DTファンのみんな、サムシング・コーポレイトのことを忘れてないか!? 今年５月、日本のファンの為に７
曲（＋ビデオ４曲）入りのミニ・アルバム『ソングス・フォー・サイレント・ムーヴィーズ』をリリースした彼らが待望のニュー・アルバムを完成させた。リリースは今年９月（10月？）と、まだちょっと先だけど、アンドリュー（VO,P）が一足早くファンの質問に答えてくれた。
●サムシング・コーポレイト（以下SoCo）は6月18日からラッキー７と一緒にツアーしてるそうですけど、どういう経緯で実現したんですか？
「僕達のマネージャーがラッキー７のマネージャーと友達なんだ。それに僕達はワープト・ツアーでも彼らと一緒だったんだよ。そのとき、なんてすごい連中なんだろうと思ってね。それで彼らをツアーに連れだすことにしたんだ」
●演奏中、思わず感情が入りすぎて泣いてしまったことってありますか？
「”コンスタンティン”を初めて演奏したときは、確かにそれに近いものがあった。でも、僕はステージで泣いたことは、まだないよ」
●私達にとって「パンク・ロック・プリンス」と言えば、もちろんアンドリューですけど、アンドリューにとっての「パンク・ロック・プリンセス」は見つかりましたか？ 私達、この曲が大好きです!!
「うーん、見つかってないよ。だって、あの曲はつきあっても絶対にうまくいきっこない、僕とは全然違うタイプの女の子について歌ったものなんだ。だから、僕は理想のタイプとは言えない女の子とつきあっているんだ（笑）」
●「リトル」の歌詞にもあるように、人生は時にフェアじゃないなぁと感じることはありますか？
「もちろん、あるよ。人生が本当にフェアで、そこにたくさんの喜びを見出せるものだなんて、僕には思えないんだ。常に欲しいと思っているものが手に入るこ
とが一番いいことだなんて思ったこともないよ。事実、たいていは人生はフェアじゃないと思える瞬間が人格を形成し、望ましい人間を作るんだ」
●『ソングス・フォー・サイレント・ムーヴィーズ』というタイトルの由来を教えてください。
「車に乗っているとき、ミニ・アルバムのタイトルがすぐに必要だって電話をもらったんだ。それで、ジョッシュに話し合わなきゃって電話したんだけど、受話
器を上げた瞬間、このタイトルが頭に浮かんだんだ。僕はいつも自分達の曲って、いろいろな意味で映画みたいだなって考えているんだけど、僕にとって、この
タイトルは、まさにそういう意味なんだよね」
●好きな映画は何ですか？
「『ア・ロイヤル・テネンバウムズ』かな。オフビートで、おもしろい映画なんだ。だけど、ただおもしろいだけじゃない。そこには人間性や家族や人を許すうまいやり方についての素晴らしい考え方が込められているんだ」
●アンドリューもジョッシュも素晴らしいソングライターだけど（ファンが共感できる曲をあんなに沢山書けるなんて凄い！）、誰かに曲を提供したことはありますか？ あるいは提供する予定はありますか？
「まだ、ないね。だけど、ソングライターとして確実に成長しているって実感しているよ。曲が一人歩きしていくような書き方や、人が何か始めたときに何が起こるのか観察するのが好きなんだ。曲を書くときは、それにふさわしいシチュエーションを、ただ待っているだけなんだよ」
●ファンが共感する曲を書くわけだからテーマは男女関係や人間関係ですよね。たとえばレイジ・アゲイスント・ザ・マシーンのように政治的な歌詞を書こうと思った事はありますか？ 実は発表してないだけで、すでに書いたりしているとか？
「実は僕はずっとそれについて考えていたんだ。前のアルバムには１曲だけ政治的なメッセージに根ざした曲があった。だけど、実際のところ、
それは他のアーティストの、そういう曲と比べると、あまりいい出来とは言えないんだよね。僕達はなるべく幅広い話題を取り上げるようにしている。だけど、
どういうわけ、政治って友人や家族の間で論じ合うほどには、曲作りの大きなインスピレーションにはならないんだ」
●「フォゲット・ディセンバー」を初めて聴いた時は確かクリスマス・シーズンでした。メロディーが気
に入って、25日のクリスマスまで毎日、聴いていました。（この時点では歌詞を覚えようとはしてませんでした。）でも、この曲って、「12月なんか大嫌い
だ！」みたいな歌なんですよね。私自身は、一年で一番盛り上がる月だから12月は好きだけど、アンドリューは12月は好きですか？ 嫌いですか？
「ジョッシュが書いた曲だからね、何とも言えないけど、一リスナーとして、僕はあの曲の皮肉が大好きなんだよ。僕は、ある一つの見方が決
まっている事柄を取り上げて、それを全く逆の意味に変えちゃうようなやり方が好きなんだ。”フォゲット・ディセンバー”って、まさにそういう曲だよ」
●現在、レコーディング中の作品は、どういう作品になりそうですか？
「ちょうどレコーディングが終わったばかりなんだ。タイトルは『ノース』になると思うよ。僕とって、とても個人的な作品だよ。ただ、他のメ
ンバー達もそうなんだけど、前作との大きな違いは、まさに今この瞬間の自分達を表現しているってことかな。僕達は一丸となって、バンドの始まりにまで遡っ
た曲や、それ以上に将来を見据えた曲をレコーディングしたんだ。このアルバムの一番クールなところは、全曲、レコーディングする６ヵ月の間に書かれたもの
だってこと。だから、とても生々しいんだよね。SoCoならではのバンド・サウンドを確立できた作品だって考えてもらってもいいと思うよ」
●誰かとのコラボレーションはありますか？ あるいは、共演してみたいアーティストはいますか？ やっぱり、アンドリューの場合はベン・フォールズですか？ ファンとしてはピアノの競演が見てみたい！
「P.J.スミスが何曲かでハーモニーを加えたくれたよ。彼は素晴らしいソングライターなんだ。その他のコラボレーションについては、特に
考えたことはないけど、僕達はいつでも、そうすることに前向きだよ。ベン・フォールズとも共演してみたいね。彼はとても素晴らしいピアノ・プレイヤーだか
らね。だけど、彼の前のピアノに触るなんて、死ぬほど恐ろしいことだよ（笑）」
●曲のクレジットにはアンドリューかジョッシュの名前が書かれているけど、他のメンバーは曲を書いたりしないんですか？
「ウィリアムに出会ったとき、彼はソロ音源を作ってたんだよ。その後、すぐに彼はバンドに加入したわけだけど、いまも自分のソロ作品として曲を書いているよ。他のメンバーについては、よくわからないや」
●最後に、もし魔法が使えたらどうしますか？
「飛行機を使わずに世界中に行ける方法を見つける！ 飛行機の旅には、もう耐えられないんだよね」
（インタビュー：荒井梨沙）