BIOGRAPHY
現在25歳(84年生まれ)のより子は、母親がくれたディズニーのカセットテープと、手元にあったおもちゃのピアノをきっかけにその音楽的才能を開花させていった。2歳から6歳までの間小児ガンをわずらい、多くの時間を病院で過ごした彼女にとって、おもちゃのピアノは大切な友達だった。そんな幼少期から、病気にうち克ちアーティストとしてデビューするまでを母親が綴った『天使の歌声~小児病棟の奇跡~』は、ドラマ化もされ多くの涙を誘った。
2002年、インディーレーベルより「ほんとはね。」を含むアルバム『Aizenaha』をリリース。繊細さと力強さの両方を持った歌声と、心の痛みをまっすぐに歌った歌詞が共感を呼ぶ。続いてミニアルバム『gap』をリリース。「オールナイトニッポンR」ではパーソナリティもつとめ、そのさばけたキャラクターと歌のギャップが好評を得る。その後も数々のライブ出演などめまぐるしい活動を行うが、激変する環境をリセットするため活動を休止。
2004年春、様々な状況が変わる。眠っていた音楽が再び溢れ出し、活動再開。名前の表記を「より子。」から「より子」に改め、2005年1月、フルアルバム『Cocoon』でメジャーデビュー。リード・トラックの「それでいいのですか?」はメッセージ性の強い楽曲で、この曲を聞いて「目が覚めた」「自分自身を見つめ直した」「あきらめたり、投げ出したままだった自分にカツを入れた」など、大きな反響を生んだ。
2005年11月、アニメ「BLACK CAT」のオープニングテーマ「ダイアの花」をリリース。スマッシュヒットとなる。2006年2月には2枚目のアルバムとなる『second VERSE』を発売。同時に全国ツアーを発表するが、ツアー直前に体調を崩し緊急入院。ツアーは全てキャンセルとなった。この病気によるツアーキャンセルは、より子にとって「音楽の大切さ」考える経験となった。
「いままで歌うことは自分との格闘だった。自分の感情や好みをそのまま吐き出すことが、自分に素直になることだと思っていた。でも、病気をしたあと、初めて人に伝えたい、人のために歌いたいと思った。素直になるというのは、自分のもっと根本的なもの、スピリットのようなものに向かい合うこと。」とより子自身が言うように、病気が彼女にとって大きなターニングポイントになった。その後療養を経て、2006年秋頃から都内を中心にライブを再スタート。楽曲制作も始める。
2007年11月にシングル「ココロの鍵」をリリース。ドラマ「死化粧師」の主題歌でもあるこの曲は「ありのままでいいんだよ」という優しくも力強い楽曲。2008年1月には「ココロの鍵」を含む3rdアルバム『願う』を発表。リリース後、実に3年ぶりとなる全国ツアーを実施した。その後も活発にライブ活動は行っており、2~3ヶ月一度はワンマンライブも開催している。また看護や福祉関係の学校での演奏も精力的に行っている。