スティングが語る『ザ・ラスト・シップ』!
スティングが語る新作『ザ・ラスト・シップ』の内容!
【訳】
00:12
このアルバムに収められた歌、音楽を、僕は、戯曲のためのものとして書いた。物語は故郷を舞台にしたもの。イングラング北東部の、造船業が盛んだった町だが、時代の変化のなかで、造船所で働く人たちは解雇されていく。父と息子の衝突、和解。そんな物語が進行していき、町の司祭が、なんとか彼らを救おうと決意する。自分たちで、自分たちのために船を造ってみないか、と、持ちかける。世界に向けて船出するために。馬鹿げた話だけど、それは、象徴的な行為なんだ。なにか象徴的なものというのは、ときに、とても強い力を持っている。
01:06
この曲はパブで楽しんでいる感じで書いた。ビールを飲みながら、楽器を弾いたり、歌ったり。その雰囲気をスタジオで再現したんだ。
01:26
このアルバムで表現したかったのは、働くことの大切さを思い出してほしいということだった。それぞれの個人にとってだけではなく、地域社会にとっても大切なことだ。
01:40
僕は、これまでずっと、自分をさらけ出すタイプのソングライターだった。でも、自分とは違う人の立場で、違う人の声で、あるいは、誰かの靴を履いて書いてみたら、と思った瞬間に、この作品が歩きはじめた。自分自身を少し脇に寄せてみたのさ。だから、とても楽しんで、この仕事に取り組んでいるよ。
02:10
音楽の方向性をひとつに決めてしまうタイプじゃない。僕にとって、それはとても大切なことなんだ。それに、いつも、音楽から驚きを与えられている。だから、僕自身も、音楽に新鮮な驚きを注入する。ハーモニーの動き。アレンジメント。楽器の選び方。転調。ともかく、驚きこそ、僕の音楽にとってもっとも大切な要素なんだ。予定調和的なものはつまらない。
02:46
この作品は、なにかに導かれて取り組んだもの、ということもできる。僕が語らなければいけない物語、僕が語りたいと願っている物語。人々がふたたび立ち上がる物語を通じて、自分を表現しているわけさ。
03:04
起きているときは、いつもこの作品のことを考えて、咀嚼している。寝ているときは、この作品のことを夢にみている。完成するまでは、このままさ。