久しぶりに自作曲を収録したアルバム『タイム~時の旅人~』をリリースし、その後ヨーロッパ~アメリカとツアーを行っているロッド・スチュワート。
新作収録曲について語っているインタビュー映像が到着しました!

【インタビュー訳】

1. 美しき日々(原題:She Makes Me Happy)
この曲は、人生の中で本当に素晴らしい愛を探し求めてきた全ての男性のための曲。その女性がやってきて…って私にもそれが起こったんだ。妻は私を幸せにしてくれる。何度も同じことを繰り返すのは好きではないけれど、これもある意味彼女についての曲。だって彼女は私をハッピーにしてくれるし、私をほほ笑ませてくれるからね。皆にもいつかそんな人が現われることを願って、全ての男性のために書いた曲。

2. キャント・ストップ・ミー・ナウ 
「キャント・ストップ・ミー・ナウ」はアルバムのオープニングを飾る曲。これは私のキャリアについて歌っている。最初の頃に苦労したときのこと、断られたりしながらも、家族、特に父が応援してくれたことについて歌っている。でも苦労してもあきらめないこと、そして神様から声をもらえたという恵みに対する感謝について、そしてどんなミュージシャンも経験する苦労についてなんだ。あきらめちゃいけないよ、ってね。

3. イッツ・オーヴァー 
「イッツ・オーヴァー 」は、タイトル通り離婚についての曲。私から言わせてもらうと世界の文明の崩壊だね。私は離婚を2回経験していて、2回目は本当に辛い想いをしたことも皆さん周知の通り。でもこれは自分のことを書いたのではなくて、離婚を経験した人たち、離婚して傷ついた人たちのことを歌っている。離婚がなくなることはないし、回避できるものでもないけれど、それにちょっと焦点をあててみたんだ。

4. ブライトン・ビーチ
あー、「ブライトン・ビーチ」ね。これはアルバムの中で最初に書いた曲。友人のジム・クリーガンとちょろっとギターをつま弾いていたら、この濃くも優しい曲になってしまった。ブライトン・ビーチは60年代、17歳の頃に私がよく遊びに行っていたところ。そこで初恋の人と会って、二人の間に赤ちゃんが生まれたんだ。もう40歳になっちゃったんだけど。だからメランコリックでもあり、ブライトン・ビーチをも振り返る作品になっている。60年代を見つめているものでもあり、だからこそジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、マーティン・ルーサー・キング、ケネディなんかが出てくる。とても誇りに思っているよ。さっきも言ったけれど、とても濃い内容の曲のBrighton Beachだ。

5. ビューティフル・モーニング
「ビューティフル・モーニング」ね。これも一目瞭然だよね。私の子供たちはこの曲が大好きでね。一番下の2人の子供たちは学校に行く途中に歌ってるよ。ビューティフル・モーニング♪ってね。これは週末に現実から逃避することについて。これって大事なことなんだよね。愛する人、彼女なんかとどこか静かなところに行って、仕事やその一週間にあった嫌なことなんかを忘れて、愛し合って、酔っ払って、倒れこむ、そんなことを歌っている歌詞だよ。

6. リヴ・ザ・ライフ
「リヴ・ザ・ライフ」にはちょっとしたストーリーがあるんだ。これは最後に書いて、最後にレコーディングした曲。息子のリアムがホッケーをやっているんだけど、彼は18歳でホッケーでキャリアを築きたいと思っている。でも私はある時、彼がボールから目を離して恋に落ちそうになっているって気付いたんだ。で、ある段階でキャリアを断念しようとしていたというか、実際にそうしてはいなかったけれど、そうしかねないと感じたんだ。それがこの曲のインスピレーションになったんだ。言うまでもなく歌詞は変えたよ。息子に向けてではないけれど、父親が、恋してしまったことでもう今までやったことなんてどうでもいいや、彼女の後をひたすらついていくぞ、って言っている大学生に対して語りかけているんだ。残念ながら人生ってそういうものじゃない、そんなことを歌っている。

