ア・メロウ・ムード / エラ・フィッツジェラルド&エリス・ラーキンス >>収録曲へ
ソフトなピアノをバックに、語る様な優しいエラの歌声。リラックスして聴けるバラードの一枚。

遠藤直樹 星光堂 マーケティング本部 商品部

いわゆるジャズと言われる音楽に触れる前に好んで聴いたのはフュージョンであった自分が結果行き着いたのはジャズ。ジャズは、演者もリスナーも形に捉われない自由 さがあり、正面から聴くも良し。ながらで聴くも良し。多様化の昨今だからこそ求められるのがジャズなのかもしれない。


私のお気に入り盤:
UCCO-99024 枯葉 / サラ・ヴォーン >>収録曲へ
サラのスキャットが秀逸な表題曲は衝撃の1曲。ジョー・パス他、バックも強力で極上の歌物ジャズに仕上っている。

西田武生 サウンドニュー 代表取締役

ビバップ、モード、フャンキー、クール、ウエストコースト、フュージョン、様々なスタイルの名盤がお手頃価格で手に入る今シリーズは、正にジャズファン垂涎の企画。20世紀最高の音楽芸術とも言えるジャズの発展・進歩が、如実に実感できる事請け合いです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99008 リターン・トゥ・フォーエヴァー / チック・コリア >>収録曲へ
一番衝撃を受けたアルバム。リズム、サウンド、ローズetc.まだ高校生の私には正に「未来」でした。

和田 寛 山野楽器 販売員

寛ぎたいときや眠りに落ちるまでのひとときはもちろん、少し落ち込んで真摯にスピーカーと向き合いたい時も棚から手に取るのはジャズのCD。一瞬に込めたアーティスト達の凛としたプレイにいつも活力をもらっています。


私のお気に入り盤:
UCCO-99021 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
傑作バラード「アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー」は夕暮れ時が似合う感動の名曲。


第7回(2014.09.19掲載)

マイク・スターン ギタリスト

ジャズの定義は難しいけれど、自分はジャズにスウィング・フィールを求める。”ブルージー且つスウィンギー”。それともうひとつ、エキサイティングな即興性を求める。”いまこの時、この場で作られていく音楽”、それがジャズだ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99002 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ >>収録曲へ
マイルス・デイヴィスの諸作品は全てグレートだ。でも、この100枚の中で一番好きなのはと訊かれたら、人生で最も強烈なインパクトを受けた『サキソフォン・コロッサス』を挙げる。強烈にスウィングしているのに、同時にとてもナチュラルに音を紡いでいる。サポート陣も同様だ。

小玉ユキ 漫画家(「坂道のアポロン」「月影ベイベ」等)

リアルタイムで人と人とが音楽で会話したりぶつかり合ったり支え合ったりしながらその時にしかできない演奏をする、これほど刺激的な音楽は他にない気がします。その化学反応によって、同じ曲でも幾通りもの楽しみ方ができるのがジャズの醍醐味だと思います。


私のお気に入り盤:
UCCO-99001 ワルツ・フォー・デビイ+4 / ビル・エヴァンス >>収録曲へ
この一枚がジャズへの入口でした。優しく温かい雰囲気の中での刺激的な演奏。何度聴いても飽きません。

橋本 徹 (SUBURBIA/Free Soul/Cafe Apres-midi)

エヴァンスにコルトレーン、『クールの誕生』、『処女航海』、『マネー・ジャングル』、『セロニアス・ヒムセルフ』、マリガン『ナイト・ライツ』にドルフィー『ラスト・デイト』……、どれもある時期に集中して聴いた大好きな作品ですが、最愛聴盤は『チェット・ベイカー・シングス』、これに尽きるなあ。今まで付き合ったすべての女性(まったく数は多くありませんが)が好きでした。


私のお気に入り盤:
UCCU-99029 チェット・ベイカー・シングス >>収録曲へ
ガールフレンドの家に泊まるとき、こんなに助けられるアルバムはないよなあ、という男たちの気持ちをここでは代弁しておきます。”皆様を愛するジャズ”、でも俺がいちばん好きな自信がある(と誰もが感じるだろう)、そんな一枚です。

豊田恵子 テレビ番組 キャスティング・プロデューサー

中学時代に聴いた”マイルスの枯葉”に始まり、大学時代は、アケタの店で、伝説に残るようなセッションの現場にも立ち合わせてもらった。強烈な演奏に当てられ、体がビリビリした翌日は、熱を出した。自由でスリリングで、一度触発されたら、心に住み着いてしまうジャズ。永遠に古くならない音楽。今回の100枚に収められた名演を聴いて、久々に、ビリビリ体験、してみたくなった。


私のお気に入り盤:
UCCO-99017 ザ・トリオ Vol. 1 / ハンプトン・ホーズ >>収録曲へ
戦後、進駐軍として日本に滞在。植木等さんや穐吉敏子さんらとジャムセッションしたというH・ホーズ。彼のピアノにはジャズの楽しさ、面白さがてんこ盛り。ノリノリのブルースから洗練されたバラードまで。ピアノ・トリオの名盤です。

牛窪成弘 ジャパンエフエムネットワーク 顧問

モダン・ジャズの傑作が次々に生まれた1950年代は、アメリカの文化が最も光り輝いた時である。テレビが驚異的に普及し、市民生活は豊かになり、ポピュラー音楽、ブロードウェイ・ミュージカル、映画、文学…文化のあらゆるフィールドで、この10年にまさるアメリカの時代はない。ジャズは、その全盛期のアメリカン・カルチャーの大きな断面を形造った。ジャズの魅力は、アメリカの魅力そのものである。


