by ウィル・アイ・アム
レコーディング・スタジオで候補者間のディベートを見てたんだよ。
誰がしっくり来るか迷ってたんだ。
今まで政治に興味持ったこともあまりなかったし、正直言えば今でも変わらない。
でも4年前、ブラック・アイド・ピーズのみんなでケリー(*註1)をサポートしたんだ。
全力でケリーをサポートしたよ。
来る日も来る日もDNC(*註2)でパフォーマンスしたよ。
若者たちにも投票してもらうため、できることはすべてやった。
この前の2度の大統領選挙結果を知って、悲しくなったな。
この世界が、どれだけ不公平で、堕落してて、乱雑で、不釣り合いで、不誠実で、不正で覆われていることか。
それから”政治”もね。
だから今年、俺も参加して、早い時期に最善を尽くしたかったんだよ。
そして迷っている自分がいた。
だって今回はそうシンプルじゃない。
前回の大統領選挙のように、どの候補者を選べば良いかがはっきりしていないからね。
前回はかなりはっきりしてた。
「ブッシュ&戦争」 vs 「反ブッシュ&戦争」
のどちらかだったからね。
でも今回はシンプルじゃない。
そして俺みたいに迷ってる人が何人もいると思う。
だから自分が決めるのは置いといて、選挙結果を待とうか、って考えてた。
その時だね、ニューハンプシャー予備選を見たのは。
俺の心は震えたよ。
感化されたよ。
自分の人生を考えたね。
俺はどれだけ恵まれてるんだ、って。
俺が自分の権利や恩恵を持てるために戦ってくれた人たちのことを想った。
“黒い肌”だけの話をしてるんじゃない。
俺は”人類全体”のひとりの”人間”としての話をしてるんだ。
ひとりのアメリカ人としての。
あのスピーチを観て俺はキング牧師を思い出したよ。
ケネディ大統領や・・・
リンカーン大統領を。
俺たちが今、当たり前に持っているもののために戦ってくれた人たちをね。
アメリカが”アメリカ”であるために・・・。
自由。
平等。
そして真実。
でもそれらは今、失われている。
みんな自分は自由だって思ってるだろ。
でもリアリティは、恐怖感や不安によって、自分たちの決断をコントロールされているんだ。
俺たちの先駆者やリーダーたちが命をかけ勝ち取ってきたアメリカはこんなんじゃないはず。
そして俺はニューハンプシャー予備選を見た。
あのスピーチだよ。
たくさんの偉大なスピーチが生まれてきたけど。
あのスピーチは感動した。
だって言葉や考えは力を生むから。
考えさせられた。
そして気づいた、現代には「リーダー」(先導者)って呼ばれる人は少ないと。
たぶんいないんじゃないかな。
でもあのスピーチ・・・。
感化されたよ。
自分の内側に問いかけるように、そして外側の世界に問いかけるように。
俺は自分から”チェンジ”(変化)して、もっと良い世界を創ろうって。
そして(全体的な)”チェンジ”に向かって、第一歩を踏み出そうって。
そして周りの人たちがそれに感化されて、同じ一歩を踏み出せるようにって。
自分を変えてゆく。
欲望を変えてゆく。
恐怖を変えてゆく。
そしてそれらを”チェンジ”すれば。
ほら、ね。
共に、達成できたってことじゃない?
あのスピーチが俺の中に吸収されて1週間後。
この曲をつくりはじめた。
彼のスピーチを曲にしようとアイディアを出したのは俺。
だってあのスピーチ、俺の最も真ん中の芯を震わせて響かせたから、そんなことは滅多にないよ。
俺に語りかけてきた。
だって言葉と考えは力を生むから。
その言葉をメロディーに乗せたかった。
俺の中でぼこぼこ煮えてきているインスピレーションを溢れさせたかった。
だからそうさせた。
俺は恐がらなかったぜ、信念のために戦うことを。
“チェンジ”するために。
俺は”恐怖感”から逃げなかった。
だって純粋にインスピレーションがあったから。
だから友だちに電話した。
友だちも友だちに電話してくれた。
そして2日間で。
この曲とビデオを制作した。
通常ならこのプロセスは何ヶ月を要する。
レコード会社の人たちと戦略やリリース日を考え出したり。
インタヴューを受けたり。
他にも決めることがいっぱい。
でも今回、自分たちだけで決めた。
俺は友だちのサラ・パンテラ、マイク・ジャーコヴァック、フレッド・ゴールドリング、そしてジェシー・ディランに電話して、実現させようぜ、って持ちかけた。
すると、彼らも彼らの友だちに電話してくれた。
それでたったの48時間で共に達成させちゃったんだ。
利益をベースに考えるんじゃなく、インスピレーションをベースにできた。
で、インターネット上に公開して、世界中にフィールしてもらいたかった。
本当になにかにインスパイアされると。
奇跡は起きるんだ。
素晴らしいことが起きるんだ。
愛が生まれて。
(そのコンビネーションで)
“愛とインスピレーション”
チェンジ(変化)が生まれるんだ。
“良い方向へのチェンジ”。
インスピレーションはチェンジを生むんだ。
“ポジティブ・チャンジ”。
この地球上で、目前に立ちはだかる障害物を平気で軽々超えられるほど、経験豊富な人って本来は存在しない。
テロリズム、恐怖、偽り、もくろみ、政治、カネ、それら全部。
恐くて当たり前。
キング牧師に決してリーダー経験が豊富だったってわけじゃない。
ケネディ大統領もリーダー経験が豊富だったってわけじゃない。
スーザン・B・アンソニー(*註3)
ネルソン・マンデラ
ロザ・パークス
ガンジー
アンネ・フランク
そして、いま俺たちが当たり前のように持っている自由、そのために戦ってくれた人たちも。
現代の世界を変化させるほどの経験豊富な人っていうのは本来は存在しない。
ただ必要なのは変化させるという”強い願望、力、勇気、そして情熱”。
そして周りに不可能と言われても信念を持ち続ける意志。
アメリカは”今日”存在しないよ、変化に向かって戦い続けた”昨日”がなければ
“国民”として今あるのは、変化を目指して”ひとつ”になれたから。
そして大統領が誰に決まろうと、変化が必要だってことに気づかなくちゃならない。
俺は、みんな自分と同じ考えをしろ、って言ってるわけじゃない。
この曲をプロデュースしたのは、新しく見出せたインスピレーションと俺の感動をシェアしたかったから。
この曲を聴いてくれたキミが、
愛を感じてくれたり
色んなことを思ってくれた。
感化してくれると嬉しいよ、俺がスピーチにそうされたようにね。
それだけだよ。
みんなで共に踏み出そうぜ、それがアメリカだろ。
広島に原爆が落とされたあと、日本がそうしたように。
あれからまだ65年も経っていないのに・・・
いまの日本をみてみなよ。
共に踏み出したんだ・・・。
共に、ね。
“俺らにはできない”だって?
マジ言ってんのかよ?
できる!
イエス・ウイ・キャン。
ひとつの”アメリカ”
民主党員、共和党員、無所属党員、みんな共に・・・
新しいアメリカをつくろうぜ。
そう、できるよ、共に。
“共に”。
www.yeswecansong.com をチェックしてくれ。。
読んでくれて、聴いてくれて、ありがとう。
ウィル・アイ・アム
(*註1)2004年大統領選挙民主党候補者のジョン・ケリー氏。
(*註2)全国で行われる民主党大会。
(*註3)女性参政権運動獲得のために活動した。