7. ファイネスト・ウーマン
「ファイネスト・ウーマン」ってちょっとだけ…と言うよりはまさに妻のことを歌っている。6フィート1インチの女性、ってね。彼女は素敵で、私は本当に彼女のことが大好き。初めて彼女に聴かせたとき…彼女はその曲を聴いたことがなかったんだけど、そう、ブリティッシュ・エアウェイズで太平洋横断している飛行機のファースト・クラスの中でだったんだ。考えられないよね。ヘッドホンで聴き始めたら立ち上がって通路を踊り始めたんだ。皆どうしたんだ、ってあっけにとられていたよ。彼女はすごくわくわくしたんだよね。彼女全くシャイじゃないし、形にとらわれない女性。踊りたい気分ならその場で踊るんだ。だからFinest Womanはそのことを歌っている。

8. タイム~時の旅人~
「タイム~時の旅人~」はレコーディングした最後から2番目の曲。とてもシンプルでコードが2つか3つしかない。物語の内容は何かがうまくはまらないことで、こういうケースは稀なんだけど、男性側が落ち着きたい、子供が欲しいと思ってるにもかかわらず、女性側はまだ準備ができていないって言って去っていく。そして彼は「時間は誰のことも待ってくれない」って言っている、とてもシンプルな曲。

9. ピクチャー・イン・ア・フレーム
「ピクチャー・イン・ア・フレーム」ね。トム・ウェイツは昔からずっとお気に入りの作詞家。もう彼の曲は4、5曲カバーしてると思う。彼の事は本当に尊敬しているんだけれど、実は信じられないことに彼とまだ会ったことがないんだ。いつの日か会うけれど。トムの歌詞は素晴らしい描き方をするんだ。私にはできないことだけれど、いつの日か私もそんな書き方ができることを願っている。それにとてもシンプルで、コードが3つしかないにも関わらずメロディがゴージャスなんだ。昔一度、(妻の)ペニーと付き合い始めた頃にこんなことがあったんだよ。一度別れてね。私はこの恋愛の先が見えなくなって、彼女は父親の家に帰るって言ったんだ。そこで私は、君の写真を額に入れたいから写真くれないかな、って頼んだんだ。だからこんな経験をしているんだけれど、彼女にそのことを思い出させられたんだよね。朝起きる度に額縁の中を見ていたからまさにこんなんだったね。トム、(ロイヤリティが入ることで)家に新しい屋根がつけられるといいね。

10. セクシャル・レリジョン 
「セクシャル・レリジョン 」は80年代に回帰しているような曲。「アイム・セクシー(原題:Do Ya Think I’m Sexy)パート2」みたいな感じ。これも妻のことなんだけど、彼女と出会ったとき、彼女のダンスのうまさを知ったんだ。本当にセクシーな踊りができて、ラップ・ダンサーだったら大金持ちになっていただろう、っていうくらい。そんなこと言ったらひっぱたかれるだろうけど。だからこの曲の歌詞を書こうと思った時、彼女のことを思いながらだったんだ。だって彼女は最高のダンサーだし、素晴らしい体つきだからね。後はセックスが絡むと男性が以下に弱い人間になるかっていうことをも歌っている。

11. メイク・ラヴ・トゥ・ミー・トゥナイト
「メイク・ラヴ・トゥ・ミー・トゥナイト」は、一目瞭然の曲。お金に困っている人のことなんだけど、多くの人たち、多くの国が今そんな状況だよね。ある意味、今夜愛し合えばそれですべてが解決するよ、少なくともお互いくっついていればいいんだ、ってね。結婚している中で、妻と一緒にいる中でそう感じていること。金銭的に困っているわけじゃないけれど、自分のキャリアで何かが不安な時、「ヤろう」って言うんだ(笑)そこまで文字通りじゃないけど。大変なときに自分のパートナーにどれくらい頼れるかなんだよ。

12. ピュア・ラヴ
この曲は苦労して書いた。「ピュア・ラヴ」ね。これは子供たちのために書いた曲。ちょっとしたアドバイスでもあり、私がこの世からいなくなった時に彼らが屋根の上にでも上って、パパがこれを私たちのために書いてくれたんだ、って口ずさんでくれるといいね。