私のお気に入り盤:
UCCO-99002 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ >>収録曲へ
“名盤”と呼ばれるアルバムは数多い。しかし、そこに収められた曲の全てが”名演”というアルバムは滅多にあるものではない。このアルバムは、そんな稀有な一枚だ。

小林 哲 エフエムサウンズ 代表取締役社長

LIVEを聴きに行って、素晴らしい演奏に出会った時には、本当に幸せな気持ちになれる。ミュージシャンそれぞれの歌が絡み合ったインプロヴィゼーションは、時に想像を超える瞬間を生み出してくれる。奇跡の瞬間を捉え得た名盤は、いつの時代も色褪せない。(しかし、これだけ揃うと独禁法違反ですね)


私のお気に入り盤:
UCCO-99008 セロニアス・ヒムセルフ+1 / セロニアス・モンク >>収録曲へ
高校時代、初めて聴いた時は取っ付き難かったが、一度モンクにハマるともう病み付き。

林 伸次 bar bossaマスター

ブラジルでは大人になる条件が三つあるそうです。1. 子供をつくること。2. 本を一冊書くこと。3. 木を植えること。日本で大人になる条件って何でしょうか? この「ジャズの100枚。」を聞くことっていうのもあれば素敵な大人が日本にも増えるのですが。


私のお気に入り盤:
UCCU-99008 リターン・トゥ・フォーエヴァー / チック・コリア >>収録曲へ
美しいジャケット。リターン・トゥ・フォーエヴァーという言葉。ブラジルとアメリカ。

菊田有一 ディスクユニオン 専務

ジャズ世界遺産ともいえる100の風景に出会える。すべての風景は聞けば聞くほど新鮮な感覚で舞い降りてくる。毎日たくさんの音楽が作り出されているのに、100枚の風景は初めて人前に差し出された時と同じ状態を維持し、さらに新たなアーティストの創造の源のひとつともなり続けている。


私のお気に入り盤:
UCCU-99016 この素晴らしき世界 / ルイ・アームストロング >>収録曲へ
9月9日午前2時、深夜静寂の中でひとり、サッチモのI think to myself, what a wonderful worldに身を委ねる。

山本勇樹 ローソンHMVエンタテイメント(商品統括部ジャズ担当)

1枚の作品を聴いて、1曲の名演を聴いて、プレイヤーや作曲家などさまざまな情報を知ることができる。ジャズには音楽の本来の楽しみ方がすべて詰まっている。必然と偶然を繰り返し、連綿と続いてきたジャズの歴史は伊達ではないと思う。


私のお気に入り盤:
UCCO-99022 ムーンビームス / ビル・エヴァンス >>収録曲へ
これは常備薬というか安定剤というか、いつもそばにないと不安になる作品。

小浜文晶 ローソンHMV エンタテイメント

あの日の父の背中や母のぬくもりにも似た、揺るぎのない存在感と懐の深さ、そして永遠に時を支配するかのようなその強烈な余韻。優しく包み込んでくれるときもあれば、熱いゲンコを振り下ろされるときもある・・・言いたいことはただひとつ、ジャズの受け皿は、果てしなく大きいのです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99014 マック・ザ・ナイフ~エラ・イン・ベルリン / エラ・フィッツジェラルド >>収録曲へ
ロック兄ちゃんをも慄かせるであろう、「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」のマシンガン・スキャットに射抜かれた。ジャズ、いや音楽ってやっぱライヴだよなぁ。



第6回(2014.09.12掲載)

デイヴィッド・フォスター氏からもコメントが届きました!!

デイヴィッド・フォスター 
音楽プロデューサー / The Verve Music Group会長

1949年カナダのヴィクトリア出身。80年代から90年代前半のAORサウンドの黄金期において、ボズ・スキャッグス、シカゴ、アース・ウィンド&ファイアー等数多くのアーティストを成功に導き、その後もセリーヌ・ディオン、ホイットニー・ヒューストン、マイケル・ジャクソン、マドンナ、アンドレア・ボチェッリ、マイケル・ブーブレ、松田聖子、SMAP等、幅広いジャンルのアーティストの曲やアルバム・プロデュースを手掛け、カルガリー、アトランタ、ソルトレイクと過去3回ものオリンピックのテーマ曲に携わり、グラミー賞を16回も受賞している世界で最も多くのヒット曲を生み出しているプロデューサー/ソングライター/マルチ・プレイヤー。


ジャズについて:
ジャズは最も自由な表現のカタチです。幼い頃から、他の音楽にはないほど、私の頭のてっぺんからつま先にまで染み込んでいます。


私のお気に入り盤:
UCCU-99026 モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス+1 >>収録曲へ
ビル・エヴァンスは、私のお気に入りのピアニストの中でも最高です。最も深みがあり、最も美しく、最も情熱的で、最も悲しく、最も楽しい。彼は他のどのピアニストよりも私を満たしてくれます。


お気に入りのジャズ・ミュージシャン:
オスカー・ピーターソン
オスカーからは、昔から他の誰よりも影響を受けました。13歳の時に私宛に手紙(メモ)を書いてくれたのですが、その紙はいまだに額縁に入れてオフィスにかけています。 オスカー・ピーターソン・トリオの『ナイト・トレイン』は、私のお気に入りのアルバムの一つ。アルバム・ジャケットは目に焼き付いているし、子供の頃は何度も何度も繰り返し聴きました。

