最新ソロ・アルバム『アウトサイダー』の詳細を発表!さらに日本盤CD予約・先着購入者特典のデザイン決定!

2021.08.19 TOPICS

ロジャー・テイラーは、ここ最近、自身の人生と音楽を通じて、これまで辿ってきた、長く豊かで途方もない旅路を振り返る時間的な余裕が持てるようになった。新型コロナの感染拡大により、クイーン+アダム・ランバートの超大型ツアー<ラプソディ>のヨーロッパ公演が、2022年まで延期。それによって生じた長い休養期間をロジャーは有効に活用し、創作意欲に燃える彼は、ロックダウン期間の大半を新曲の曲作りとレコーディングに費やしてきた。そして間もなく完成したのが、8年ぶりとなるソロ・アルバム『アウトサイダー』(原題: Outsider)である。

作曲家、ヴォーカリスト、マルチ楽器奏者として、世界有数のスキルを備えたロジャーは、1年半にわたって強いられてきた隔離状態の中、持てる力を存分に発揮。遡ること1981年にリリースされた初ソロ・アルバム『ファン・イン・スペース』(原題: Fun in Space)以来、踏襲してきた流儀に倣い、今回の『アウトサイダー』でも、長年の友人達やコラボレイター勢の助けをほんの少し借りながら、全曲の作詞・作曲、プロデュース、歌唱、演奏を自ら行っている。 今回の『アウトサイダー』について、ロジャーは半世紀以上に及ぶ音楽活動を踏まえた上で、キャリア晩年に差し掛かり、円熟を増した姿勢表明のようなものであり、秋めいたほろ苦い雰囲気が全体に染み渡っていると語る。「“秋めいた”(=盛りを過ぎた、初老の)という形容は、このアルバムを上手く言い表しているよ。ややノスタルジックで、切なくて、かなり大人びている。ここ2、3枚の僕のソロ・アルバムと比べると、少し円熟味を増した感があるね」。

『アウトサイダー』には、黙想的で繊細なアレンジを施された、人間の儚さやこの世で過ごす束の間の時間を哲学的な目で見つめている楽曲が、豪華な幅広のタペストリーのように収められている。本作の冒頭を飾る「タイズ」(原題: Tides)は、2020年に英国で最初のロックダウンが実施された際、英南西端のコーンウォール地方で作曲したもの。宇宙時間や、母なる自然のリズム・セクションとして、変わることなく繰り返される潮の満ち引きという広大なキャンバスを背景に、死という運命をテーマとして取り上げた、哀調を帯びた美しい瞑想曲となっている。

「“タイズ“は丸ごと全て、ある一つの感情を元に生まれたんだ」と、説明するロジャー。「僕の家は海辺にあって、潮が満ちては引いていく。潮汐に従って時計を合わせることも出来るし、まるで友人のように頼ったりすることも出来る。この曲では、この世における僕らの束の間の生や、避けることの出来ない死という運命について描いているんだ」。

とは言え、『アウトサイダー』は、悲観的で気の滅入るようなアルバムではない。実際、本作では、厭世的なメランコリーと、楽観主義、思いやり、そして垣間見える明るい明日への展望をバランス良く配置。ロックダウンに触発されたもう一つの曲で、2020年にシングルとしてリリースされた内省的な「アイソレーション」(原題: Isolation)は、孤独と不安によって生じた心の傷も、平常の人間関係が復活すれば、すぐに癒えるだろうという、控えめな希望で締めくくられている。一方、エレガントな次のシングル候補で、ゲスト・ヴォーカルのKTタンストールが官能的なハーモニーをロジャーの歌に加えている「ウィアー・オール・ジャスト・トライング・トゥ・ゲット・バイ(We’re All Just Trying To Get By)」は、人間の最も基本的な衝動である“生存”を讃えている曲だ。

「この上ないほどシンプルな訴えだよ」と、ロジャーは説明する。「地球上のあらゆる生命体がやっていることなんだ。ひたすら生き延び、繁殖し、存在するということ。植物も動物も人間も、全てがやろうとしているのがそれなんだ、つまり生存しようとしているってことだね。そして言うまでもなく僕らは今、パンデミックの真っ只中にいる……。つまり、コロナウイルスも、とにかく生き延びようとしているだけだと言わざるを得ないわけさ!」。

