ブライアン・メイ インタビュー前編公開!
フレディのうたう新曲をフィーチャーした新作『クイーン・フォーエヴァー~ベスト・オブ・ラヴソングス』遂に発売!この発売を記念し、なんとクイーンのギタリスト、ブライアン・メイのインタビューを実施。貴重なインタビューを前編/後編に分けてお届けします!是非、お楽しみください。
★2014年11月3日@LAでのインタビューです。
<前編>
クイーン - ブライアン・メイが最新作を語る(1)
http://youtu.be/0UoBHyB-71o
Q:サマーソニック2014の感想は?
ブライアン・メイ(以下 B): 日本に戻れたのは最高だったけど、あまりにも短い滞在だったね。もうちょっと時間があったら良かったんだけど、スケジュールがとても忙しかった。それにとても蒸し暑かったのも印象深いよ。大阪では雨が振ったから大変だった。私はギター・ヒーローと呼ばれているかもしれないけど、雨の中でギター・ソロを演奏するのは楽しくない(笑)。あのコンサートのライヴ映像をちょっと見てみたいね。雨が降っていたから指先がふやけちゃって、いつもと違うライヴになってしまったからなんだ。我慢大会のような状態だったよ(笑)。オーディエンスを楽しませることに集中しないといけなかったし、彼らが見てくれていることを忘れないようにしないといけなかった。そうは言っても、楽しい滞在だったよ。お客さんのレスポンスも素晴らしかったし、楽しいライヴになった。日本は素敵な国だから、もうちょっと観光をする時間が欲しかったね。日本は私たちを成長させてくれた国だったから、もうちょっと滞在したかった。近々日本には戻りたいよ。
Q:短い滞在だったと思いますが、日本でLIVE以外で何か楽しまれましたか? 日本食を楽しんだとか? どこかに観光に行かれたとか?
B:日本では必ず日本食を食べるよ。ただ先ほど話したように、今回は滞在があまりにも短かった。東京では少し時間はあったからおもしろかったよ。私はもう25歳のように遊べないんだ(笑)。昔は一晩中飲んだり食べたりして、その後は朝早くからタワーや庭園の観光をした。今は、ライヴのためにエネルギーを蓄えて、健康を保つことに集中しないといけない。でも今回は新しいタワーを登ることができたよ。スカイツリーだったっけ?あそこはとてもクールだったね。タワーというのは、街の全貌を見渡せるから好きなんだ。東京はとてもエネルギッシュな街だね。常に新しい建物が建設されているし、とても刺激的だよ。だから東京に行くと、視野が広がるんだ。今回はとてもおいしい伝統的な和食を食べることができた。私はベジタリアンだから、精進料理がとても好きなんだ。短かったけど、とても楽しい時間を日本で過ごせたよ。
Q:(『クイーン・フォーエヴァー』について)
B:このアルバムはもともとコンピレーションというコンセプトから始めたんだ。実は結構前から選曲をしていたんだよ。ラヴ・ソングというテーマが出発点だったんだけど、あまり知られていない曲でいながら、聞きやすい曲を集めたかった。みんなで意見をぶつけたりディスカッションをしながら、選曲したんだ。だから、このコンピレーションは、グレイテイスト・ヒッツ集ではないんだ。その上、未発表音源を3曲見つけて収録することができた。実を言うと、未発表音源は4曲見つけたんだけど、そのうち実際に収録されたのは3曲だけだった。それに、みんなが聴いたことがないバージョンの曲も収録されている。3曲の未発表音源については、それぞれ1つのバージョンを収録している。だからこの作品は色々な意味で新しいんだ。どういう意味で新しいか教えてあげようか?
まず始めに、“Let Me In Your Heart Again”という曲を見つけたんだ。この曲は隠されていたわけではなく、実はずっと目の前にあったんだ。この曲は、失われた曲だと思われていたんだけど、実は身近なところにあったんだ。箱に“Let Me In Your Heart Again”に「テイク1, 2, 3, 4, 5」とちゃんと分かりやすく書いてあった(笑)。当時この曲をレコーディングしたとき、どのテイクもしっくりこなくて、音域が広い曲だったから、キーを変えたりもした。フレディは当時、「なぜいつも歌いづらい曲を書くの?」と文句を言われたよ(笑)。だから、何度も構成を変えたんだ。満足の行く出来にならならなかったから、また後で完成させようということで、お蔵入りになった。最近になって音源を見つけたときに、完成させるために、実は十分に素材があることが分かったんだ。4人が一緒に演奏して歌っている曲だから素晴らしいんだよ。みんなで一緒に演奏している音を聴くことができて、心を打たれたよ。Pro Toolsの中でドラムやギターを別々にレコーディングして、つなぎ合わせて作り上げた曲ではないんだ。実際にバンドが一緒に演奏しているから、聴いていて気持ちがいいんだ。クリック・トラックも使っていないし、みんなで直感的に演奏したんだ。Pro Toolsの中で少し作業をして、パーツを切り貼りしてミドル・エイトを作り上げることができた。この曲の制作中に、ちょっとしたミラクルが起きたんだ。ミドル・エイトのバージョンが2つあったんだけど、なぜか頭の中で、その二つをリンクさせたらいいんじゃないかというアイデアを思いついたんだ。メンバーが一緒に演奏している曲が完成したわけだが、あまり手をつけなくても完成した。バッキング・ボーカルとギターを少し加えただけで、殆どが1984年当時のままだ。ずっと失ったと思っていた曲が発見できたので、この曲が完成したときは興奮したよ。
Q:<Let Me In Your Heart Again>はあなたの作品ですね?
