デビュー40周年!メンバー4人による最後のAL『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』25周年記念エディションがリリース!
1981年にデビュー、2011年に惜しくも解散した伝説のオルタナティヴ・ロック・バンドR.E.M.が今年デビュー40周年を迎え、10枚目のスタジオ・アルバム『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』の25周年記念エディションを10月29日に世界同時リリースすることが決定。発売に先駆け、先行シングル「Leave (Alternate Version)」がリリースされた。
日本盤は、リマスター音源を収録したディスク1、B面トラックやレア・トラックを収録したディスク2から成るSHM-CD2枚組の初回限定盤でリリース。さらに、『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』を含め、『グリーン』『アウト・オブ・タイム』『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』『モンスター』など、スコット・リットとの共同プロデュース作品、全5作品を初めてハイレゾCDで、BBCに残された貴重音源のベスト盤『ベスト・オブ・R.EM.・アット・ザ・BBC』(SHM-CD2枚組) が同時リリース。
輸入盤では、2CD+Blu-ray(ハイレゾと5.1サラウンド・サウンドで収録 + 未発表の64分の屋外プロジェクション・フィルム〈1996年にアルバムのオリジナル・リリースのプロモーションのために5都市のビルで上映されたもの〉+ 未発表の30分のEPK、「ビタースウィート・ミー」「エレクトロライト」「E-ボウ・ザ・レター」など5曲本のMVをHDリストアして収録)で構成され、ジャーナリストのマーク・ブラックウェル氏によるライナーノーツや、オリジナルのバンドメンバー4人に加え、パティ・スミス、トム・ヨーク、プロデューサーのスコット・リット氏によるコメントを掲載し、52ページのハードカバー・ブックに収めた限定デラックス・エディションと、新リマスターアルバム音源をCohearent Audio社のケビン・グレイがカッティングした180g2枚組LPがリリース。
■『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』25周年エディション(初回限定盤)
2021年10月29日リリース
日本盤:UCCO-8044/5 2SHM-CD ¥3,850(税込)
輸入盤:2CD+Blu-ray限定デラックス・エディション (722-6397) / 180g 2LP (722-4545)
♪購入・ストリーミング
■スコット・リット共同プロデュース・アルバム5作品ハイレゾCD UHQCD(MQA) 各¥3,300(税込)
・『グリーン』UCCO-46001(1988年、6枚目)※2013年リマスター
・『アウト・オブ・タイム』UCCO-46002(1991年リ、7枚目)※2016年リマスター
・『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』UCCO-46003(1992年、8枚目)※2017年リマスター
・『モンスター』UCCO-46004(1994年、9枚目)※2019年リマスター
・『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』UCCO-45003(1996年、10枚目)※2021年リマスター
■『ベスト・オブ・R.E.M.・アット・ザ・BBC』
UCCO-2042/3 2SHM-CD ¥3,630(税込)
▼CD・LP予約はこちら
https://store.universal-music.co.jp/artist/rem/
先行シングルの「Leave (Alternate Version)」は、元々映画『A Life Less Ordinary(普通じゃない)』のサウンドトラック用に録音されたシングルで、『ニュー・アドヴェンチャーズ~』に収録されているサイレンのないVer.でマイケル・スタイプがヴォーカルを録り直している。「『ニュー・アドヴェンチャーズ~』に収録されているものよりも、このVer.の方が好きかもしれない…いや、好きというよりも、歌詞の内容が違っているだけなんだけどね。」とスタイプは語っている。
