【幸村ブームが残したもの、残していかなければいけないもの】
みなさま、こんにちは。プロデューサーの左衛門佐です。
2016年もあと2週間ほどで終わろうとしています。
今年は幸村ファンにとってはうれしい「真田イヤー」でした。
その大きな牽引力となったのは大河ドラマのOAでした。
もちろん、地方自治体、そしてそこに協力していった人々の尽力も大きな力でした。
何よりも大河「真田幸村」を熱望していた人々の署名活動はもう何年も前から実施され続けていたわけですから。
幸村ブームはまだ続くと思います。が、2016年の大河OAに紐付くものとして、このブ-ムは何を残したのでしょうか。
まずは地方の活性化がなされたと思います。真田一族の活躍する舞台となった地では主に自治体が中心となり
ボランティアも含めて観光客の誘致と街の活性化がはかられました。上田、沼田、九度山、大阪など、各地で
新しい施設が建てられ、お土産がつくられ、新規サービスが始まりました。
そして、真田幸村という戦国武将、真田家、について初めて知ったお茶の間の方も多かったと思います。
歴史ファンのあいだでは当たり前の常識も、歴史にさしたる興味もない方にとっては知らないのが当然ということも
あります。
信長、秀吉、家康あたりは名前を知っていても幸村を知らなかった人はけっこういるのです。
そうした意味でも今年のこのムーブメントは真田幸村という漢の生き様を知ってもらういい機会になったと思って
います。
では、残していかなければいけないものは何でしょう。
それはこの一言につきます。「一過性のブームで終わらせないこと」
今までのケースでよくあるのが、残念ながら大河が終わったあと、町の活性化が止まってしまうことです。
サービスを停止しお土産をつくることもやめ、装飾も外し、だんだんと町並みが寂しくなっていってしまうことです。
私もかつていくつかの大河の舞台となった町を訪れて実感したことがあります。
今年、撮影のために全国各所を訪れた際に地元の関係者からお聴きした言葉には奇しくも共通点がありました。
「立派な箱はできた。インフラもできた。でも、この街に住んでいる方々が一緒にそれを実感して動かしていかないと
ダメなんです。そして、本当の勝負は2017年から。大河ドラマが終わった後、この街がいったい何ができるのか?
が重要だと思います。それがなければ街の真の発展はかなわない」 (行政関係者)
「今年は大河のおかげでぎょうさん人も来てくれて売り上げがあがった。でも来年も同じように観光客が来てくれるか
どうかはわからん。来年は気合を入れて頑張っていかなと思ってます」 (飲食店経営者)
今年よりも来年、今日より明日の視点をしっかりもって生きています。
真田ブームを一過性のものに終わらせないためには我々の考え方、生き方が重要になってくると考えています。
※添付写真は順に、長野県の上田城、九度山の真田庵、大阪城、天王寺の安居神社です。