BIOGRAPHY
THE TREATMENT / ザ・トリートメント
Matt Jones / マット・ジョーンズ(ヴォーカル)
Dhani Mansworth / ダーニ・マンズワース(ドラムス)
Jake Pattinson /ジェイク・パティンソン(ギター)
Tagore Grey / タゴール・グレイ(ギター)
Rick”Swoggle”Newman / リック“スウォグル”ニューマン
イギリスのケンブリッジ界隈をベースに活動する5人組、ザ・トリートメントは、初期デフ・レパードの衝動と、全盛期のUFOとシン・リジィのソングライティングへの野望を併せ持ち、その全てが往年のエアロスミス、あるいはガンズ・アンド・ローゼズの危険な香りをまとっている。
まだ全員が20代前半という年齢であるにもかかわらず、ザ・トリートメントは、ロック・バンドがロック・バンドらしい格好をしていて、オンステージでもオフステージでも大騒動を巻き起こすものだった時代、ライフスタイルが重視され、音楽が全てで、ビニール盤が王者だった時代にインスパイアされている。
ザ・トリートメントは、2011年にデビュー・アルバム『This Might Hurt』をスパインファーム・レコードから発表した。ベテラン・ミュージシャンの Laurie Mansworth (イギリスのメロディック・ロックバンド、Airraceのギタリスト/ソングライター)がプロデュースを手がけ、Voodoo Sixの Tony Newtonがミックスした12曲は、モット・ザ・フープルのような究極のUKバンドを彷彿とさせるライヴ・アンセムの“Nothing To Lose But Our Minds”も含めて、これらの若きミュージシャンが、自家製のルーツをこの上なく誇りに思っていることを明示した。
パンキッシュでパワフルな“Departed”から、ヴィデオと共にステイトメントとなる曲の“The Doctor”、そしてロックの怪物のような“Lady Of The Light”と“Shake The Mountain”まで、このアルバムで彼らは真摯な精神と意欲を見せているだけでなく、ロックというジャンルが現状を果敢に前に進める真のチャンピオン達を探し求めているこの時代に、偉大なロック・リヴァイバルに参加したいという強固な熱意も見せている。ザ・トリートメントは、移ろいやすい流行やファッションには目を向けず、自身のハードロックなルーツを固く握りしめている。
2008年、AC/DCやレッド・ツェッペッリン等の偉大なロック・バンドに影響された15歳のドラマー 、Dhani Mansworth (Laurieの息子) がバンドを結成しようと決意し、マネージャーでもある父親の傘下で働きはじめて以来、彼は年齢以上のスキルを持つ地元の若いミュージシャン達を探していた。しかしそれに見合う人材が見つからず、彼は捜索の範囲を広げて、徐々にラインナップを揃えていった。
最初に加わったのはリード・ギタリストのBen Brooklandで、それからベーシストのRick Newman (aka ‘Swoggle’)、リズム・ギタリストのTagore Greyの順に加わった。しかし、必要不可欠なパートであるフロントマンを見つけるのが一番難しく、最終的にヴォーカリストの Matt Jonesをイギリスのノリッチで見つけるまでに丸6ケ月かかった。
ラインナップが整った。
次のステップは強烈な練習と作曲セッションだったが、5人はリハーサル・スタジオを予約して行ったり来たりする通常のやり方をせずに、 この仕事に100パーセント集中することに決めた。学生時代を終えた(終えたばかりだが)彼らは、ケンブリッジにある the Mansworth という一軒家で共同生活をした。そこで彼らは何の邪魔も妥協もなく食べ、眠り、彼らが愛する音楽を呼吸することができたのだ。
12ケ月後、ギターも楽曲も準備万端になったザ・トリートメントは、その手で星をつかむべく日の当たる場所に躍り出た。
次の期間(2012–13年)で、バンドはツアーに出て、ヘッドライナー・ツアーだけでなく、ゲスト出演や、世界中のフェスティヴァルに出演した。ロック界の大物達(アリス・クーパー、スラッシュ、ステータス・クオー、モーターヘッド、シン・リジィ、スティール・パンサー、ブラック・ストーン・チェリー等)の前座から、ソニスフィア、ハイ・ヴォルテージ、ダウンロード、ハード・ロック・ヘルといったイギリスのフェスティヴァルや、ベルギーのグラスポップ・フェスティヴァル、そして日本初のオズフェストにも出演した。オズフェストでは、ブラック・サバスの他には彼らが唯一のイギリスのバンドだった。
活動を続ける中で、彼らは業界の有力者と脚光を浴びているミュージシャンとの両方から注目された。イジー・ストラドリン、ジーン・シモンズ、ニッキー・シックスらが揃って賞賛のメッセージを送った。それによって彼らは、2012年の夏に北米を回ったキッスとモトリー・クルーのダブルヘッドライナー・ツアーの前座をオファーされ、連夜、巨大な観客の前で、計50数回のアリーナ公演をこなした。
そして今、2014年に、これらのライヴでの経験が、アルバムとして結実する時が訪れた。2月に発表される2枚目のアルバムは、『Running With The Dogs』というタイトルで、2013年の1月にスパインファーム・レコードから発表された70年代の曲をカヴァーした5曲入りのEP『Then & Again』以来、初めてのリリースとなる。『Then & Again』は、バンドの影響の深さを示した作品だったが、2枚目のアルバムがどんな作品になるかというヒントは与えてくれなかった。
同じようなものになるのか? それとも急進的な発展になるのか?
その答えは今明らかになる。
イギリスのエセックスにあるアイアン・メイデンのスティーヴ・ハリスのBarnyard Studiosで、再び Laurie Mansworth のプロデュースとTony Newtonのミックスによって完成した13曲を収録した待望の『Running With The Dogs』は、彼らがデビュー作で築き上げた車体により大きなエンジンを搭載し、より太いタイヤと、より騒々しい排気口をつけている。すでに視聴可能になっているファースト・ヴィデオの“I Bleed Rock + Roll”は、彼らのAirbourneとのイギリス・ツアーに合わせて、2013年の12月に発表された。フル・アルバムのサンプルとしてだけでなく、作品全体の意思を伝えるステイトメントとして。
『Running With The Dogs』は最初から最後まで全速力で疾走しているわけではなく、“Cloud Across The Sun”や、“Unchain My World”といったより一層吟味された曲が、“The Outlaw”、“Don’t Look Down”、“Drop Like A Stone”のような正真正銘のロック曲とのバランスを巧みにとっている。リリック・ヴィデオと、オフィシャルのプロモーション映像と共に1月に発表される予定のファースト・シングル“Emergency”は、この2つの側面の中間に位置する曲だ。雷のようなリフと、何層にも重なった高揚感のあるサビが特徴的なミッドテンポのこの曲は、すでにバンドのライヴではハイライトを作る曲になっている。
新リード・ギタリストのJake Pattinson(Ben Brooklandは個人的な理由でバンドを離れた)を迎えたザ・トリートメントは、2月の頭に10公演のイギリス・ツアーを開始する。成長し続けることによって、ザ・トリートメントが最高のポジションに到達することになるのは疑いの余地がないであろう。
2014年のザ・トリートメント(治療):これこそロックン・ロールの医師が命令したものだ。