名作シングル「トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー」の再リリースと 同ビデオの再公開を発表
ブライアン・メイ、日本では8月11日発売のリマスター・アルバム
『バック・トゥ・ザ・ライト~光にむかって~』に先駆け
名作シングル「トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー」の再リリースと
同ビデオの再公開を発表
「今までに書いた中で、ある意味、最も重要な曲」
2021年7月30日リリース
視聴・試聴はこちら: http://BrianMay.lnk.to/TooMuchLoveWillKillYou
ブライアン・メイが1992年に発表したソロ・アルバム『バック・トゥ・ザ・ライト~光にむかって~』の中で、特に傑出している「トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー」は、繊細なヴォーカル、穏やかなキーボード、控えめなアコースティック・ギター・ソロ、そして耳に残るメロディが印象的な曲だ。ブライアンは、この曲について、「今までに書いた中で、ある意味、最も重要な曲」と語っている。
日本では8月11日発売のリマスター盤アルバムに先駆け、同シングルが7月30日に再リリースされることとなった。
1992年8月24日にシングルとして発売されたこの曲は、全英チャートで5位を記録。ブライアンのソロ・ヒットとなった。リリースに先立ち、1992年4月にウェンブリー・スタジアムで開催された〈フレディ・マーキュリー追悼コンサート〉では、72,000人のファンの前でブライアンがこの曲を披露。明らかに感極まった様子ながら、一音も外すことなく完璧に歌い上げたブライアンは、恐らくこの曲の由来について広まっていた誤解を確実に解いたと言って良いだろう。
ステージ上でこの曲を紹介する際、「言い訳させてもらえるなら、僕がこの曲を歌うのは単に、僕が皆さんにお聴かせ出来る中で最も出来の良いものだからです」と語ったブライアン。彼がこれを歌った理由は、しばしば考えられていたように、1991年にこの世を去ったクイーンの伝説的ヴォーカリスト、フレディについて書かれた曲だからではない。この曲そのものの誕生は、1986年から87年にかけ、エリザベス・ラマーズとフランク・マスカーというソングライターの友人二人と共に、ブライアンが曲作りをしていた時期に遡る。ブライアンは、当時ロサンゼルスに滞在しており、私生活で激動とも言える変化を経験する中、「遥か故郷を離れて」「胸のうちでは混乱したまま」、何らかのはけ口を見出そうとしていたのだった。
ブライアンは、こう説明する。「“トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー”にはとても長い物語があって、『バック・トゥ・ザ・ライト~光にむかって~』に収録されているヴァージョンがオリジナルなんだ。曲を書いていた時に僕が弾いた、オリジナルのキーボードが入っている。僕とフランク・マスカー、そして彼の当時の女友達と一緒に部屋にいたんだけれど、僕にとっては心理療法のセラピー・セッションのようなものだったんだ。その頃の僕は追い詰められて身動きが取れないように感じていたから、こういった歌詞がただ湧き上がってきた。絶対に、どうしても抜け出せないと思えるような場所に、僕ははまり込んでいたんだよ。そのことについて書くことだけしか、僕には出来なかった。そういう状況にあった恐らく9ヶ月から1年の間に、僕が書いた唯一の曲がこれだったんだ」。
そのような心境について曲を書くに当たり、ブライアンは全てを率直に吐き出した。「痛みに気が触れてしまいそうになる」と歌うブライアン。その歌詞は、彼の人生の一時期に由来しているが、独特の正直さにより、そこには普遍的な力が与えられている。それは間違いなく、ブライアン自身も、現在に至るまで長年の間、共感を覚え続けている歌詞だ。「そこには今も、僕が向き合っている様々な悩みが描かれている。“トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー”は、僕の心の一番深い所に実際に埋まっているものについて書いた、年代記的な物語なんだ。この曲の歌詞の一語一語は、今聴いても、どれも僕にとって全て大切な言葉だ。どの言葉にも、今もやはり共感出来るよ。正に僕の内面を表しているね。『表している』と現在形を使ったのは、僕があの頃とそれほど変わっていないことに気付いたからなんだ。僕の人生の中で、自分の経験や思いをそのまま伝えることが出来た唯一の機会だよ。 今までに書いた中で、ある意味、これは最も重要な曲なんだ。僕の人生の旅路が要約されているからね」。 この曲に血の通った力が備わっている理由は、ブライアンがアレンジを控えめにした点にも大きく起因している。個人的な苦悩と深い関わりのあるこの曲は、作り手の声に忠実であるべきだとブライアンは認識しており、そこに過度な装飾は加えなかった。「僕の作ったヴァージョンは、原点に忠実なんだ。原曲に込められた感情をそのまま伝えるもの以外の要素は何一つない。原曲には、ドラムが入るのをきっかけに壮大になっていくような瞬間がないんだ。そこまではいかないんだよ。どこを取っても自信なさげで、とても繊細。そして僕の歌い方に表れている生々しい感情は、正に僕の気持ちそのものなんだよ。僕が書いた曲、僕の思いってことだね」。
尚かつブライアンは、リスナーも同じ気持ちを感じていると知り、それを理解していた。クイーン・ファンの多くは、この曲をフレディと結び付け、重く受け止めていた。一方、クイーン自身もまた、そのことを肝に銘じていた。より壮大な、フレディのヴォーカルを入れた別ヴァージョンが1989年にレコーディングされ、それは後年、フレディの死後に完成したクイーンのアルバム『メイド・イン・ヘヴン』(1995年リリース)に収録されることとなる。翌1996年にシングルとしてリリースされた同曲のクイーン・ヴァージョンは、アイヴァー・ノヴェロ賞(最優秀作詞・作曲・楽曲賞)を受賞。ブライアンの心のこもった告白が、その起源を超越する独立した存在として発展するのに十分なだけの揺るぎない力を備えていることの証明となった。
「フレディと一緒にあのヴォーカルに取り組んだのは、とても楽しかったよ。この曲が何か違うものになっていくこと、何か違う意味を持ったことに僕らは気づいていた。僕らは皆、それに気づいていたんだ。奇跡が起こらない限り、フレディの人生は恐らく限られたものになるだろうと、僕らは言うまでもなく分かっていた。だからこそ、この曲が何か違うものに感じられるようになり始めたんだ。それで僕らはためらうことなく、この曲をとても壮大な、とてもクイーンらしいものにした。僕も気に入っているよ」。
「だけど、もし、僕の人生の血と汗と涙が注ぎ込まれた、この曲のオリジナル版を聴きたいなら、それはこのヴァージョンだ」。
『バック・トゥ・ザ・ライト~光にむかって~』のボックス・セット、デラックス盤2枚組CD、及びデジタル・フォーマットで入手可能なボーナス・アルバム『アウト・オブ・ザ・ライト』には、同曲のギター・ヴァージョンと、1993年4月6日にロサンゼルスの〈パレス・シアター〉で録音されたライヴ・ヴァージョンの2種類の別ヴァージョンが収録されている。
「トゥー・マッチ・ラヴ・ウィル・キル・ユー」は、7月30日よりダウンロード/ストリーミングでの配信を開始。