ブライアン・メイ、リマスター・アルバム『バック・トゥ・ザ・ライト~光にむかって~』より「ドリヴン・バイ・ユー」を先行リリース。新たなMVも公開
8月6日(金)にリリースされるブライアン・メイのリマスター・アルバム『バック・トゥ・ザ・ライト~光にむかって~』より、「ドリヴン・バイ・ユー」が本日先行リリースされた。
「ドリヴン・バイ・ユー」
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ミュージック・ビデオ
*日本時間2021/06/26 0:00にプレミア公開
ブライアン・メイ初のソロ・ヒット曲と、それを作るきっかけとなった忘れられないテレビCMが生まれたのは、全く思いも寄らない所からであった。
「ドリヴン・バイ・ユー」は、紛れもなく、聴く者を鼓舞するロック界屈指の不朽のアンセムだ。そもそも自動車メーカーであるフォード社のテレビCMのために書かれたこの曲は、1992年にメイのアルバム『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』(原題: BACK TO THE LIGHT)からシングル・カットされ、全英シングル・チャートで6位、全米ビルボード・アルバム・ロック・チャートで9位を記録するなど、世界中で大ヒットを記録。だが、この忘れられない曲の原点は、同テレビCMに登場するイギリスの田園地帯の幹線道路からは遥か遠い海を隔てた所にあった。
名曲「ドリヴン・バイ・ユー」が生まれた背景について語ったメイは、思いも寄らないその出発点として、ロサンゼルスのプールのバスルームを挙げている。
「曲作りというのは、一種の謎なんだ。曲がどこから生まれて来るのか分からない。僕に分かっているのは、とあるCMプロデューサーと一緒にロサンゼルスのプールサイドに座っていたってことだけだね。彼はそこに座って日光浴をしていた。僕は僕で未来の妻と一緒にプールサイドで日光浴をしていて、そこでふとお喋りが始まったんだ。彼は『へえ、それじゃ君は曲を書くんだね?』と言った。僕は『うん、曲を書くよ』と答えた。すると、彼は『だったら、CMソングを書いてもらえるかな? 今までやったことある?』と、尋ねてきたんだ。そこで僕は、『いや、これまでやったことはないな』と言った。彼が『やってみたいかい?』と尋ねてきたから、僕は『ええ、とても面白そうだ』と答えたよ。そしたら彼が、“僕らのすることは全て君のため”というスローガンをどう思う?と聞いてきたんだ」。
「そして僕は、『いいね、共感できるよ』と答えた。それは僕自身、心の中で感じられた気持ちだからね。それからそこに修正が加えられた。車が題材の曲だったから、『僕らのすることは全て、君に駆り立てられて(=ドリヴン:ドライヴの過去分詞)いる』となって、僕はさらに気に入ったんだ。彼がそれを口にしてすぐ、僕は小さなテープ・レコーダーを持ってバスルームに行き、浮かんだ曲をテープ・レコーダーに吹き込んだんだよ。ヴァースの大部分とコーラスの一部を歌ったんだけど、僕の場合、よくあることなんだ。突然、光が差し込んで、頭の中に曲が流れてきて、“ドリヴン・バイ・ユー”全体が聞こえてきた。帰国して、すぐにスタジオに入り、彼らのために速攻で完成させたよ。そしたら、彼らがそれを気に入ってくれたというわけさ」。
今回、「ドリヴン・バイ・ユー」を再び取り上げたブライアンは、フレディ・マーキュリーの晩年、彼との間に特別な理解が生まれる上で、この曲が助けとなったこと、そしてクイーンのヴォーカリストであるフレディが、親愛なる友人であり、バンド・メンバーでもあるブライアンに、ソロ・キャリアで「自分の翼を見つける」よう励ましてくれたことも明かしている。
フレディについて、ブライアンは次のように語っている。「僕はこの曲をフレディに聴かせて、『フレディ、もしもこれがクイーンの曲になったら、まあ多分そうなるだろうけど、もちろん君が歌うべきだよ』と言ったんだ。彼はそれを聴いて、『君の歌はすごく良いじゃないか、ダーリン、これは君が歌うべきだよ』と言ってくれた。今にして思えば、僕が上手く歌ったと、本当に彼が思ったからなのか、それとも単に彼が何も歌うつもりになれなかったからなのか、僕には分からない。でも、彼は、『美しいし、素晴らしいし、このままで完成度が高いから、君がやるべきだ』と言ってね。そして、その時、彼はとても深いことを言ってくれたんだ。『僕らは皆、この先、僕の身に何が起きるのか、どうなってしまうのか考えているよね。君がそれを気まずく感じる必要はないんだよ。君は今、自分のソロ活動について考えるべきだし、もしこれがソロ活動の始まりとなるなら、それはとても価値のある始まりだ。君は君自身の翼を見つけなければ。そして、これは恐らくその始まりなんだよ』と。フレディはすごく将来のことを見据えていて、いつもながらとても寛大で、これをソロ曲としてやることを許可してくれた。そして、僕はそうしたんだ」。
「僕はこの曲の歌詞を、人間関係で受けた傷を癒すセラピーとして書き換え、『僕のすることは全て、君に駆り立てられている』という内容にした。それをシングルとして発表したところ、ヒットになったんだ。自分一人でも出来ることがあると感じられたのは、僕にとって大きな励みとなったよ。そこでの僕はクイーンを構成する一部ではなかったんだ。曲作りの核心として僕が信じているのは、正にそういったことだ。つまり、時に人は、自分がなぜ曲を書いているのか分からなくなることがある。どこからそれが生まれて来るのかも分からない。だけど、様々な角度から考えて、納得できる一つの解釈に繋がることがあるんだ。また、僕にとって、物事には常に人生が絡んでいる。常に人間関係が絡んでいる。僕の恋愛関係、あるいは周りの人との関係。人間同士の触れ合い、相互作用ということだね。それは僕にとって世界で最もエキサイティングなことであり、最も大切なことであり、人生において正しい方向に進むのが最も難しいことでもある。素晴らしいことを成し遂げられる人々は、世の中に大勢いるだろ。例えば、飛行機を飛ばしたり、月に行ったり。でも人間関係というのは……そう簡単なものじゃない。だからいつもそれがテーマとなるんだ」。
今回のリリースに合わせ、30周年を記念した熱いビデオも新たに制作されている。 そのビデオに収められている映像は、1991年にスペインのセビリアで開催されたコンサート〈ギター・レジェンド〉でクイーンのレジェンドことメイが同曲をライヴで初めて歌った模様と、1992年に行われた自身の南米ツアーで撮影されたものだ。
そのエネルギッシュな映像内でブライアンと共にこの曲を演奏しているのは、コージー・パウエル(ドラムス)、ニール・マーレイ(ベース)、スティーヴ・ヴァイ(リズム・ギター)を含む、豪華なオールスター・バンドである。それに加え、リック・ウェイクマンとマイク・モーランがキーボードに、マギー・ライダー、ミリアム・ストックリー、クリス・モーランがバッキング・ヴォーカルに参加している。