チャーリー・パーカー
100年に1度くらいの、最も革新的なサックス奏者でしょう。

バド・パウエル
バドは革新者でした。それまであのような演奏をした人はいなかったし、彼以降あのスタイルで演奏できた人はいません。

スタン・ゲッツ
何千といるサックス奏者の中で人とは違うことをするのは本当に難しいことです。しかし、スタンは演奏するたびにそれをやってのけました。彼のトーンはまさにユニークで、類を見ないものであり、スムーズで、セクシー、そしてシルキー。実に素晴らしいです。

エラ・フィッツジェラルド
あの時代、彼女のようなシンガーはたくさんいましたが、彼女と同じシンガーはいなかった。彼女は比類のないシンガーでした。

カウント・ベイシー・オーケストラ
あまりにもスムーズであまりにもシンプル。カウント・ベイシーは複雑なものをとてもシンプルなものに見せた。そこが大好きです。

ウェス・モンゴメリー
ウェス・モンゴメリーは一小節聴けば、それだけでウェスだと判る。彼はあの時代のギタリストと別次元の存在でした。

ジミー・スミス
彼の感性、足でベースを演奏できたところ、笑顔と美しい演奏で会場を盛り上げまくったところが大好きです。


第5回(2014.09.05掲載)

八代亜紀 歌手

ジャズの魅力は、優しくて、懐が深くて、すべてを受け入れてくれるところ。歌うときも、聴くときもいつも「自由」。堅苦しさは一切抜き。なぜならジャズもロックも演歌も私にとってはすべて「流行歌」だから。


私のお気に入り盤:
UCCU-99049 彼女の名はジュリー Vol. 1 / ジュリー・ロンドン >>収録曲へ
小5の時に彼女の声とボサのリズムに魅了されシンガーを志す原点となったアルバムです。

小西康陽 音楽家

100枚のリストを見ました。ジャズ・ファンだけではなく全ての音楽を愛する人、とりわけ若い人たちに聴いてもらいたいアルバムばかりですね。ホントに「新潮文庫の100冊」みたいなチョイスだなあ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99029 チェット・ベイカー・シングス >>収録曲へ
ジャズという以上にポピュラー音楽のターニングポイントとなったアルバムだと思っています。

谷川賢作 ピアニスト

70年代後半から2500円それ以上の値段もついていたこれら珠玉の名盤を少しずつ買って大事に聴いていた日々に乾杯。断言しますが1枚もはずれはありません。これから初めてジャズにどっぷりと浸りたいという方は10万円で全タイトル一気買いでしょう!


私のお気に入り盤:
UCCU-99053 バラードとブルースの夜 / マッコイ・タイナー >>収録曲へ
コルトレーン・グループに入る前の、マイルスも認めるであろうマッコイのこのリリシズムを聴け!

渡辺真理 アナウンサー

「猫は動く宝石、即興芸術の極致」とは巨匠・山下洋輔さんの言葉だが、まさに。そしてJAZZと猫は似てる。大胆で繊細、しなやかで勝手。なのに、優しい。何より予定調和を嫌って適度な緊張感が漂うのに、全体の音に余裕がある不思議。。。JAZZは、媚薬です。


私のお気に入り盤:
UCCU-99006 クール・ストラッティン / ソニー・クラーク >>収録曲へ
10代の頃、名盤と知らないまま初めてジャケ買いしたアルバム。クラシカルな写真、音の大人感はCOOLそのもの。

長利清之 ジャパンFMネットワーク

希望の朝を「処女航海」で起床。お出かけには「そうなったら素敵」と口笛吹いて。シュークリームを頬張りながら「ア・ラヴ・シュプリーム」と恋の呪文を斉唱。時化ても文句は控えモンクで解消。手の届くところにジャズがあると、なんか毎日楽しいなあ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99038 ラスト・デイト / エリック・ドルフィー >>収録曲へ
いつだったか。焼酎「百年の孤独」の瓶の片隅に彼が放った名言を見つけた。手が、時が止まった。

板橋恵子 Date fm JAZZ STRUTTIN’

ジャズほど、多様な魅力にあふれる音楽はない。
ときに、此処ではない高みに誘われ、ときに、心の内奥に染み入ってくる。
スイングに体が揺れ、極上のリラクゼーションに酔う。
聴けば聴くほど…、掘れば掘るほど…魅了される。


私のお気に入り盤:
UCCU-99032 エラ&ルイ / エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング >>収録曲へ
比類なき、二人の巨星の歌心に聴き惚れて、このうえなく、幸せな気持ちになる。

青野賢一 BEAMS クリエイティブディレクター

いわゆるポピュラー・ミュージックの範疇において、これだけ多くの「スタンダード」を生みしたジャンルを、僕は知らない。スタンダードがたくさんあるという事実は、とりも直さず楽曲の強度と自由度がジャズにはあるという事実を現しているのである。


私のお気に入り盤:
UCCU-99028 ナイト・ライツ+1 / ジェリー・マリガン >>収録曲へ
演奏だけでなく、楽曲の強さ、アレンジの重要性を感じさせてくれる一枚。

