「夜明けのスキャット」でデビューし55周年を迎えた由紀さおりの全国ツアー「由紀さおり 55thコンサート～新しいわたし～」今年の関東公演が千葉県松戸市「森のホール21」で11月13日に開催された。ツアーは今年の3月の千葉公演からスタートし東京、大阪、横浜公演を終え、本公演がいわば今年の最終日となる。

本人の声による場内アナウンスが流れた後、若草色の着物で歌い始めたのは「わたしのうた」。

挨拶のMCに続き、「あさきゆめみし、水の月」を披露。会場内に由紀さおりの歌声が満ち満ちた。続いて、兄弟子である三味線奏者、本條秀英二氏を紹介。「ロサンゼルス生まれ、兄弟子なんだけれどずっとお若いのよ」と。「由紀さおりのチントンシャンソン」と題し、三味線の弾き唄いで都々逸を披露。５月のフランス公演に向けて半年ほどフランス語学校に通い発音を学んだというフランス語を交えながらの「ジュテーム♪」に観客はユーモアある形で純邦楽を楽しんでくれたようだ。

和やかなムードからジャズへと移り、ペギー・リーの代表作「Is That All There Is」を三味線の伴奏で。第一部は秀英二氏とバンドメンバーで「三味線ブギウギ」、手拍子とともにテンションが一気に高まり、締めくくった。

第二部は華やかなドレスで登場「大事に歌ってゆける曲をいただいた」と語り、フランスの作曲家ジオアッキーノ・モリシが書き下ろした新曲「人生は素晴らしい」を披露。

MCで「オリジナル曲は何曲くらいと聞かれることがある、それなりにヒット曲がない訳じゃないわ(笑)」と語り、「生きがい」「ルーム・ライト」「手紙」など計7曲をそれぞれの楽器を生かしたアレンジでの由紀さおりヒット曲メドレー。バンドメンバーと奥の深さを感じさせるパフォーマンスが繰り広げられた。本編の最後を締めくくるのは「夜明けのスキャット」。その優しい歌声に、観客は万雷の拍手を送った。

そして再び登場したアンコールでは「50周年のときにアンジェラ・アキさんにいただいた歌でお別れです」「聞き惚れないで、みなさんのお声がほしいわ」と伝え、「あなたにとって」を観客とともに歌唱。約2時間を超えるステージは幕を閉じた。

今日はまさに由紀さおり78歳の誕生日。会見では

「来年はロサンゼルスでツアーができたら。三味線奏者の秀英二さんの故郷ロサンゼルスも訪れてみたいし、大谷翔平さんの野球も見てみたい。有言実行。日々どうしたらよいか考え過ごしています」と語り、「おめでとう」の声に応えた。

来年のコンサート予定も発表され、締めくくりは～新しいわたし～そしてこれからと名打ったコンサートを4月9日東京国際フォーラム　ホールCにて開催。今年好反響を得たNHK BSドラマ「団地のふたり」に出演するなど幅広くひたむきに挑戦し続ける由紀さおり、お見逃しなく。

■コンサート情報

由紀さおり 55thコンサート ～新しいわたし～

2025年

2月13日(木)開場15:30 開演15:30

大宮ソニックシティ 大ホール

3月27日(木)開場16:30 開演17:00

【熊本】市民会館シアーズホーム夢ホール

由紀さおり 55thコンサート ～新しいわたし～そしてこれから

4月9日(水)開場15:15 開演16:00

東京国際フォーラム ホールC