エディ・ヴェダーとブルース・スプリングスティーンとの対談映像『Eddie Vedder in Conversation with Bruce Springsteen』一部の日本語訳を掲載

2022.03.22 TOPICS

エディ・ヴェダーがブルース・スプリングスティーンと『アースリング』について対談した映像『Eddie Vedder in Conversation with Bruce Springsteen』の一部の日本語訳を掲載します。

Eddie Vedder in Conversation with Bruce Springsteen

 
0’19”-1’19”
BS:ブルース・スプリングスティーンです。一緒にいるのは友達のソウルマン、エディ・ヴェダー。彼が『アースリング』という素晴らしいレコードを出したので、ここで少しその話をしよう。エディ、『アースリング』がどこから来たのか、このプロジェクトの始まりについて教えてもらえる?
EV:『アースリング』がどこから来たかって、これ、科学的な質問?(笑) たぶん、このタイトルというか、思想としては、最近すごく…すごく分断が多いでしょう?この国では特に。
BS:うん
EV:それは世界中に常に存在してきたものではあるけれど、この国においては、もうピークに達したと思いたい。が、そううまくはいかないと思う。
BS:そうであってほしいがね(苦笑)
EV:俺が探していたのは、最も包括的なものって何だろう、ということで…

 
2’21”-3’13”
BS:エディ・ヴェダーのソロ・アルバムは、パール・ジャムで書く曲とどう分けている?
EV:実は、今回は計画してやったことじゃないんで…
BS:へええ
EV:グローバル・シチズンの関係でカリフォルニアに行って、それはワクチン接種を奨励するのと、製薬会社が他国にもそれを提供するよう促すなど、要はワクチン接種に賛成するチャリティ公演だった。それでカリフォルニアに行ったら、アンドリュー・ワットっていう若者と対面した。今までに何度も見かけてはいたんだけど、当時はただの若造って感じだったのが…
BS:ああ、このレコードのプロダクションは最高だ。サウンドが素晴らしい。

 
3’26”-3’56”
BS:このレコードでは共作を多くやったの?
EV:曲は全部、およそ一緒に書いている。実際のところ、ジャムっているうちにできたんだ。常に録音しておいて、後で聴き直して…ただ、簡潔にということは意識していた。そうしたら最後に、ソングとして完全な形になっていた。そして歌詞はその夜に書くとか、15分ぐらい時間があれば書くとか、横でドラムの調整をしている間にも曲を書いていたよ。今のコードは何?こうやったらどうかな、とか。

 
5’55”-6’49
BS:レコードに入れる曲はどうやって決める?
EV:最終的にはどの曲がベストか全員の一致をみないといけない。
BS:それで決まる?
EV:まあ、どの曲も肩を並べてくれないとね。チームを組むわけだから。
BS:確かに。投票するの?どうやって合意に至るんだい?
EV:もうひとつ俺たちが考えているのはたぶん、バランスのとれたレコードにするだけではなく、全員の主張を反映させたいということで。
BS:それはいいね。
EV:全員の色合い、全員のインプット、そうすることで全員が常に関わり合い、互いの存在に感謝し合う状況ができる。それぞれ曲作りの技量が長年の間に本当に上がったからね。こういうグループにいられるのは実にクールなことだ。それは、あなたもご存じだと思うけど。
BS:ああ

 
7’12”-8’05”
EV:誰かと音楽を書いたり、一緒に仕事をしたり、みんなでやることの醍醐味のひとつは…曲作りをしていて思い出すのは、子供の頃に道端で野球をやっていたあの感覚。消火栓がファーストベースで、あのボルボを超えたらファウルで、と。
BS:ああ
EV:全員がルールに納得して始めるんだけど、やっているうちにルールを変えることがあったよね。これじゃダメだな、わかった、じゃあ、郵便ポストをファーストにしよう…みたいな。そんなところがあると思うんだ、曲のアレンジって。やりながらルールを変えていくから、それをみんなで覚えておいて、そうか、そう決めたんだった、と。
BS:うん
EV:ルールは全部、自分たちで決められる(笑)それでうまく機能すればいい。そこはなかなかいいものだ。
BS:しかし、これがジャムセッションの産物だとは驚きだな。中にはすごく複雑な曲もあるじゃないか、「ミセス・ミルズ」とか…