こいでしんじ barペトロールブルー(ペトブル) 店長

僕が生まれるずっと前から奏でられてきた、賞味期限とは無縁の音の数数、ヴォーカルが好き、わたしソロピアノ、ジャケット素敵ねって触れ方いろいろ、季節、雰囲気、時間帯にあわせて添える音の彩りから僕は、なにかを豊かにしてもらっているんだなと思えます。


私のお気に入り盤:
UCCO-99012 静かなるケニー / ケニー・ドーハム >>収録曲へ
「おーい、ジャズボーヤ。あの娘に2曲目を届けておくれよ。」この想いはきっと、私の愛デアル。

田中夢人 上新電機ディスクピア日本橋店

通な大人への道、皆に格好良く思われたいがための高貴な嗜みを求めて辿り着いたのがジャズ。しかし、当初の邪な考えはどこへやら。気が付けば純粋に心躍る音を探す日々。素晴らしい出会いがあれば、何事にも代え難い至福の時間がそこに。


私のお気に入り盤:
UCCU-99044 スペイン~ライト・アズ・ア・フェザー / チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァー >>収録曲へ
ジャズ史上屈指の名曲「スペイン」は何度聴いても痺れる。チックが紡ぐ音の数々に感嘆。

吉崎真矢 カルチュア・コンビニエンス・クラブ 商品本部

個性的なパーソネルによるセッションによって生み出され、その場の空気感・テンションで色彩が変わるサウンドが最大の魅力ですね。ジャズ・ファンクものはDJで回すことが多く、ドラムの打ち方、ブレイクのカッコ良さだけで選ぶことも多数。


私のお気に入り盤:
UCCU-99043 ザ・サイドワインダー / リー・モーガン >>収録曲へ
何故か都会の喧騒も感じるタイトル曲は、8ビートの男の渋さ溢れるジャズ・スタンダード。

第4回(2014.08.28掲載)

寺井尚子 ジャズ・ヴァイオリニスト

JAZZならではの特長と言えばアドリブ(=即興演奏)。「いくつかの約束事を共有し音の会話を展開、互いに触発され自由に即興で”自分の歌”を歌っていく…」。この躍動感の中に”今この瞬間”を感じる事が出来る、これこそJAZZの持つ力であり魅力であると感じています。


私のお気に入り盤:
UCCO-99001 ワルツ・フォー・デビイ+4 / ビル・エヴァンス
>>収録曲へ
強く美しいメロディーが放つクオリティの高さと透明感。導かれるように手にした私のファーストJAZZ。

本田雅人 作編曲家/サックス・プレーヤー

自分はジャズ演奏家というには中途半端だし普段聴く音楽も様々ですが、やはりその中心にあるのはジャズ。魅力は何と言っても即興性。勿論それだけではありませんがそこが突出した音楽なのは間違いありません。小さい頃から即興が趣味だった自分としてはそこを楽しむのが大好きですね。


私のお気に入り盤:
UCCO-99004 アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション+1 >>収録曲へ
アドリブ・パートまでもが曲のようにずっと美しい。激しいのもイイけれど、こういう唄が好き。

田村玄一 (KIRINJI)

私はジャズと言われると、メセニーさんやらフリゼールさんといったギタリストをつい思い浮かべてしまうのですが、それは恐らく中学生の頃に初めて聴いたジャズの原体験がモンゴメリーさんだったからかもしれません。以来、私の体内で、彼は細胞の一部として細長く生き続けてくれています。


私のお気に入り盤:
UCCU-99015 ア・デイ・イン・ザ・ライフ / ウェス・モンゴメリー >>収録曲へ
このアルバムに収録されている原体験曲が「ウィンディ」です。モンゴメリーさんといえばオクターヴ奏法ですが、今聴いても実に良いですね。親指の腹でダウンストロークのみで弾く方法が判った時は嬉しかったものです。当時はイージーリスニングだ!などと言われていたようですが、全編にわたって、オクターヴ全開の演奏に加えてストリングスやフルート、ヴィブラフォンなどが素敵に絡む、むしろ私的にウェルカムな大好物アルバムです。

森本レオ 俳優

ニジェールから積み出された哀しみが、ミシシッピーにビリーの涙を溶かしたけど、ブルボンやハプスの祝婚歌がデュークを踊らせ、やがてマイルスやハンコックやキースが、ラピュタへの梯子を登って行く。ジャズはきっと「夢の続き」と言う意味だよ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99004 ザ・ケルン・コンサート / キース・ジャレット
>>収録曲へ
キースはケルンと言う時間の中で誰と逢ったんだろう。うれしかったんだろうね。

後藤雅洋 ジャズ喫茶 いーぐる 店主

ジャズの魅力はなんと言っても「聴き飽きしない」ということに尽きます。ジャズを聴きだしてはや半世紀。それでも、ジャズ入門の頃聴いた「ジャズ名盤」の数々、いまだに聴き飽きないどころか、新たな発見まであるのです。これこそがジャズならではの魅力です。


私のお気に入り盤:
UCCO-99023 アット・ザ・ファイヴ・スポット Vol. 1 / エリック・ドルフィー >>収録曲へ
エリック・ドルフィー唯一のレギュラー・グループによる、極め付きライヴ名盤。

小川隆夫 音楽ジャーナリスト

ジャズとの付き合いは50年近くになる。飽きたことは一度もない。それは、「ジャズ」とひとことでいってもさまざまなタイプがあるからだ。どんな年代、どんな気持ちのときにでも楽しめる音楽――それがぼくにとってのジャズのようだ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99002 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ >>収録曲へ
ジャズには飽きがこないアルバムが何枚もある。どんなときでも聴けば心から楽しめる。そんな気持ちにさせてくれる1枚。

