<ライブ・レポート>真琴つばさ、湖月わたる、花總まりとの スペシャルコラボにファン熱狂!! 姿月あさとの30年をファンと共に 振り返ったプレミアムなリサイタル!
元・宝塚歌劇団 宙組 初代男役トップスター、姿月あさとが「30th Anniversaryリサイタル ~宇宙(コスモス)~」を、4月29日(土)、30(日)の2日間に渡って東京・TBS赤坂ACTシアターで開催した。
同リサイタルは、姿月のデビュー30周年を記念して行われたもので、これまでの軌跡をたどるという内容。公演は2部制で、1部は姿月の宝塚時代を振り返るセットリスト、2部は退団後の活動をたどる曲目で、30周年にふさわしいファン感涙の構成。さらに、29日には花總まり、30日には真琴つばさ・湖月わたるが、スペシャルゲストとしてそれぞれ駆け付け、姿月の記念すべき公演を豪華に彩った。
「すみれの花咲く頃~TAKARAZUKA FOREVER」に乗って登場した姿月は、「宝塚わが心のふるさと」を熱唱して公演スタート。歌唱後、姿月は「皆さま、ようこそいらっしゃいました。姿月あさとです。1987年3月にデビューしてから、あっと言う間に30年が経ちました」と挨拶し、花組でデビューしてから月組への組替えした時の心境などをジョークを交えて客席の笑いを誘いながら回顧。さらに、「『風と共に去りぬ』でレット・バトラーを演じた際には、『上級生から耳が前を向いているからかっこよくない』と言われて、舞台稽古ではずっとじゅうたん用の両面テープを耳の裏に貼られていたんです」と裏話を披露。知られざる仰天エピソードに会場は驚きと笑い声に包まれた。
「さよならは夕映えの中で」「夜霧のモンマルトル」「未来へ」など、当時のエピソードや心境を振り返りながら歌唱する姿月の姿に、古くからのファンたちは時折うなずきながら姿月と共に歩んだ時間に浸っていた。そして、「懐かしいあの曲を今の私として歌います!」と、2000年の宝塚退団時の「さよならショー」で歌った「激情~幸せ」「夢人」「愛と死の輪舞」を披露。当時を彷彿とさせながらも、当時とはまた違った伸びやかで深みのある歌い方で観客を魅了した。
スペシャルゲストとのコラボパートでは、29日は花總と「夢・アモール」「愛すること生きることどうしてこんなに切ないの」「愛のテーマ」をパフォーマンス。
また、30日は、湖月が「キッチュ」の替え歌で姿月の歴史をたどる「ズンコ(姿月の愛称)」を歌い会場を盛り上げた。観客も「ズンコ!」と合いの手を入れ、一緒に姿月の30周年をお祝い。さらに、姿月が5年前から歌いたかったという「MY OWN BEST FRIEND」でコラボ。貴重な夢のコラボレーションにファンたちも大興奮しきりだった。
湖月が姿月と熱く抱擁を交わして降壇した後、真琴が登場! 姿月は、駆け付けてくれた真琴に心から感謝の意を伝えながら、「普通は先輩の姿を見てトップというものを学ぶのですが、私は急に宙組のトップをやらせていただいたので、(月組時代にトップスターだった)まみ(真琴の愛称)さんが私の永遠のトップです」と本音を明かす一幕も。
2人で「闇が広がる」を熱唱した後、真琴がソロで「ね!」を歌唱。また、2人が月組移籍直前に行ったディナーショーで披露した「Vamos A Bailar」をパフォーマンスして、ファンたちを熱狂させた。
第2部では、ドレス姿に着替えた姿月が退団後にリリースしたカバー曲やオリジナル曲を披露。「翼をください」「エトピリカ」から、発売中の30周年記念アルバム『Treasure~私の宝物』に収録されている「時計」や「鏡の中のツバメ」まで、アップテンポの曲やしっとりと歌声にひたれるバラードなど、さまざまなジャンルの曲で観客を楽しませ、姿月の30年間を思う存分堪能できる公演となった。
最後に姿月は「本日は、皆さんのすばらしいたくさんの笑顔を見せていただき、私は今日、これからのスタートラインに立ったのだと改めて感じさせていただきました。皆さまとのご縁によって、いつの日かまたお会いできることを楽しみにしております」と明かしてリサイタルを締めくくった。