“21世紀のECM”を牽引するピアニスト、ヴィジェイ・アイヤーが3年ぶりのトリオ作品をリリース!

2023.12.11 TOPICS

ニューヨークで活躍するピアニスト/コンポーザーのヴィジェイ・アイヤーが、高い評価を得た2021年のECM作品『Uneasy』に続き、同じくベースにリンダ・メイ・ハン・オー、ドラマーにタイショーン・ソーリーを迎えた注目トリオの2作目『Compassion』をリリースすることが決定した。アルバム・トラック「Compassion」とMVが公開されている。
 

 
ECMリーダーとしては8枚目となる本作。新たな領域を開拓しようとする意欲を継続させながら、設立55周年を迎えるECMの先輩たち、故チック・コリアへの間接的なオマージュとして選んだスティーヴィー・ワンダー「Overjoyed」の力強い解釈や、師であった前衛の賢人、ロスコー・ミッチェルの旋風を巻き起こす「Nonaah」などにも取り組んでいる。一方、メロディが魅力的でリズムが爽快なアイヤー自身の曲も数多く収録。

 
 

『コンパッション / Compassion』
2024年2月2日発売 UCCE-1204

» LISTEN / BUY
 
1. コンパッション Compassion (Vijay Iyer)
2. アーチ Arch (Vijay Iyer)
3. オーヴァージョイド Overjoyed (Stevie Wonder)
4. マエルストロム Maelstrom (Vijay Iyer)
5. プレリュード:オリソン Prelude: Orison (Vijay Iyer)
6. テンペスト Tempest (Vijay Iyer)
7. パネジリック Panegyric (Vijay Iyer)
8. ノナー Nonaah (Roscoe Mitchell)
9. ホエア・アイ・アム Where I Am (Vijay Iyer)
10. ゴーストゥルメンタル Ghostrumental
11. イット・ゴーズ It Goes (Vijay Iyer)
12. フリー・スピリッツ / ドラマーズ・ソング Free Spirits / Drummer’s Song (John Stubblefield / Geri Allen)

パーソネル:ヴィジェイ・アイヤー(p) リンダ・メイ・ハン・オー(double-b) タイショーン・ソーリー(ds)
2022年5月 ニューヨーク、オクテイヴン・オーディオにて録音

 


 
『Uneasy』と同様、トリオはニューヨーク郊外のマウント・ヴァーノンにあるオクタヴェン・オーディオでレコーディングし、ECMのマンフレッド・アイヒャーが共同プロデュース。暖かさとインパクト、雰囲気と透明感が融合したサウンドが生まれ、トリオが展開する推進力のあるインタープレイを鑑賞するのに理想的な作品となっている。トリオのアルバムはまだ2枚目だが、3人のミュージシャンのつながりはもっと長い。

「タイショーンは完璧なミュージシャンだ。彼はすべてを聴き分け、作曲家として、また演奏家として音楽を理解している。そのおかげで、彼は未来まで見通すことができる。リンダの場合、ソリストとしての自由な資質があり、私がホルン奏者と経験するようなメロディックなフォイルとして働いてくれる。とはいえ、彼女は他のベーシストのように楽器のトップでソロをとることはあまりない。彼女は低音域で歌うようなソロができるんだ。」

小冊子のエッセイの中で、アイヤーは『コンパッション(思いやり)』というタイトルについてさらに考察している。

「苦しみの中で芸術を創るときに経験する不安は、決して消えることはないし、消えるべきでもない。その緊張は、あらゆる段階において創作過程を形作っている。その緊張と対をなすもの、その呼びかけに対する応答は、人々とともに、人々のために、人々の間で音楽を作るという若返りの感覚である。私は、タイショーンとリンダから限りないインスピレーションを受けている…私たちは、ステージの上で、世界の中で、コミュニティと出会いの空間で、この音楽を発展させたのだ。」