1996年9月にリリースされた『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』は、R.E.M.のアルバムの中でも最も評価の高い1枚で、メンバーやファンの間でも人気の高い作品。アメリカではプラチナ認定を受け、ビルボードアルバム・チャートで2位を記録し、オーストラリア、イギリス、カナダなど10カ国以上で1位を獲得、世界的な成功を収めた。批評家からも高い評価を受け、Rolling Stone、Spin、Mojo、Entertainment Weekly、NMEなどのメディアでその年のベスト・アルバムの一つに選ばれるのみならず、数十年にわたりカルト的な人気を博しており、R.E.M.の豊富なカタログの中でトップ・アルバムとして挙げられている。
また、R.E.M.絶頂期に録音された本作品は、ドラマーであり創設メンバーでもあるビル・ベリーとの最後のアルバムでもある。ビル・ベリーは翌年に円満にグループを脱退した。最も注目すべき点は、このアルバムが1995年のMonsterツアー中に曲作りとレコーディングを行うという、バンドにとってユニークな創造的アプローチを採ったことだ。
R.E.M.にとってツアー中に新曲を作ることは珍しいことではなかったが、『ニュー・アドベンチャーズ~』はそれまでの彼らの作品とは異なっていた。R.E.M.はツアーを開始するにあたり、あらゆる感情や経験をそのまま記録した抽象的な旅行記を作ろうとした。ベーシストのマイク・ミルズはライナーノーツの中で次のように説明している。「私たちは、ツアー中のことを歌うのではなく、ツアー中のレコードを作りたかったのです。旅をしている感覚を、レコードの音や感触に表れるようにしたかったのです。」
バンドは移動式レコーディング・トラックで移動し、サウンドチェックの際に新曲を8トラックに収録した(他にも楽屋やツアー・バスの中でも収録)。ギタリストのピーター・バックがジャーナリストのブラックウェルに語ったところによると、「”自分たちに挑戦しよう “という考えでした。それまではそんなことはほとんど考えていなかったのですが、この作品では私たちの現在の状況を正確に示すことができると思いました。このレコードは、その時点での私たちの姿を表現しようとしたものなのです。」
1995年1月から始まったこの1年間のツアーは、R.E.M.にとって6年ぶりのものだった。世界最大級のバンドとして、R.E.M.はソニック・ユースやレディオヘッドなどのサポートを得て、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、日本のアリーナ級ステージどこをも満員にして演奏した。しかし、このツアーの途中で、健康上の問題が発生。3月にベリーが動脈瘤でステージ上に倒れ、その後1ヶ月間の療養を余儀なくされたのだ。一方、ミルズは6月に腸の手術を受けた。その1カ月後にはスタイプがヘルニアで緊急手術を受けた(本人は「Undertow」の演奏中に発症したと主張している)。
大成功を収めたツアーから戻ったバンドは、長年のプロデューサーであるスコット・リットと共にスタジオに入り、いくつかの最終トラックを録音、他のトラックの仕上げを行った。その中には、7分にも及ぶ大作「リーヴ」、伝説のシンガー・ソングライター、パティ・スミスがバック・ヴォーカルを務めた「E-ボウ・ザ・レター」、バックがR.E.M.の曲の中で一番好きだと言う「ニュー・テスト・レパー」、そしてアルバムの中でも特にスタイプのロサンゼルスでの生活経験から着想を得た「ハウ・ザ・ウエスト・ワズ・ワン・アンド・ホエア・イット・ガット・アス」などが収録されている。
発売当時、『ニュー・アドヴェンチャーズ~』はR.E.M.にとって最長のスタジオ・アルバムとなり、総収録時間は65分にも及んだ。映画のようなストーリーテリング、心に響くエフェクト、不協和音などが盛り込まれた『ニュー・アドヴェンチャーズ~』は、R.E.M.が様々な音の領域を開拓していることを示している。特にベリーは「“ロウ・デザート”は、ただ埃っぽくて、ゆっくりとした沼地のような曲です。この曲を聴くと孤立した気分になるけど、それがいい。」と語り、スタイプはさらにこう付け加えている。「この曲は私たちは砂漠で何をしているのか?アメリカ西部で何をしているのか?この生きられない、住めない場所で我々は何をしているのか?といった疑問を投げかけています。」。他にも「ディパーチャー」や「ウェイク・アップ・ボム」など、R.E.M.のクラシックなロックの雰囲気が感じられる曲も収録されている。
バンドは、『ニュー・アドヴェンチャーズ~』に誇りを持って振り返る。バックのコメントが、それを最もよく表している。「ほとんどのレコードは、スタジオに入ってただひたすら演奏するだけ。何年か後になって思い出すのは、どこに泊まったかとか、曲やレコーディングのプロセスとか、漠然としたことばかりです。でも、今回はすべてを覚えています。それは経験でした。ものすごく大変だったけど、レコードを作った。今までやってきたことと同じくらいチャレンジングなことでした。」と語っている。