商品紹介
だましてやろうと思ったら相手の方が一枚も二枚も上手(うわて)だったという現代にも通じるテーマを持った話である。テレビの“ナントカ鑑定団”という番組では古いモノに値段をつけて価値を鑑定するが、興味のない人にはなんの価値もないものでも、マニアには喉から手がでる程欲しいモノというのはあるもの。田舎の茶店に猫の餌用にと無造作に置いてある“高麗の梅鉢”と言うマニアが見たら、いても立ってもいられなくなる程欲しくなる高価な皿。それをなんとか安く手に入れてやろうとする“ハタ師”と称する骨董の仲買い人。猫をもらったら餌用の皿も一緒についてくるだろうと、三両もの大金をはたいて手にいれた猫。皿を貰おうとするとなんと茶店のお爺さんは・・・。決して“大ネタ”というわけではないが、オレオレ詐欺や振り込め詐欺等弱い者をだまして平気な現代の詐欺師達に聞かせてやりたい“不思議な味わい”の落語でもある。この話そのものは小話程度の短い話だが、志ん生はこの話のイントロ部分、つまり“マクラ”の部分で楽しい小話をいくつも聞かせてくれている。それも聞きもの。志ん生と言う人は数々の伝説の持ち主。そのひとつ。大の酒好きの志ん生は時々酔っぱらって高座にあがりそのまま寝てしまう事があったが、その時にお客さんは志ん生の寝ている姿を楽しそうに見ていたという。誰かが起こしそうになると“バカヤロー! 寝かせといてやれ!”と起こそうとした客が他の客に怒られたという。それだけ愛された落語家と言える。 (収録時間:29’20”)
曲目
1
猫の皿