フレディ「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」、シングル発売決定!
「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」
ピクチャー盤アナログ7インチ・シングル及びCDシングルの発売を本日発表
8月5日リリース予定 (※発売日が変更になりました。7/24追記)
長年の友人であるデイヴ・クラークがプロデュースを手掛けた装飾抜きの新ヴァージョン
1986年のヒット・ミュージカル『タイム』(原題:Time)の コンセプト・アルバムより
フレディ・マーキュリーの未発表音源「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」(原題はTime Waits For No One)が、ピクチャー盤アナログ7インチ・シングル及びCDシングルとして、7月26日 8月5日に発売決定。本日より予約注文の受付が開始される。フレディ・マーキュリーの説得力に満ちた歌唱が最高の形で表現されているこの「Tタイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」では、ピアノ伴奏のみを背景に、余分な装飾を完全に削ぎ落としたパフォーマンスが展開されており、音楽界でも特別に愛され、万雷の喝采を浴びてきたその歌声が、余すところなく披露されている。
「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」は、ヒット・ミュージカル『タイム』のコンセプト・アルバム収録曲として1986年にレコーディングされた楽曲「タイム」(原題はTime)の未発表ヴァージョンだ。プロデュースを手掛けたのは、フレディの長年の友人であり、世界的に成功を収めているミュージシャン/シンガー・ソングライター兼プロデューサーのデイヴ・クラークで、この新たなトラックの完成までに、彼は2年の歳月を費やした。今回追加リリースされる2種のフォーマットは、7月26日 8月5日発売予定で、ボーナス特典としてフレディとデイヴ・クラークのインタビューが併せて収録されている。
クイーンのフロントマンの親しい友人の1人が、プロデュース及び監督を手掛けて彼に捧げた、素晴らしい追悼の賛辞である本曲。40年間、密かに出番を待っていた「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」が、ここにきてピクチャー盤7インチ・シングルとCDシングルとして追加発売されることとなった。日本ではどちらも輸入盤で発売。
シングル「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」は、2種のフォーマットで発売。1種目は、本トラックのアートワークを完全に再現した、今までにない魅力的なピクチャー盤だ。そしてもう1種は、重厚なパッケージに収められたCDシングルで、装飾デザインは前者と似通っているが、裏面には1986年に撮影されたフレディ・マーキュリー、デイヴ・クラーク、ジョン・クリスティの集合写真が掲載されている。
6月20日にYouTubeで公開開始された本曲の公式ミュージック・ビデオは、現在までに1,100万回以上の動画再生回数を記録。
「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」
トラックリスト
1 - タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン Time Waits For No One
2 - フレディ・マーキュリー&デイヴ・クラーク のインタビュー Freddie Mercury and Dave Clark in Conversation
「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」のピクチャー盤アナログ7インチ・シングル及びCDシングルは7月26日 8月5日リリース予定
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【解説】
[曲の背景にある物語…] 『タイム』は元々、デイヴ・クラークの発案によって生まれた作品であった。 デイヴは、何百万枚ものセールスを上げて莫大な成功を収めたグループ、デイヴ・クラーク・ヴァイヴの元リーダーで、英国で最も多作かつ最も有名なミュージシャン/ソングライター兼プロデューサーの1人である。1986年4月、ロンドンのドミニオン劇場で初演されたウェストエンド・ミュージカル『タイム』は、SFとロック・ミュージック、そして時代を先取りした特殊効果とマルチメディアとを融合。ローレンス・オリヴィエ卿やクリフ・リチャードら、豪華キャストが集結した同作は、興行成績の新記録を樹立し、2年間の上演で百万人以上の観客を動員した。