映画のような高揚感のあるアルバム表題曲でさえ、疎外された弱者も立ち上がり、敗北の中から勝利をもぎ取ることが出来るのだということを思い出させてくれる。「“アウトサイダー”は、いじめや仲間外れにされることついて歌っているんだ。学校時代の出来事に遡っているんだけど、そういうのって誰もが人生のどこかで経験したことがあるよね。人は皆、どこかの時点でアウトサイダーとなり、仲間に入れないと感じたり、いじめられていると感じたりするものなんだ」。

『アウトサイダー』でのロジャーは、普段よりも和らいだ気分でいるかもしれない。だが、官能的な喜びに対する思い入れや、ハード・ロック快楽主義嗜好も、依然として今作には盛り込まれている。ブルージーな後悔の念に浸る「アイ・ノウ、アイ・ノウ、アイ・ノウ」(原題: I Know I Know I Know)は、酷い過ちを何度も犯し、自責の念に駆られている恋人の視点から、胸の内をハスキーな声で曝け出している告白の曲だ。「これは、人間にありがちな悪事を働いてしまったことに対するブルージーな謝罪の歌なんだ」と、ロジャーは語る。「自伝的な曲かって? 自伝的かどうかは、聴き手にそれぞれ判断してもらいたいな」。

一方、ハードなリフが際立つ扇情的なブルース・ロック「モア・キックス」(原題: More Kicks)の語り手は、自らのワイルドな若さと貪欲さを恥じることなく喧伝している。「これはブルージーだけど、謝罪ではないね」と、ロジャーは笑う。『アウトサイダー』中、最もラウドなこのナンバーでは、ロジャーがドラマーとしての本領を発揮。憑かれたようにドラム・キットを叩きまくり、スピード感を増しながらクレッシェンドへと突入していく。「もちろん、今も激しく叩きまくることは出来るよ」と、彼はにっこり笑う。「でも、近頃は、より繊細に叩くようにしているんだ。もしかしたら以前ほどパワフルではないかもしれないけれど、よりテクニカルだと思う」。

これまでも、ロジャーのアルバムは、政治的な発言を避けてきたことはない。

『アウトサイダー』でその伝統を引き継いでいるのは、軽やかで洗練された、一見キャッチーなプロテスト・ソング「ギャングスターズ・アー・ランニング・ディス・ワールド」(原題: Gangsters Are Running This World)と、パンチの効いたファンク・ロックの姉妹曲「ギャングスターズ - パープル」(原題: Gangsters - Purple)だ。痛烈なその歌詞では、ロシア大統領プーチンや、ベラルーシ大統領ルカシェンコ、ブラジル大統領ボルソナーロなど、世界中の権威主義的な指導者たちに真正面から批判の目を向けている。

「クイーンでは、僕らは常に、政治的なことからは距離を置こうと努めていたんだ」と、肯くロジャー。「だけど、一人の人間として自分を表現する自由がある場合は、自分の好きなことが言える。近頃では、あまりに数多くのギャングたちが国を動かしているからね」。

『アウトサイダー』で楽しくも極めて意外な隠し球は、1965年にシャーリー・エリスが歌って全米トップ10入りしたことで最も良く知られ、1982年にはベル・スターズがイギリスでリメイクしてヒットした「クラッピング・ソング」(原題: The Clapping Song)だ。明るく華やかでファンキーなこの曲は、ティーンだった頃のロジャーのポップス趣味を懐かしく思い出させてくれる。「シャーリー・エリスのオリジナルが大好きだったんだ。とにかく、すごく楽しくてシンプルな曲だよ。それには一種のスウィング感がある。僕は一昔前のドラム・キットを使って、そのスウィング感を再現しようとしたんだ。この曲をやるのは純粋に楽しかったよ。遊び場で子供に歌う童謡のような曲なんだ」。

