ポール・マッカートニー、『ロックショウ』スペシャル・スクリーニング現地レポート
2013年5月15日に英・ロンドンで行われた関係者向けの試写 (“A Special Gala Screening of Rockshow”)に登場したポール・マッカートニー。現地のAko Suzukiさんにレポートを頂きました。1分半弱しか喋らなかったというサー・ポールの全発言です。
5月15日、ロンドンのBAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)のシネマで、ポール・マッカートニー&ウイングスのコンサート・フィルム『ロックショウ』のVIPプレミアが開かれた。世界ツアーの合間をぬって、マッカートニー本人も出席。上映に先立ち、ファンの間で伝説の映画と呼ばれるこの作品を自ら紹介した。
このような舞台挨拶で、しかもマッカートニーのような大物となると、司会者からの紹介があるのが常だが、気取ることのない彼はそんな仰々しいものは立てず、ところどころで会話を交わしながら客席を通り過ぎると、単独でステージに登場。拍手喝采で迎えられた後、こう話した。
「ハロー、ハロー、ハロー。ありがとう。友人や家族、そして、そのほかの人たち(笑)。この映画を紹介する僕の映像があるはずだったんだけど(笑)、それは明日出るから、今日は僕がライヴで紹介するよ」
「なにを話したらいいかな。これは、僕らウイングスが76年にアメリカで開いたコンサートのフィルムだ。僕にとってこの映画のいちばんいいところは…、僕らは長いこと、ウイングスに悪戦苦闘してた。評論家からぼろくそ言われてたよ。なぜなら、僕らはスーパースターのようなハイ・レベルでスタートするんじゃなく、ゼロから取り組もうって決めてたからね。だから、僕らは自分たちの技能をもう一度学び直さなくてはならなかった。1976年、このツアーでアメリカを訪れるころまでには、僕ら、かなりいいセン行ってるんじゃないかって思った。みんなもそれに同意してくれるといいんだけど」
「このこと、聞いたことあった? ないね(笑)。今日は友達に会えて嬉しいよ。ものすごく長い間、会っていなかった友達が来てくれている。ハンフリー(ウイングスとツアーをしていたハンフリー・オーシャン)のように定期的に会っている人たちもいるね。みんな、来てくれてありがとう。(映画を)楽しんで欲しい」
世界ツアーで忙しい中、わざわざ足を運び挨拶、鑑賞するとは、ウイングス絶頂期のライヴを収めたこの作品はファンだけでなく、マッカートニーにとっても思い入れがあるのだろう。
映画が終了すると、会場からはマッカートニーが登場したときと同じような盛大な拍手が鳴り響いた。
(文: Ako Suzuki)