北澤 孝 フジパシフィック音楽出版 社長室アドバイザー

“コール&レスポンス”が魅力の根源だと思う。昔から歌が持つ力でもある。日本の和歌の世界でも季語、比喩、掛詞を使い言葉巧みに熱い想いを相手に伝え、相手はその表現を引用しながら心憎い返歌をする。これはもうジャズに他ならない。


私のお気に入り盤:
UCCU-99073 プレス・アンド・テディ+1 / レスター・ヤング&テディ・ウィルソン >>収録曲へ
中間派といじめられた彼らの音楽は、掛け橋などではなくむしろジャズの本質だった。

中野匡人 TBSテレビ 情報制作局 情報二部長

ジャズは本来レコードで聴くべきだ。何故ならジャケットが素敵だから。しかしそれが叶わない今最低でもCDで聴くべきだ。何故ならダウンロードだとパーソネルがわからないから。誰が誰とどう演奏したか、利き酒ならぬ利きCDがジャズの最大の楽しみなのだ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99019 アンダーカレント / ビル・エヴァンス&ジム・ホール >>収録曲へ
「ビル、何演りたい?」「Ihear a rhapsodyだ」「お前女を相当泣かせたな」「ジム、俺の為に泣くのはピアノだけさ」。ライナーノートで読んだ真偽定かでないエピソード。泣きのギター、ピアノduoを是非。白人ジャズのまさに白眉。

野口喜彦 十字屋クロス店

自分は楽器を演奏しているので、自全と担当楽器の音色や技術の方に耳が傾きますが、特にピアノ・トリオは音色がぶつからず演奏者の自由な発想を分かり易く感じ取れるし 、耳触りもソフトなのでジャズ初心者にはオススメです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99005 プリーズ・リクエスト / オスカー・ピーターソン・トリオ >>収録曲へ
どこかで耳にしたことがある名曲の数々を優しさとスリリングを混じえた極上のお手本的トリオ。

平井重夫 名豊ミュージックショップ代表

横浜に移り住んだ頃、桜木町にあったCHIGUSAというジャズ喫茶によく通った。日本最古だともいわれた老舗のジャズ喫茶だった。一杯のコーヒーとジャズは、仕事疲れを癒してくれるステキな空間だった。ジャズへの想いは苦い青春時代への追憶だ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99001 ワルツ・フォー・デビイ+4 / ビル・エヴァンス >>収録曲へ
ビル・エヴァンスのピアノを美しいと感じる時、美しいのはエヴァンスのピアノではなく、そう感じるあなた自身だ。


第3回(2014.08.22掲載)

菊地成孔 音楽家/文筆家

気がついたらもう100年ですか。ディスクガイドなんて一番実用性に乏しいと思ってましたが、今回ばかりはやる意義があるなと思います。


私のお気に入り盤:
UCCU-99024 クールの誕生 / マイルス・デイヴィス >>収録曲へ
マイルスの作品の中でも「傑作だというからガイドに載せるけどオレはあんま解らないな」というツイストした冷遇のされ方をしている一枚ですが、今聴くと普通に傑作。

伊藤ゴロー ギタリスト/作曲家

改革者も、伝統を重んじる求道者も、アヴァンギャルドでオルタナティヴなプレイヤーも、皆同じフィールドで、クールでスリリングなグルーブを共有している。 かっこいいのがジャズ!


私のお気に入り盤:
UCCU-99015 ア・デイ・イン・ザ・ライフ / ウェス・モンゴメリー >>収録曲へ
ウェスのA&M/CTIからリリースされたアルバムは僕にとってどれも特別なもの。 ドン・セベスキーのアレンジも冴えまくってる。ギター・ヒーローはあまりいないけど、ウェスは別格。クールなプレイにいつもあこがれてます。

コトリンゴ (KIRINJI・コトリンゴ)

ジャズのライヴでは、その日その時、どんな事が起きるか誰にも予測がつかない中で、高揚感、一体感がどんどん高まっていく、その最高の瞬間に居合わせる事が出来たなら、本当に楽しい! 録音は、その瞬間をおさめたもの。お店や家でも、大きな音で聴くのが大好きです!


私のお気に入り盤:
UCCU-99068 クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2 >>収録曲へ
どれも好きで本当に迷いますが、父のレコードからもよく聴いていた楽しいこれを。 どの曲もキャッチーで、スウィングしてます!

渡辺裕之 俳優

ジャズの譜面は、メロディーとコードが書いてある程度の簡単なものが多い。だから演奏はプレイヤーの感性で表現される。一つの曲がプレイヤーの数だけ違った演奏形態があって、しかも演奏の度に構成やリズムを変えたりして、その場で作り上げて行く「演奏の妙」を、奏者もリスナーも楽しめるジャンルの音楽がジャズである。そう言う事を念頭に置いて聴けば、録音の時のプレイヤー達の表情、息使いが想像出来て、そのライヴ感もまた楽しみ方のひとつである。 ジャズを始めた当時は、LPレコードが2000円以上していて自分にとっては高額だったから、もっぱらジャズ喫茶に通って気に入った曲があると、レコード屋さんでジャケットの隅から隅まで読んで、買う一枚を決めるのである。最初の一枚はマイルス・デイヴィスの『マイルストーンズ』、二枚目がリー・モーガンの『ザ・サイドワインダー』だった。 今は一枚1,000円で買え、且つ収録曲数も多いのだから、片っ端から買ったほうがいい。難しい事はない、聴いていて身体がスイングしてくれば、それは正しいジャズの楽しみ方である。


私のお気に入り盤:
UCCU-99068 クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2 >>収録曲へ
師匠:日野元彦Swingの原点を感じるから

泰葉 歌手

あなたが自由を欲する時、ジャズは友人としてあなたの鼓動を鳴らしてくれるでしょう。心が寂しさをこらえきれなくなったら、ジャズは寄り添って泣いてくれます。人生を共に歩むジャズを味方にして、素敵な時間を過ごして下さい。あなたとジャズに乾杯!