また、『アウトサイダー』には、広範囲にわたるロジャーのソロ活動の中から、新たな切り口で捉え直し、作り直した曲も幾つか収録されている。心に響く、瑞々しいロマンチック・バラード「アブソリュート・エニシング」(原題: Absolutely Anything)の初出は、2015年に公開されたサイモン・ペグとケイト・ベッキンセイル主演のSFロマコメ映画『ミラクル・ニール!』(英題: Absolutely Anything)のサウンドトラックだ。同映画の監督・脚本を担当したのは、あのモンティ・パイソンの伝説的人物である故テリー・ジョーンズである。もう一つの既発曲「フォーリン・サンド」(原題: Foreign Sand)は、日本人ロッカー、YOSHIKIとの共作による団結のアンセムだ。オリジナルは1994年に全英トップ30入りしたヒット曲だが、今回の新たな「イングリッシュ・ミックス」(原題: English Mix)では、同曲を粗削りなアコースティック・バラードに落とし込み、光を放つ繊細なフィンガーピッキング・ギターのみでロジャーのザラつくヴォーカルを包んでいる。

「この曲の一番の核となる部分を、皆に聞いてもらいたいと思ったんだ」と、ロジャー。「原曲は、アレンジやオーケストレーションが少し過剰な気がした。ジョン・レノンがやったような、装飾を剥ぎ落とすやり方が好きなんだよ。飾り立て過ぎるのではなくね。そうすれば、曲が意図する核心を聞き取ってもらえるから」。

アルバム『アウトサイダー』は、その始まりと同じように、宇宙の雄大さと人間の有限な生について悲しげに考察する「ジャーニーズ・エンド」(原題: Journey’s End)で締めくくられる。 今から4年前、単発シングル及び短編映像作品としてリリースされたこの7分間の長尺曲は、ロジャー・テイラー史上最も野心的なアルバムとなった本作のフィナーレを飾るに相応しい没入型の大作で、憂いを帯びた感情の陰影と豪華なシンフォニック感に彩られている。

「この曲には、かなり風変わりな、やや宿命論的な雰囲気がある」と、ロジャーは語る。「要するに、死についての思いがテーマとなっているんだ。人間の生とは旅であり、その旅はいずれ終わりを迎えるという事実を受け入れるということ。音楽的にとても美しい、終局感のある曲なんだけれど、それはある意味、楽観的な終局感なんだよ」。

『アウトサイダー』の発売を華々しく飾るべく、ロジャーは自身のバンドを率いて、10月2日のニューカッスル・O2公演を皮切りとする14日間の全英ツアーに乗り出す予定だ。このツアーのセットリストには、新旧のソロ曲に加え、観客にとっては嬉しいクイーンの名曲が含まれている。ロックダウンの休眠状態からようやくイギリスが目覚めようとしている中、ロックに飢えた人々にとって、これは最高のニュースだ。

「皆に楽しんでもらいたいと思っているんだ」と、ロジャーは力説する。「この先あとどれだけ、僕がこれをやっていられるのかは分からないけれど、今はまだやれるからね。だから、その機会を存分に活かそうと思っているんだ。クイーンの曲も演奏するかって? もちろんだよ! 自分たちが愛される理由となった曲の多くを拒む人々には、僕は我慢がならないんだ。しっかりしろよ、自分が何者なのか認めようぜ!」。

ロジャー・テイラーは、『アウトサイダー』で秋めいた気分を味わっているかもしれないが、安らかな夜の眠りへと穏やかに向かっているわけではない。長く豊かで途方もないこの音楽の旅は、まだ終わっていないのだから。

ロジャー・テイラー - 『アウトサイダー』

トラックリスト:
1. タイズ Tides
2. アイ・ノウ、アイ・ノウ、アイ・ノウ I Know, I Know, I Know
3. モア・キックス More Kicks
4. アブソリュートリー・エニシング Absolutely Anything
5. ギャングスターズ・アー・ランニング・ディス・ワールド
Gangsters Are Running This World
6. ウィアー・オール・ジャスト・トライング・トゥ・ゲット・バイ featuring KTタンストール
We’re All Just Trying To Get By Featuring K T Tunstall
7. ギャングスター・アー・ランニング・ディス・ワールド - パープル・ヴァージョン
Gangsters Are Running This World - Purple Version
8. アイソレーション Isolation
9. クラッピング・ソング* The Clapping Song*
10. アウトサイダー Outsider
11. フォーリン・サンド - イングリッシュ・ミックス** Foreign Sand - English Mix**
12. ジャーニーズ・エンド Journey’s End
日本盤のみのボーナス・トラック
13. サレンダー Surrender
14. ロンドン・タウン – カモン・ダウン London Town – C’mon Down

