ロビー・ロバートソン、6枚目となるソロ・アルバムを発売
(C)Don Dixon
ロビー・ロバートソン、6枚目となるソロ・アルバムの発売が発表されました!
ロビー・ロバートソン『シネマティック』
ROBIE ROBERTSON / SINEMATIC
9月20日発売
UICY-15839 2,500円+税
2011年『ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント』以来8年ぶりとなる、ニュー・アルバム。
この作品は6枚目のアルバムであること、数十年にわたる映画のためのソングライティングや彼のドラマティックな人生ストーリーを指し示したタイトルとなっている。
映画のスコアに参加したマーティン・スコセッシ監督の最新作で今秋公開予定の『アイリッシュマン』や2016年に発売した自叙伝『ザ・バンドの青春(Testimony)』に基づいた、今秋公開予定のドキュメンタリー・フィルム『ワンス・ワー・ブラザーズ:ロビー・ロバートソン・アンド・ザ・バンド』から、この最新作はインスピレーションを得て制作。
(ドキュメンタリー・フィルムは9月5日に第44回トロント国際映画祭のオープニング上映作品としてプレミア公開予定)
この最新作には、ヴァン・モリソン、グレン・ハンサード、シティズン・コープ、J.S.オンダラ、ジム・ケルトナー、ハウィー・B等がゲスト参加。
ロビー・ロバートソンのセルフ・プロデュースによる全13曲。
予約、および先行トラックとして入手できる、アルバムの1曲目に収録で、ヴァン・モリソンとの共演ナンバー「アイ・ヒア・ユー・ペイント・ハウス」の配信開始は本日7月25日よりスタート。
<発売タイトル>
価格:2,500円+税/品番:UICY-15839
▼日本盤のみ
SHM-CD仕様
解説/歌詞対訳付
<収録内容>
1. アイ・ヒア・ユー・ペイント・ハウス I Hear You Paint Houses
2. ワンス・ワー・ブラザーズ Once Were Brothers
3. デッド・エンド・キッド Dead End Kid
4. ハードワイアード Hardwired
5. ウォーク・イン・ビューティ・ウェイ Walk In Beauty Way
6. レット・ラヴ・レイン Let Love Reign
7. シャンハイ・ブルース Shanghai Blues
8. ワンダーリング・ソウルズ Wandering Souls
9. ストリート・セレナーデ Street Serenade
10. ザ・シャドウ The Shadow
11. ビューティフル・マッドネス Beautiful Madness
12. プレイング・フォー・レイン Praying For Rain
13. リメンバランス Remembrance
プレス・リリース(翻訳)
ロビー・ロバートソンが新作ソロ・アルバムをリリースする。何十年にもわたり、取り組んできた映画音楽。そして魅せられてやまないテーマの一つである、人間が迷い込む暗黒の回廊。そこから生まれた示唆に富む新作ソロ・アルバム『シネマティック』は9月20日リリース。
限定デラックス・エディションはアナログ盤2枚組、CD、各楽曲ごとのロビー自身が描いたアートワークを含むハードカバー・ブックレットつきで、
10月25日リリース。
ヴァン・モリソン、グレン・ハンザード、シティズン・コープ、J.S.オンダラ、
ハウィー・B他、ゲスト多数参加。
新作ドキュメンタリー映画『Once Were Brothers:Robbie Robertson And The Band』のワールド・プレミアはトロント国際映画祭にて。
ロサンゼルス 2019年7月25日
ロビー・ロバートソンが何十年にもわたり取り組んできた映画音楽。そして人間が迷い込む暗黒の回廊。それを探索することから生まれた示唆に富む新作—- その名も『シネマティック』が9月20日リリースされる。アルバムは現在CD、デジタル、180gアナログLP2枚組で予約注文受付中。限定1000枚のデラックス・エディションも追って10月25日に発売される。デラックス・エディションはCD、180gアナログLP2枚組に加え、ロビー自身が各楽曲ごとに描いたというアートワークを含む36ページのハードカバーブック付き。2011年に発表した内省的な『ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント』以来となるスタジオ・アルバム。ロビー・ロバートソンのセルフ・プロデュースによる全13曲。