私のお気に入り盤:
UCCU-99014 マック・ザ・ナイフ~エラ・イン・ベルリン / エラ・フィッツジェラルド >>収録曲へ
8分10秒のハイスキャット、客席と一体になる「マック・ザ・ナイフ」は歴史に残る名演!

櫛田寿宏 産経新聞文化部記者(音楽担当)

ジャズから伝わるのは演奏者の人間性です。魂です。一人静かに聴くことで、それが僕の体を駆け抜けて、心に染み渡り、やがて血肉になる。こんなうれしいことはないじゃないか! 大人の男たちよ、ためらうことなくジャズを聴くべし。


私のお気に入り盤:
UCCU-99035 ジャズ・ジャイアント / バド・パウエル >>収録曲へ
帝王マイルス・デイヴィスが「本当の天才」と評した理由が分かります。本当の才能が感じられます。

内藤遊人 ジャズライフ編集長

高校1年生の秋、私はひとりのミュージシャンと出会った。彼の名はソニー・ロリンズ。あたまはモヒカン、あごひげを生やし、テナー・サックスを吹くその風貌の堂々たること! その一瞬の出会いから、私は50年ジャズを聴き続けている。ジャズは楽しい!


私のお気に入り盤:
UCCO-99002 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ >>収録曲へ
このアルバムと出会わなければ、私の人生は全く違ったものになっていたと思う。

岡崎正通 音楽ライター

ジャズの最大の魅力は、突出した個性をもつプレイヤー達が聴かせる素晴らしい即興演奏にある。そのスタイルは多種多様。そんなジャズの楽しさを最高に味わわせてくれる「ジャズの100枚。」。どこから聴いてもジャズのとりこになること間違いなしである。


私のお気に入り盤:
UCCO-99025 ウェイ・アウト・ウエスト+3 / ソニー・ロリンズ >>収録曲へ
シンプルなトリオ編成。それだけに豪放なメロディーを歌わせてゆくロリンズの息づかいがよく伝わってくる。

神尾孝弥 銀座山野楽器 本店ジャズフロア

本当に基本となる100枚のジャズコレクションです。今43歳の僕は、ジャズと出会って25年。夢中になってこれらの名盤を聴いてきましたし、今でも繰り返し聴いています。良い音楽はいつでも心に届くものですから…。全音楽ファンにぜひどうぞ!!とおすすめします。


私のお気に入り盤:
UCCU-99005 プリーズ・リクエスト / オスカー・ピーターソン・トリオ >>収録曲へ
ピーターソンのピアノ・タッチの美しさが存分に味わえる1枚。バラエティに富んだ選曲も楽しい。

内田英徳 音楽堂

数あるシリーズの中の「ベストシリーズ」の登場! すべての作品が心をつかんで離さない秀逸ものばかり。久々にJAZZ界に激震を起こしそうなシリーズといっても過言ではないでしょう。100枚目に聴くのはジョン・コルトレーンの『至上の愛』で締めたい!


私のお気に入り盤:
UCCU-99007 至上の愛 / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
JAZZと出会い、かっこつけていた頃、ウィスキーを飲みながらレコード盤に針を落としていました。


第2回(2014.08.15掲載)

堀込高樹 (KIRINJI)

ジャズをよく聴くのかと問われれば、そうでもないと答えるのが常だ。でも、チャーリー・ヘイデン、パット・メセニー、ビル・フリゼールなど、ジャズとは意識せずに聴いている音楽がジャズだったりするから不思議だ。彼らの作品には汎アメリカの音楽のすべてが流れ込んでいると感じる。それらをパッチワークではなくシームレスに表現できるのは、ジャズを介しているからこそなのだろう。


私のお気に入り盤:
UCCU-99004 ザ•ケルン•コンサート / キース•ジャレット >>収録曲へ
テンションコードもブルーズも感じられないけど、ジャズを感じる。弾く人のタッチこそが、それがジャズか、そうではないかを決定するのだ、なんて思ったりして。

千ヶ崎 学 (KIRINJI)

僕は所謂ジャズ・ミュージシャンではありませんが、どんな音楽を聴いても、演奏していても、その音楽が持っているジャズ的な部分が好きだし、いつの間にかそれを探してしまいます。でも何がジャズか問われても答えられないんですよね、不思議。そこがジャズの魅力なのかもしれません。


私のお気に入り盤:
UCCU-99032 エラ&ルイ / エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング >>収録曲へ
エラが『マック・ザ・ナイフ』でサッチモの物真似をしている録音は有名ですが、そんな互いのリスペクトが優しく伝わってきます。「Can’t we be friends?」から始まるというのも粋ですね。ジャケも大好き。