下記を除き、全曲をロジャー・テイラーが作詞・作曲:
*クラッピング・ソング - ケイ・ワーナー、リンカーン・チェイス、スー・ワーナーが作詞・作曲
**フォーリン・サンド - ロジャー・テイラーとYOSHIKIが共作

アルバム・プロデュースは、ロジャー・テイラーとジョシュア・J・マクレー

クレジット:
プロジェクト・マネージメント - エマ・ドナヒュー
アートワーク・コンセプト - ロジャー・テイラー
アートワーク・デザイン - リチャード・グレイ
表ジャケット・イラスト - タイガーリリー・テイラー
写真撮影 - ローラ・レン・テイラー、サリーナ・テイラー
裏ジャケット絵画 - マーヴィン・ピーク(マーヴィン・ピーク氏の著作権者より許諾を得て使用)

フォーマット:
1LP/180g重量盤/黒盤レコード、1LP/180g重量盤/透明ブルー盤カラー・レコード、1CASS/透明ブルー・カラー・カセット、1CD、デジタル・ダウンロード及びストリーミング配信
>>『アウトサイダー』予約受付中

アルバム『アウトサイダー』のリリースに合わせ、ロジャー・テイラーは、クイーン以外では20年以上ぶりとなるライヴを実施。クイーン+アダム・ランバートのキーボード奏者スパイク・エドニー、サポート・ドラマーのタイラー・ウォーレン、ベーシストのチャーリー・ジョーンズ他から成る、このツアーのために特別に組んだバンドを率いて、10月に英国で14公演を行う予定だ。

ロジャー・テイラー『アウトサイダー』ツアー日程 2021年10月
主催:フィル・マッキンタイア・ライヴ
10月02日(土):ニューカッスル O2アカデミー
10月03日(日):マンチェスター アカデミー
10月05日(火):ヨーク バービカン
10月06日(水): カーディフ セント・デイヴィッド・ホール
10月08日(金):リヴァプール O2アカデミー
10月09日(土):ノリッジ、 イースト・アングリア大学(UEA)
10月11日(月):バース フォーラム
10月12日(火):ボーンマス O2アカデミー
10月14日(木):プリマス パヴィリオンズ
10月15日(金):ノッティンガム ロック・シティ
10月17日(日):ベクスヒル デラウォー・パヴィリオン
10月19日(火):ギルフォード Gライブヴィ
10月20日(水):コヴェントリー HMVエンパイア
10月22日(金):ロンドン O2シェパーズ・ブッシュ・エンパイア

チケットリンク: https://rogertaylor.lnk.to/outsider-tour

日本盤CD予約・先着購入者特典決定

ロジャー・テイラーの8年ぶりのソロ・アルバム『アウトサイダー』の日本盤CDは、SHM-CD仕様でのリリースとなり、さらに日本盤のみボーナス・トラック2曲が追加収録されます。この日本盤CDの予約・先着購入者特典が決定!! 今回のアルバムのリリースに合わせて、今年10月に英国内で14公演が予定されているロジャー・テイラーのUKソロ・ツアーの告知ポスターのレプリカと同デザインのA4クリアファイル、そしてamazon限定のメガジャケットが、それぞれ先着購入特典として決定しました。予約・先着購入者特典の詳細は、以下の通りです。

<先着購入者特典>

●全国共通特典:
ロジャー・テイラー’Outsider’ Tour 2021ポスターのレプリカ (B2ポスター)

●タワーレコード オリジナル特典:
ロジャー・テイラー’Outsider’ Tour 2021ポスターのデザインを使用したA4クリアファイル

●Amazon.co.jpオリジナル特典:メガジャケ

※予約・先着購入者特典は数に限りがあり、無くなり次第終了となります。 / 詳細はご購入先でご確認ください。
※特典対象外の店舗もございますので、特典の有無は店舗にてご確認ください。