ドイツ・グラモフォン 、ユジャ・ワン(王 羽佳/Yuja Wang)と専属録音契約締結
2009年1月ハンブルグ発。ドイツ・グラモフォンがピアニストのユジャ・ワンと専属録音契約を締結。
ユジャは難解な技術を要するピアノ曲も弾きこなし、音楽に対して深い洞察力を持つだけでなく、新鮮な解釈と優雅でカリスマ性を感じさせるステージなどから
既に様々な評論家に絶賛されている。前期、ワシントンポスト紙は彼女のケネディ・センターでのリサイタル・デビューを「驚愕」と記し、続くサンフランシス
コのリサイタル・デビューをサンフランシスコ・クロニクル紙は「生で彼女の演奏を聴くということは、ピアノは本来上手に弾きこなせる楽器であるという自分
なりの仮定を再度認識するということだ」と称賛した。
2009年春に発売予定のユジャ・ワンのデビュー・アルバム『ソナタ &
エチュード』はショパン(《葬送行進曲付き》)、リスト(ロ短調)、とスクリャービン(第2番)ソナタに加え、リゲティによる2つのエチュードという技術
的には挑戦的で、音楽的に完成された作品となっている。
リサイタルで披露したリストのソナタの演奏に関し、ワシントンポスト紙はこう述べている。「彼女は後ろを振り向きつつ全員がついて来ているのかを確認して
進んでゆく案内役ではない。むしろ、強く、明晰で、威厳ある彼女の演奏を聴き逃すまいと競って追いかけてきて欲しいぐらいの熱意を持って先へと進む。力強
く演奏することも、羽根ほどの軽いタッチで演奏することも自在。彼女の指は色の全スペクトラムを表現できる。そしてその素晴らしい解釈は単に器用だという
範疇を超えている。」
ドイツ・グラモフォン社長マイケル・ラング曰く、「初めてユジャ・ワンのリサイタルを聴き、彼女と実際に会うと、素晴らしいアーティストであるというだけ
でなく、次世代クラシック音楽家達の代表者として活躍するだろう存在だということが判った。ドイツ・グラモフォンとユジャは最高のコンビネーションだ。
我々のアーティストの一員として加わってくれたことは喜ばしい。」
契約締結に関し、ユジャ・ワンはこう述べている。「ドイツ・グラモフォンからデビュー・アルバムが出るという事だけでなく、あの素晴らしい専属アーティス
ト群に加えていただいたことに感動しています。私はドイツ・グラモフォンが最も名門のクラシック音楽レコード会社であると常々思っていましたので、そこに
アルバムを残すというのは名誉であるだけでなく、私の喜びです。」
北京で1987年に生まれたユジャは6歳からピアノを学び始めた。北京の中央音楽学院でLing Yuanと Zhou
Guangrenに師事し、中国、オーストラリア、ドイツで公演を行った。その後、カルガリーで夏に開催されるカナダ・中国芸術文化交流プログラムに3回
参加し、マウント・ロイヤル・カレッジ音楽院でHung Kuan Chenと
テム・ブラックストーンに師事するためにカルガリーに移る。ユジャが15歳になった2002年にはアスペン音楽祭のコンチェルト・コンペティションで優勝
し、フィラデルフィアに移りカーティス音楽院でゲイリー・グラフマンに師事。2008年にカーティス音楽院卒業。2006年には名門ギルモア・ヤング・
アーティスト賞を受賞している。
2005年にピンカス・ズーカーマン指揮のオタワ・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団とメジャー・コンサート・デビューをしてから、カナダ中の記者が
「スター誕生」と彼女に注目し始める。現在までにボルチモア、北京、ボストン、シカゴ、ヒューストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシス
コ、サンクトペテルブルク、東京やチューリヒといった世界最高峰のオーケストラと共演している。
シャルル・デュトワ、ロリン・マゼール、ロバート・スパーノ、ユーリ・テミルカーノフ、マイケル・ティルソン・トーマス、オスモ・ヴァンスカやデイヴィッド・ジンマンといった指揮者たちの下でも演奏している。
2008年春にはアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズとサー・ネヴィル・マリナーと共にアメリカ・ツアーを行う。北米中や海外の
主要都市でリサイタルを行い、室内楽も熱心に演奏する。アスペン、ギルモア、サンタ・フェ室内楽、シュレスヴィヒ=ホルスタイン、ヴェルビエなどの各音楽
祭にも定期的に出演している。
2008/09シーズンにはシャルル・デュトワ 指揮でロサンゼルス・フィルハーモニック、ナショナル交響楽団、ピッツバーグ交響楽団
との初共演が予定されている。またマイケル・ティルソン・トーマス指揮でロンドン交響楽団、クラウディオ・アバド指揮でルツェルン祝祭管弦楽団とのデ
ビューも予定。それ以外にもクイーン・エリザベス・ホールでロンドン・リサイタル・デビュー、セントポール、シアトル、パリ、プラハ、ミュンヘン、ベルガ
モ(ミケランジェリ音楽祭)などを含む海外都市でのリサイタルも色々と計画されている。