須永辰緒 (Sunaga t experience) DJ/音楽プロデューサー

ダンスミュージックのクリエイターなどのインタビューを読むと、その出自の多くはジャズの世界に既存していることに気づきます。その経験値は脈々と培われ現在へ。若いジャズ入門者の方なら、そんな源流へ旅することもジャズを楽しむ取っ掛かりになるかと思います。


私のお気に入り盤:
UCCU-99013 処女航海 / ハービー・ハンコック >>収録曲へ
脈々と続く”ジャズの影響下”の音楽は、実はこのアルバムが鍵だと言う識者も多いです。

菅原正二 ジャズ喫茶ベイシー

タイミングのいい人ってのは物事をよく考え、先を見通しているからであって、これは日常的にジャズをやってると等しい。ジャズはタイミングの音楽といっていいほどのものだから。そして「ジャズの時代」というものが確かにあったという物的証拠がこの100枚の中に明らかだ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99016 リラクシン / マイルス・デイヴィス >>収録曲へ
マイルスのこの四部作は全て最高の完成度を記録しており、一音たりとも足すも引くも出来ぬ俳句レベルの見事さに、絶句。

原澤美穂 ブルーノート東京 広報

アーティストたちはジャンルを超えて互いに刺激しあい、それによって新たなサウンドやムーヴメントが生まれ、音楽は時に静かに、時にダイナミックに変化を遂げていく。ジャズを聴いたことで私は、その醍醐味を一層強く、堪能できた気がします。


私のお気に入り盤:
UCCU-99071 マネー・ジャングル / デューク・エリントン >>収録曲へ
偉大な3人が激突して生まれた鮮烈、エロティック、そして最高にエレガントな1枚。

三森隆文 ジャズジャパン編集長

ジャズの美点は「自由」。それはインプロビゼーション(即興)があるからできる表現。こころの赴くまま音を綴る。その自由奔放さは放浪の画家のよう。その音を捉えた作品には今なお生々しい息づかいが聞こえる。ジャズがくれる自由をご堪能あれ。


私のお気に入り盤:
UCCU-99038 ラスト・デイト / エリック・ドルフィー >>収録曲へ
良識人面でアッカンベーする穏健派イノベイター。いい音楽は空中に放たれてもいつも戻ってくる。

長谷部千彩 エッセイスト

“マイ・フェイヴァリット・シングス”― 誰もが知るこの曲ひとつとっても、幾多のアレンジがあり、幾多の演奏がある。そして、そのそれぞれを好きという人がいて、苦手という人がいる。ジャズは物事にはさまざまな見方がある事を教えてくれる。そこが好きです。


私のお気に入り盤:
UCCO-99024 枯葉 / サラ・ヴォーン >>収録曲へ
超絶技巧のスキャットで駆け抜けるように歌う「枯葉」が素晴らしい。女が女に惚れる一曲。

斎藤日出夫 J-WAVE 代表取締役社長

15年前に小曽根真さんとジャズ番組を立ち上げた。「ジャズは難しくも古くもない、おしゃれでカッコいい音楽だ。これを伝えたい」。この思いは小曽根さんも同じで、データで聞くジャズではなくスタイルで聴くジャズ番組ができた。そうです、ジャズは感性で楽しみたい。


私のお気に入り盤:
UCCU-99022 エイプリル・イン・パリ / カウント・ベイシー・オーケストラ >>収録曲へ
昔、学生ビッグバンドにいた。学生にとってベイシー様は神様だった。きっと今も。特にこの1枚は!

馬場雅之 タワーレコード 商品本部

ジャズを制するものは全ポピュラー・ミュージックを制す。いろいろなジャンルの音楽を聴いてみたいという人は<ジャズの100枚。>の中から大好きな一枚を見つけてください。それがあなたの”これからの人生”になります。


私のお気に入り盤:
UCCO-99022 ムーンビームス / ビル・エヴァンス >>収録曲へ
電気料金未払いで真っ暗な部屋の中、差し込む月あかりの下で聴いた本作が初エヴァンス体験でした。

野々口敏之 新星堂 執行役員 商品統括部長

このリストを観て最近、JAZZの名盤をじっくりと聴くという事がないなと、それに意外と持って無い盤があるものだなと、改めて思った次第。ブルーノートとECMとインパルスが一気に1000円になるなんて。この充実度と名盤度。次は初CD化も含む深いリリースにも是非期待したいところです。


私のお気に入り盤:
UCCU-99056 オフランプ / パット・メセニー・グループ >>収録曲へ
過激さを含んだ目の前に広がる景色、この心地良さが現代最高峰のJAZZである。


第1回(2014.08.08掲載)

山下洋輔 ジャズ・ピアニスト

アフリカとヨーロッパがアメリカ新大陸で出会い、衝突するという人類史上最大と言ってよい出来事があった。その結果産み落とされたのが、ジャズだ。その音楽は、今や人類の至宝となった。 代表作としての百枚のCDにはその時間のすべてが詰まっている。


私のお気に入り盤:
UCCU-99007 至上の愛 / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
正統派からフリージャズへの疾走の途中で掴んだ「ある境地」が生々しく伝わってくる。

黒田卓也 ジャズ・トランペッター

12歳でトランペットを始めて以来、ずっとジャズの大ファンですが、”なんで好きなのか”あまり考えた事が無かったです。自分が演奏する側になり色々考えると、ジャズほど芸術とエンターテインメントを兼ね備えた音楽は他にないのではないかと思います。またそこに即興演奏というスリリングな要素も加わるので、ギャンブルをやっているかのような刺激もあるわけです。はまると抜けられないのがジャズなのではないでしょうか。