新作のインスピレーションとなったのは、マーティン・スコセッシ監督にとって長年の悲願だった大作ギャング映画『アイリッシュマン』にスコアを提供したこと、そして2016年ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーにも選出された自叙伝『ザ・バンドの青春(Testimony)』に基づいた、近日公開予定のドキュメンタリー映画『Once Were Brothers:Robbie Robertson And The Band』の存在が大きい。『Once Were Brothers〜』は9月5日(木)、第44回トロント国際映画祭のオープニング上映作品として世界プレミア上映される。
『シネマティック』の1曲目を飾る「アイ・ヒア・ユー・ペイント・ハウス」は本日、ストリーミング配信開始。デジタル・アルバム予約注文でインスタント・グラティフィケーション・トラックをダウンロードできる。殺し屋 ”ジ・アイリッシュマン”ことフランク・シーランのストーリーを描く
映画『アイリッシュマン』と、原作であるチャールズ・ブラントの『I Heard You Paint Houses』から着想を得たという、ヴァン・モリソンとの心奪われるデュエット。その歌詞は明るいギターと陽気なトーンからは想像できない、ゾッとするような内容だ。殺し屋を雇うことを、ギャングの世界では”家を塗る”と言う。つまり、壁を血の海で真っ赤にする、ということだ。ロバートソンに「ちょっとひと走りしてみようじゃないか?町のダークサイドへ」といたずらっぽく誘われ、アルバムはさらなる手に汗握る悪事の物語と、破壊と悲しみのストーリーへと続いていく。
「『アイリッシュマン』の音楽を作りながら、ドキュメンタリーも同時進行していたので、隣り合う一方が他方に滲み出て、いろんなことが混じり合うようになったんだ」とロバートソンは言う。「そこに道が見えてきた。曲のアイディアが渦巻き、古い記憶、暴力、美しいもの…そういったものを歌にしたいというアイディアが、映画のように思い浮かんでは、ひとつになっていった。そして音のあとを追ううち、自然と形ができ始めた。“ペキンパー・ロック”と自分で呼んでたこともあったよ。」ペキンパーとはもちろん、『ワイルドバンチ』などで知られるバイオレンス西部劇の巨匠、故サム・ペキンパー監督のことだ。
ロバートソンのクールで乾いた低音で語られるストーリー。華のあるギタースタイルに乗って、ひとつ、またひとつ、物語の糸が解かれる。ミッドテンポで重々しくロックする曲を作り上げている主要メンバーはべースのピノ・パラディーノ(ジョン・メイヤー・トリオ、ザ・フー)、ドラマーのクリス・デイヴ(ディアンジェロ、アデル)、キーボードのマーティン・プラドラー(本作のミックスも彼がおこなった)といった面々。それ以外のメンバーは、ギターとバックヴォーカルのアフィ・ジュルヴァネン、そのジュルヴァネンのバンドであるバハマズと定期的に共演しているヴォーカリストのフェリシティ・ウィリアムズらだ。スペシャルゲスト陣も豪華だ。ヴォーカルではヴァン・モリソン、グレン・ハンザード、シティズン・コープ、J.S.オンダラ、ローラ・サターフィールド、ミュージシャンにはジム・ケルトナー、デレック・トラックス、フレデリック・ヨネット、ドイル・ブラムホール2世など。そしてプロデューサー、ハウィー・Bによってエレクトリックなビートが配されたナンバーも何曲かある。
『シネマティック』を彩る多くの曲のひとつ「デッド・エンド・キッド」でロバートソンは心のレンズを内側に向け、回顧する。カナダ先住民族ファーストネーションとユダヤ系ギャングの家系に生まれ、様々な障害や未来への期待を感じることなく育った子供時代。危険な武器のごとくギターを振り回すロバートソンの驚異的ギタースキルが発揮される曲だ。そのギターは、古くは1966年、あの悪名高きボブ・ディラン、エレクトリック・ツアーで大きな反響を呼び、長い目でアメリカーナというジャンルの誕生を導いた。大胆で挑戦的な歌詞が語るのは、世界中で音楽を演奏したいと夢見るティーンエイジャー、ロビー・ロバートソンの夢。「世界に見せてやりたい/彼らが誰も見たことのなにか/お前をどこかへ連れて行きたい/まだ行ったことのないどこか。」ハスキーなロバートソンの歌声とピッタリと寄り添うように、グレン・ハンザードのソウルフルな歌声が響き渡る。フレイムズ、スウェル・シーズンのシンガーとして、そして映画『Once ダブリンの街角で』の主演で知られるアイリッシュマン、ハンザードはジョン・レノンの平和への叫びにインスパイアされたというロックチューン「レット・ラヴ・レイン」でも再びフィーチャーされている。
アルバムを通じて、リスナーは社会のいかがわしい暗黒街へと次々と誘われる。「シャンハイ・ブルース」は20世紀初めの上海で、アヘン売買、賭博、売春の事業を支配していた中国の秘密結社、青幇(ちんぱん)の伝説的ギャング、杜月笙(とげつしょう)の武勇伝だ。ロバートソンが “シン(sin=罪)フォニー”と呼ぶ「ストリート・セレナーデ」も犯罪、ミステリーの香りに包まれた曲。エッジーでエレクトロニックな「ザ・シャドウ」はオーソン・ウェルズのラジオ犯罪ドラマへのノスタルジックなオマージュだ。
