BIOGRAPHY
THURSDAY
Geoff Rickly ジェフ・リックリー (Vo)
Tucker Rule タッカー・ルール (Dr, B.Vo)
Tom Keeley トム・リーキー (G, B.Vo)
Tim Payne ティム・ペイン (B, B. Vo)
Steve Pedulla スティーヴ・ペデュラ (G, B.Vo)
東海岸;ニュージャージー州、ニューブランズウィック出身。
重心低めで腕を振り回しながらモッシュ・ピットに突入する。意気揚揚とデヴィル・サインを掲げる。そして、お約束のコール&レスポンスにボディ・サーフ。最近のパンクやハードコアのライヴには、無言のうちに定番化したサインがそれこそ無数に存在するわけだが、そんなものに囚われず感情の赴くまま暴れてしまうライヴがある。
いちばん分かりやすい例を挙げるとするなら、デリンジャー・エスケイプ・プランの激烈なステージ。あそこには秩序も様式も一切存在しない、ひたすら混沌としたハードコア・ミュージックが展開される。そんな激情空間に通い続けながら、自宅ではひっそりとU2やPJ・ハーヴェイ、ジョイ・ディヴィジョンなどを聴いていたニュージャージー出身のハードコア・キッズが、バンドを結成してわずか3年足らずで同じ送り手となった。
今回、『ウォー・オール・ザ・タイム』でメジャー・デビューを飾るサーズデイ。彼らのライヴをワープト・ツアーで目撃したとき、まさしく感情の赴くまま暴れてしまう男女が続出した。シンガロングを強要するわけでもなく、プロレスラー的なパフォーマンスで男の心をガッチリ掴むわけでもないのに、ステージ上に立つ長身で細身のフロントマンは客席前方の猛者共と確かに一体化していた。いや、会場全体がサーズデイと同化していたのである。その中心にあるサインは紛れもなく「歌」だった。絶叫に近いメロディで、それはまさしく魂の叫びといってもいいものだった。
ポップな趣向を凝らしたキャッチーな曲で、その場限りの享楽を満喫するのも否定しない。だが、やっぱりガツンとした刺激もたまには必要だと思うのだ。言葉にならない思いや感情を、心の底から思いきり叫んでみたい。そう感じた人はサーズデイの『ウォー・オール・ザ・タイム』を聴いて、彼らがいち早く来日できるように祈ってください。
この作品には狙ったような仕掛けや、見え透いたマーケティングもない。カオティックなハードコアと魂から涌き出るロック・ミュージックを源流に持つ、現代のオルタナティヴ・アルバムそのものなのだ。よくよく考えてみれば、ニルヴァーナやソニック・ユースだって、まずはその「歌」が時代のサインとして存在していたではないか。
絶叫と美メロを繰り出す連中はウヨウヨ出現しているが、サーズデイほどオリジナルの境地に達している連中は少ない。彼らはアット・ザ・ドライヴ・インの後を継ぐことができるくらい、強靭なロック・バンドとして大成する可能性を秘めている。アット・ザ・ドライヴ・インやケイヴ・インが開いてくれた入り口を、押し広げるのは彼らの役目なのだ。エモ~ポストハードコアの進化は終わることなく、『ウォー・オール・ザ・タイム』で次なるステージへと突入することは確実である。その目撃者となるべく、今すぐアルバムを買いに走るのだ! そして聴いて悶絶するべし!
上野拓朗(CROSSBEAT)
Geoff Rickly ジェフ・リックリー (Vo)
Tucker Rule タッカー・ルール (Dr, B.Vo)
Tom Keeley トム・リーキー (G, B.Vo)
Tim Payne ティム・ペイン (B, B. Vo)
Steve Pedulla スティーヴ・ペデュラ (G, B.Vo)
東海岸;ニュージャージー州、ニューブランズウィック出身。
重心低めで腕を振り回しながらモッシュ・ピットに突入する。意気揚揚とデヴィル・サインを掲げる。そして、お約束のコール&レスポンスにボディ・サーフ。最近のパンクやハードコアのライヴには、無言のうちに定番化したサインがそれこそ無数に存在するわけだが、そんなものに囚われず感情の赴くまま暴れてしまうライヴがある。
いちばん分かりやすい例を挙げるとするなら、デリンジャー・エスケイプ・プランの激烈なステージ。あそこには秩序も様式も一切存在しない、ひたすら混沌としたハードコア・ミュージックが展開される。そんな激情空間に通い続けながら、自宅ではひっそりとU2やPJ・ハーヴェイ、ジョイ・ディヴィジョンなどを聴いていたニュージャージー出身のハードコア・キッズが、バンドを結成してわずか3年足らずで同じ送り手となった。
今回、『ウォー・オール・ザ・タイム』でメジャー・デビューを飾るサーズデイ。彼らのライヴをワープト・ツアーで目撃したとき、まさしく感情の赴くまま暴れてしまう男女が続出した。シンガロングを強要するわけでもなく、プロレスラー的なパフォーマンスで男の心をガッチリ掴むわけでもないのに、ステージ上に立つ長身で細身のフロントマンは客席前方の猛者共と確かに一体化していた。いや、会場全体がサーズデイと同化していたのである。その中心にあるサインは紛れもなく「歌」だった。絶叫に近いメロディで、それはまさしく魂の叫びといってもいいものだった。
ポップな趣向を凝らしたキャッチーな曲で、その場限りの享楽を満喫するのも否定しない。だが、やっぱりガツンとした刺激もたまには必要だと思うのだ。言葉にならない思いや感情を、心の底から思いきり叫んでみたい。そう感じた人はサーズデイの『ウォー・オール・ザ・タイム』を聴いて、彼らがいち早く来日できるように祈ってください。
この作品には狙ったような仕掛けや、見え透いたマーケティングもない。カオティックなハードコアと魂から涌き出るロック・ミュージックを源流に持つ、現代のオルタナティヴ・アルバムそのものなのだ。よくよく考えてみれば、ニルヴァーナやソニック・ユースだって、まずはその「歌」が時代のサインとして存在していたではないか。
絶叫と美メロを繰り出す連中はウヨウヨ出現しているが、サーズデイほどオリジナルの境地に達している連中は少ない。彼らはアット・ザ・ドライヴ・インの後を継ぐことができるくらい、強靭なロック・バンドとして大成する可能性を秘めている。アット・ザ・ドライヴ・インやケイヴ・インが開いてくれた入り口を、押し広げるのは彼らの役目なのだ。エモ~ポストハードコアの進化は終わることなく、『ウォー・オール・ザ・タイム』で次なるステージへと突入することは確実である。その目撃者となるべく、今すぐアルバムを買いに走るのだ! そして聴いて悶絶するべし!
上野拓朗(CROSSBEAT)