ブルーノート2作目は、故郷ヒューストンに捧げるカルテット作品

2024.08.01 TOPICS

2006年のデビュー以降、ハービー・ハンコックやジェイソン・モラン、テレンス・ブランチャード、マリア・シュナイダーなどと共演し、常にシーンの先端で活躍を続けるサックス奏者、ウォルター・スミス三世がブルーノート2作目となる新作をリリースする。

「3人はヒューストン出身だけど、リューベンはそうじゃない」と名付けられた本作は、そのタイトル通り、ヒューストン出身のスミス、ジェイソン・モラン(p)、エリック・ハーランド(ds)、そしてヴァージン諸島出身のリューベン・ロジャース(b)によるカルテット作品。スミスは、アルバムのために新しいカルテットを結成した時、メンバーのうち3人がヒューストン出身で、リューベンがそうではないことに気づいたという。

「それが作曲のインスピレーションに繋がった(笑)。レコーディング・セッションの終わりにアルバムの名前を考えていたけど、ほとんどのアイデアがひらめきに欠けていたんだ。でも、アルバム資料の最初のページを見て、『これで決まり』と言ったよ。バンドのテーマと個性が表現されていたからね。テキサスは石油、銃、政治だけの場所ではなくて、テキサスを思い浮かべるときに多くの人が思い浮かべない、文化的に豊かなコミュニティが繁栄しているんだ」
 
収録曲はスミスのオリジナル10曲とサム・リヴァース作1曲で、イマジネーション豊かなパフォーマンスが繰り広げられている。先行曲「Cézanne」は、滑らかでありながら揺れ動くリズムが魅力的な楽曲。インスピレーションの源は、画家のセザンヌではなく、かつてヒューストンで人気だったジャズ・クラブ、セザンヌへのオマージュとのこと。

「90年代後半に高校生だった頃、セザンヌは素晴らしい音楽が聴ける場所だった。そこでは音楽はBGMではなかったし、真剣に向き合うリスニング・ルームのような場所だった。僕たちにとってのヴィレッジ・ヴァンガードだったよ」

そのヴィレッジ・ヴァンガードでリリース記念ライヴを10月に行うことも決まっている。

 
 

『three of us are from Houston and Reuben is not』
2024年9月27日発売 輸入盤 / 配信

» LISTEN / BUY
 
1. seesaw
2. Gangsterism on Moranish
3. 24
4. Misanthorope’s Hymn
5. Cezanne
6. 610 Loop
7. Point of Many Returns
8. Monterose Nocturne
9. Office Party Music
10. A Brief Madness
11. Lone Star