ロバートソンのギタープレイが主役を張るインスト曲は2曲。1曲は「ワンダーリング・ソウルズ」。もう1曲、アルバムのラストを飾るのは、友人であり、マイクロソフト社の共同創業者で、大の音楽ファンだった故ポール・アレンのために書いた「リメンバランス」だ。そのアレンがギターヒーローと崇めたデレック・トラックスとドイル・ブラムホール2世がゲストで参加。ドラマー、ジム・ケルトナーも加わって、壮大ながらも哀愁に満ちた哀悼歌が出来上がった。
『シネマティック』の曲の多くがロバートソン自身とはかけ離れた罪深きテーマを扱っているが、本人の類いまれなる人生のストーリーに基づいた曲もある。それが同名ドキュメンタリーのための書き下ろし、ザ・バンドへのほろ苦い思いをつづった「ワンス・ワー・ブラザーズ」だ。この曲にはナイロビ出身J.S.オンダラとアメリカ人シンガーソングライター、シティズン・コープが参加している。「かつては兄弟だった/その兄弟はもういない」とロバートソンがザ・バンドに別れを告げる中、ハーモニカとオルガンの哀しげな旋律が響く。ロバートソンは言う。「争いや確執を曲にするのは、心が痛むことではある。でもやりがいがある経験だとも言えるよ、そのエモーショナルな結果にね。心は痛いけど、でも好きなんだ」
2016年にロバートソンが出版し、好評を博した自叙伝『ザ・バンドの青春(Testimony)』に基づく、ダニエル・ローアー監督ドキュメンタリー『Once Were Brothers』ではロバートソンの幼少期から、ポピュラー音楽の歴史上、最も影響力あるグループのひとつになったザ・バンド の物語が描かれる。貴重なアーカイヴ映像、写真、代表曲が流れるほか、マーティン・スコセッシ、ブルース・スプリングスティーン、エリック・クラプトン、ヴァン・モリソン、ピーター・ガブリエル、タジ・マハール、ドミニク・ロバートソン、ロニー・ホーキンズら多くの友人、ミュージシャンのインタヴューも含まれる。イマジン・ドキュメンタリーズ、ホワイト・パイン・ピクチャーズ、ベル・メディア・スタジオ、ユニヴァーサル・ミュージック・カナダ・シェッド・クリエイティヴの共同製作による本プロジェクト。エグゼキュティヴ・プロデュースにはマーティン・スコセッシのほか、ブライアン・グレイザーとロン・ハワード(イマジン・エンタテインメント会長)、ジャスティン・ウィルケスとサラ・バーンスタイン(イマジン・ドキュメンタリーズ)、ピーター・レイモンド(ホワイト・パインズ・ピクチャーズ社長)、スティーヴ・オード(ホワイト・パインズ・ピクチャーズ最高執行責任者)、ランディ・レノックス(ベル・メディア社長)、ジャレッド・レヴィーン、マイケル・レヴィーン、ジェフリー・レメディオス(ユニヴァーサル・ミュージック・カナダ社長兼CEO)、デイヴ・ハリス(シェッド・クリエイティヴ・マネージング・ディレクター)があたった。プロデュースにはアンドリュー・マンガー、スティーヴン・パニッチア、サム・サザーランド、ラナ・ベル・マウロがあたっている。
『SINEMATIC』のフィルム・ノワールのイメージをさらに膨らませてくれる、様々なマルチメディア・イメージがロバートソン自身によって用意された。アルバムのアートワークも、各楽曲のアートワークもロビーの手によるものだ。肖像画や抽象画、表現主義的絵画や実験的フォトグラフィー。それらが作り出す一大“『シネマティック』ワールド”にリスナーは引き込まれることだろう。たとえば真紅と金色に映る「ジェイムス・ボンドが使ったのと同じ銃」だというワルサー9ミリピストルの隣には恐ろしい人影、まるでそこだけ焼かれたかのようなシミが描かれるキャンバス…。これらのアート作品はスタンダード・エディションのCDとLPのブックレットに収められる。デラックス・エディションは12インチx12インチの豪華ハードカバーブック仕様。
アルバムのアートワークを手元に置きたいと願うファンに向け、 アルバム・ジャケット、「ビューティフル・マッドネス」「シャンハイ・ブルース」「ウォーク・イン・ビューティ・ウェイ」の4作品の販売もおこなう。アーカイバルクォリティの額入りキャンバスプリントはそれぞれ限定100枚。ロバートソン直筆サイン入り、アルバム・ジャケットのキャンバスプリント限定10枚の売り上げは、アメリカン・インディアン・カレッジ・ファンドに寄付される。
ロバートソンにとって6枚目となるソロ・アルバムのリリースが近づく中、ザ・バンドを代表するセカンド・アルバム『ザ・バンド』はその数日後に50歳を迎える(祝賀記念の予定はまもく発表される)。60年近くにわたり、時代を超え、世代を超え、影響を与え続ける音楽を生み出してきた伝説のソングライター、ミュージシャン、ギタリスト。それはかつて少年がトロントで夢見てきた夢そのもの。『シネマティック』でロビー・ロバートソンはまたもや人々の心を捕らえてやまないソロ作品群に新たなる1枚を加えた。同時に音の向かう先をまたひとつ推し進めながら。
【翻訳:丸山京子】