私のお気に入り盤:
UCCU-99043 ザ・サイドワインダー / リー・モーガン >>収録曲へ
特に「ザ・サイドワインダー」が大好きです。耳に残るファンキーなメロディーとブーガルーのリズムで、本当に多くの人が親しめる曲だと思います。

akiko ジャズ・シンガー

ジャズを聴き始めた学生時代、私は安い中古レコードを聴いていました。レコードに針を落とす手間も、時には酷すぎるノイズや針飛びさえも、その音楽と同じように愛おしいものでした。もっと気軽にジャズが楽しめるようになった今でも、古き良き音を聴く度に温かい気持ちになります。


私のお気に入り盤:
UCCU-99041 アニタ・シングス・ザ・モスト / アニタ・オディ >>収録曲へ
モダンで小粋なアニタの歌声の魅力のみならず、オスカー・ピーターソン・カルテットが最高にスウィングしていてお洒落。

沖野修也 (KYOTO JAZZ MASSIVE) DJ/クリエイティヴ・ディレクター

僕は特殊なジャズが好きなので名盤企画には不似合いな筈。それでも愛聴盤が10枚も入っていた! 美しいメロディーとミュージシャン達の熱演を楽しんで欲しい。聴き込む程に、彼等の即興の反応と時間を超えた普遍性に魅了されるに違いない。


私のお気に入り盤:
UCCU-99007 至上の愛 / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
音楽を超えた芸術。宗教的ですらある。深淵な音世界は、ジャズが魂のコミュニケーションである事を教えてくれるだろう。

大塚広子 DJ

興味本位でレコードを手にしたら、DJという音楽を複数人と共有する方法があった。そのための音楽を探すうちに、抜け出せなくなった音楽がジャズ。みんなで踊れるフィジカルな快感もあれば、帰宅後に私だけを癒してくれる曲もある。身体と心に一番近い音楽。


私のお気に入り盤:
UCCU-99071 マネー・ジャングル / デューク・エリントン >>収録曲へ
お決まりごとでなく、お綺麗でないのもジャズ。本能のままを音にしたこの力強さに身震いした。

坂本 大 ビルボードライブ(ブッキング)

背のびしたり、少しお洒落したいときのジャズもありなんですが、掃除したり、犬を連れて近所を散歩したり、昼寝の前や、長湯のおともだったり、そういうときの「これこれ」といえるジャズもきっとあると思います。


私のお気に入り盤:
UCCU-99015 ア・デイ・イン・ザ・ライフ / ウェス・モンゴメリー >>収録曲へ
先日旅した尾道の古い街並や港を歩いた思い出を重ねてイメージしたらなかなかぴったりでした。

山本 隆  disk union / Jazz Perspective編集長

他人が何と言おうと自分が「いいな」と思えばそれでいい。駄盤結構、ボクにとってはかけがえのない名盤。自分だけの名盤探しの旅に出て、早36年、終わりは見えない。未知なるサウンドにノックアウトされたくてジャズを聴いている。


私のお気に入り盤:
UCCU-99066 ソングス・イン・ア・メロウ・ムード / エラ・フィッツジェラルド&エリス・ラーキンス >>収録曲へ
大学生の時、こればかり聴いていた。エラの魅力がどこからでも体験できる名盤。青春の一枚だ。

田中啓文 小説家

音楽は、音を楽しむと書くが、世の中には楽しい音、美しい音、心地よい音だけでなく、悲しい音も怒りの音も苦い音も不気味な音も汚い音も耳障りな音もある。ジャズを聴く、というのは、そういった音をすべてひっくるめて「楽しむ」ことなのだ。


私のお気に入り盤:
UCCO-99023 アット・ザ・ファイヴ・スポット Vol. 1 / エリック・ドルフィー >>収録曲へ
本作を聴いて、なんじゃこりゃ、さっぱりわからんと思ったあなた。その感覚こそが手がかりです。

金井正人 クリエイティヴ・ディレクター

JAZZは永遠である。ある時期、古物扱いされ、JAZZ喫茶など時代遅れの象徴の様に言われようとも、JAZZはループされ、リミックスされ、その時代時代に見事に蘇ってくる。実にタフな音楽だ。それはきっと、黒人の魂が生んだ音楽だからに違いない。


私のお気に入り盤:
UCCU-99025 ソウル・ボサノヴァ / クインシー・ジョーンズ >>収録曲へ
ビッグバンドBOSSAの名盤中の名盤。コンポーザー、アレンジャー、バンマスとしてのクインシーの才能が炸裂している一枚。

長部聡介 フジテレビ ドラマ・プロデューサー

多くの優れたjazzミュージシャンが限られた時間の中で驚くほどの量のセッションをこなし、夭折していった。彼らは明らかにオーバーワークであり、そのためにオーバードーズにはまった。彼らが幸福であったかどうかはわからないけれど、その音楽にはとてつもない熱量と哀しみのようなものが溢れていて僕はそれに胸を打たれる。


私のお気に入り盤:
UCCU-99007 至上の愛 / ジョン・コルトレーン >>収録曲へ
もう、これ以上は無理だ、というコルトレーンの叫びが「ラブ・シュープリーム」というリフレインの中に聞こえる。