B:そう、この曲は当時私が書いたんだ。
Q:レディオ・ガガやブレイク・フリーと同時期に録音を?
B: そう、この曲は当時私が書いたんだ。確か同時期だったね。ここロサンジェルスでレコーディングしたんだ。 昔のレコード・プラントというスタジオでレコーディングしたんだ。
Q:なぜこの素晴らしい曲がお蔵入りに?
B:レコーディングしているときに上手くいかないときは、お蔵入りにするしかないんだ。どんなに作業してもしっくりこないし、限界だと思ったんだ。また後でその曲に戻って、作業を再開しようと思っていたんだけど、忙しくしているうちに再開できなくなってしまうんだ。
この曲のメッセージは何かって?失われた愛についての曲だよ。そして、その愛をまた見つけようとしていることについてなんだ。
Q:「生命の証(There Must Be More To Life Than This)」が生まれた経緯は?
B:“生命の証”は、フレディがクィーンの曲として作るために、持ち込んだ曲としてスタートしたんだ。バッキング・トラックでは、フレディがピアノ、私がギター、ロジャーがドラム、ジョンがベースを演奏しているから、昔ながらのメンバーだ。この曲も当時完成されなかった。悪くなかったんだけど、まだいくつか要素を追加しないといけないと完成できないと思っていたんだ。そのプロセスの最中に、フレディがマイケル・ジャクソンに会いに行ったんだ。二人は、「この曲を試してみよう」ということになったんだ。彼らは他にもいくつかの曲を試したみたいだよ。でもこの曲では、テープを回しながら、マイケルが曲を覚えていったんだ。だから音源を聞き返すと、曲が発展していく様子が分かって興味深かかった。二人が一緒に歌っている箇所もたくさん入っている。二人はディスカッションしてこの曲を作り上げたんだ。この曲のラフ・ミックスがカセットに入っていたので、この曲が存在していたことは知っていた。音質はとても悪かったけどね。でも、二人がレコーディングしたオリジナルのマルチ・トラック音源を発掘することができたんだ。マイケルとフレディのマルチ・トラック、そしてクィーンが演奏しているバッキング・トラックのマルチ・トラックがあったから、それを組み合わせて曲を完成させることができた。パイというのは、色々な方法で焼けるものなんだ(笑)。この曲を制作する上で、まだ誰も聴いたことがない方法で完成させられたんだけど、出来にはとても満足しているよ。この曲を旧友のウィリアム・オービットに渡して、彼が別のミックスを作ってくれたんだ。バンドのサウンドを踏襲してくれたから私も気に入っているんだけど、このミックスは関係者全員がOKを出してくれたから、今作に収録できることになった。
Q:なぜマイケル・ジャクソンがこの曲のボーカルを入れることになったのか?
B:二人は友達だったよ。マイケルとはよく顔を合わせていたんだ。彼は私たちのコンサートに何回か足を運んでくれたんだ。彼はクィーンの音楽が好きだったし、フレディのことが大好きで、私たちのコンサートのライト・ショーやプレゼンテーションが好きだったようだ。私たちもマイケルと仲良かったし、彼とフレディは一緒にツルむことがあった。とてもカジュアルな関係で、二人は一緒に飲んだり食事をしたりすることがあった。その流れで二人はスタジオに入って、何が起きるか試してみたようだ。
Q:クイーンとマイケルの関係はどうして生まれたのか?
B:マイケルとは結構仲良かったよ。彼と飛行場でバッタリ会うことが多かったね。同時期にツアーをしていると、たまたまルートが交差して、同じ飛行場のラウンジで時間を過ごすことになったりするんだ。マイケルが私の息子のジミーと遊んでくれたことを覚えてるよ。当時ジミーはまだ幼かった。マイケルは、一緒にいてとても楽しい人だったよ。
*後編は11/20掲載予定です!