ピエール・ブーレーズ 第25回(2009年)京都賞に輝く
稲盛財団が1985年から4年に1度授けてきた京都賞音楽部門の2009年度受賞者にピエール・ブーレーズが決定した。ノーベル賞と同様の理念を持ったこ の傑出した賞は、哲学、芸術、科学、そして技術の各分野において著しい成果を挙げた者に授与される。賞は各分野をリードしてきた人物であり、また人類のた めに顕著な貢献をした者に贈られる。
稲盛財団はピエール・ブーレーズを”第二次大戦後の西洋音楽界”をリードしてきた人物で、作曲/指揮/著述/教師/講師/音楽協会の設立・運営と いった広範で革新的な活動を展開し、そのいずれにおいても刺激的な創造性に富んだ多大な影響力を発揮してきたと称えた。この稀有で名誉ある賞を受賞された マエストロ・ブーレーズにお祝いを申し上げます。
ピエール・ブーレーズは約40年近くドイツ・グラモフォンにレコーディングしている。この8月には「ブーレーズ・コンダクツ・バルトーク」という8枚組CDセット(輸:477 8125)が発売されることとなっている。彼がDGに録音したバルトーク作品がすべて収録される初めてのセットで、シカゴ交響楽団との共演が大部分を占める。 この長期に亘る野心的なプロジェクトにはバルトークの主なオーケストラ作品と、歌劇《青ひげ公の城》とカンタータ・プロファーナが収録されており、複数のグラミー賞、レコード・アカデミー賞(東京)、Cannes Classical、CD Compact (Barcelona), Polar Music (Stockholm), Berlin Art, Midem Classic, German Record Critics’ prizesといった数々の賞を受賞した作品を包括している。
ピエール・ブーレーズの最も直近の公演はベルリンとウィーンで複数回行われ、それぞれベルリン・フィルとウィーン・フィルとの共演であった。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とヴァイオリン奏者クリスティアン・テツラフとはシマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番 を演奏し、同公演を録音した。アルバムは2010年に交響曲第3番とのカップリングで発売予定である。
我々の時代の本物の伝説的な音楽家のひとりである彼は、その成長をいまだ止めない。
(Deutsche Grammophon.com発)