U2、新曲「アトミック・シティ」のリミックス・ヴァージョンがリリース。ラスベガス公演の“ターンテーブル”ステージについて、ブライアン・イーノのコメント日本語訳も公開
ラスベガスの新しいコンサート会場「スフィア」で行われているU2のレジデンシー公演『U2:UV Achtung Baby Live At Sphere』。先日、2024年2月23日、24日、3月1日、2日の4公演が追加発表され、全40公演となった。
この公演に合わせてリリースされた新曲「アトミック・シティ」のMike WiLL Made-Itによるリミックス・ヴァージョンがリリースされた。
Atomic City (Mike WiLL Made-It Remix)
9月29日に開始したこの公演は、画期的な最新鋭のコンサート会場「スフィア」の巨大で革新的な映像・音響技術が大きな注目を集めているが、U2が立つステージにも注目だ。この正方形のステージはブライアン・イーノの“ターンテーブル”をベースにしており、U2のInstagramではブライアン・イーノのコメントが掲載されていた。
ブライアン・イーノのコメント訳は以下の通り。
“スフィア”のライヴ・パフォーマンスで使用されたターンテーブルには2つの色彩面がある。一つはターンテーブルそのもの、もう一つはターンテーブルが搭載されたプラットフォーム。各面はそれぞれが色を変えつつ、新しい組み合わせを生み出す。同じ組み合わせがリピートされる間隔がどのくらいかは、はっきりわからない。というのも、ループの長さにはランダム性があり、時には逆方向に変化することもあるからだ。しかし、同じ組み合わせが頻繁に見られることはほぼないだろう。
そもそもなぜ、ターンテーブルなのか? ロックンロールは、レコーディングのテクノロジーから生まれた。黒人音楽と白人音楽をミックスさせてのレコーディングだ。黒人音楽はアフリカから、ニューオリンズをはじめ、奴隷たちが送られた街を経由してやってきた。一方の白人音楽はアイルランド、スコットランド、イギリスからの移民とともにアメリカに入ってきた。そこに、中央ヨーロッパの音楽を携えたユダヤ系作曲家、さらには南米やカリブ海からの様々な鮮やかな潮流が加わった。それらすべてを45回転シングルの形にして世に送り出すことが、50年代から90年代にかけて生まれたポピュラー音楽の真髄だったわけだ。どうやらそれは今、力強い復活を遂げたようだ。
―― イーノ、2023