また、有名スターが勢揃いした同ミュージカルの記念コンセプト・アルバムは、数百万枚の売り上げを達成。同アルバムの収録曲として、デイヴがフレディに1曲歌ってもらいたい(「イン・マイ・ディフェンス」)と構想を練っていた際、音楽業界の否定論者達は、フレディが首を縦に振ることはないだろうと主張していた。しかしながら、フレディは、1985年10月、当時拠点としていたドイツのミュンヘンからロンドンに飛び、アビイ・ロード・スタジオでレコーディングを行うことに同意する。デイヴのセッション・ミュージシャン・バンドは、4人組という最小限の編成。そのうちピアノを担当したマイク・モーランは、デイヴとは旧知の間柄で、それまで面識のなかったフレディにこの時初めて紹介された。これをきっかけに、彼とクイーンのフロントマンであるフレディとのコラボ関係が始まり、やがて2人は『バルセロナ』を共作するに至る。この“タイム・セッション”は、真夜中に、フレディの専属シェフを務めていたジョー・ファネリが振る舞う「極上の料理と、ウォッカとクリスタル・シャンパン」を存分に味わいながら録音されたものだ。
その時のレコーディング・セッションについて、デイヴ・クラークは次のように語っている。「僕らはものすごくウマが合ったんだ……何か気に入らないことがあれば、僕はハッキリそう言ったし、彼も同じだった……お互い、目指すところが同じだったんだよ。つまり、何か特別なものを作るってことだね」。
何か他に曲はあるか、とフレディから尋ねられたデイヴは、「ある」と答え、このミュージカルの表題曲「タイム」を提供。1986年1月、彼らは同曲を録音するため、素晴らしい才能に溢れたミュージシャン達と共に、再びアビイ・ロード・スタジオに入った。デイヴは、この曲をジョン・クリスティと共作したのだが、「歳月人を待たず」という歌詞の一節が、後にどれほど当を得るものとなるのか、当時の彼らは知る由もなかった。リズム・トラックを土台に開始されたこのセッションでは、48トラックのバッキング・ヴォーカル(フレディに加え、ジョン・クリスティとピーター・ストレイカーが担当)を録音。24トラックのテープ・レコーダーを2台同期させて行われたのだが、アビイ・ロードでこれほどの量のバッキング・ヴォーカルが録音されたのは、それが初めてであった。そして「タイム」の最終的なヴァージョンは、96トラックから成る壮大な楽曲として完成した。
その曲のビデオは、とある火曜日、ドミニオン劇場で3時間かけて撮影。同じ日の夕刻にミュージカル『タイム』の公演本番が控えていたため、撮影は短時間で完了した。ミュージカルの方は同月の初めより既に上演が始まっており、舞台初日にはフレディも観劇に訪れている。パフォーマンス全体を完全に収められるかどうか危惧されたことから、撮影には4台のカメラを使用。その週に英国の人気音楽テレビ番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』で放送するため、映像は即座に編集された。この曲のシングルは、同年5月6日にリリース。ミュージック・ビデオは、撮影に用いられたオリジナルの35mmフィルムではなく、ビデオ・テープに記録され、オリジナルの映像は貴重品保管庫行きとなった。
[それから40年…96トラックから1トラックへ]
デイヴ・クラークの脳裏には、1986年にアビイ・ロード・スタジオで行われたフレディ・マーキュリーのパフォーマンスが常に焼き付いていた。オリジナル・ヴァージョンは何百万枚もの売り上げを達成し、彼自身の言葉を借りれば、確かに「うまくいった」。しかし、最初のリハーサルで経験した「鳥肌が立つ」思いは、何十年もの歳月を経ても、決して消えることがなかったのである。そのため彼は、最初のレコーディング音源を、つまりフレディのヴォーカルとマイク・モーランのピアノのみが入っているヴァージョンを聴きたいと考えていた。分厚いバッキング・ヴォーカルが全く含まれていないヴァージョンを見つけ出そうと、貴重品保管庫を捜索し続けた結果、2018年春、自身のテープ・アーカイブの中から遂にそれを発見したのである。
「不可能を可能にする」と固く信じていたデイヴは、この歴史的パフォーマンスが持つ莫大な可能性を取り戻そうと、オリジナルのキーボード奏者マイク・モーランの参加を仰ぎ、バッキンガムシャーにある彼のスタジオで、新たにピアノ・トラックをレコーディング。遂には、彼が長年復活させたいと願ってきたパフォーマンスのプロデュースに成功した。96トラックのバッキング・ヴォーカルに彩られていたヴァージョンを、ただ1つの、つまりフレディ・マーキュリーの1トラック・ヴォーカルのみが入ったヴァージョンに戻したのである。
また、オーディオ(音源)にはヴィジュアル(映像)が必要となったが、デイヴは単に、昔の映像を編集するに留めたくはないと考えていた。彼の手元にあったのは、前述のカメラ4台で撮影された映像のネガと、2014年にデイヴのドキュメンタリー番組『Glad All Over: The Dave Clark Five & Beyond』が制作された際、パインウッド・スタジオのランク・フィルム現像所に一時保管された後、彼の手元に戻された未現像フィルムだった。デイヴは編集者と共に4日間、特別な施設に閉じこもり、それらのネガをじっくり眺めて検証。その結果、「魔法のようなパフォーマンス……歌詞の一言一句を噛み締め、味わっていた」というフレディの姿が完璧に表現されている映像の発見と、傑作ビデオの制作に繋がったのである。
「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」は、フレディ・マーキュリーの持つ音楽的な力に対し、敬意を捧げている曲だ。そのパフォーマンス、ドラマ性、そして声域。40年間、密かに出番を待っていた音源が、今回遂に、新旧両ファンの前に全貌を表す。 これは、クイーンのフロントマンの親しい友人の1人がプロデュースと監督を手掛け、彼に捧げた、素晴らしい追悼の賛辞である。