商品紹介
留学地ハンブルクゆかりのブラームスとベートーヴェンで示す牧野(まきの) 縝(さおり)の新境地
牧野縝は、今年生誕100年を迎えた安川加寿子、そしてマックス・エッガー、北川正らの薫陶を受けた後に、西ドイツの国費留学生(DAAD)として国立ハンブルク音楽大学に留学し、コンラート・ハンゼン教授(エトヴィン・フィッシャー門下)からドイツ音楽の伝統を学び、12年間に及ぶドイツ滞在の後半には、パリでラベルやショパンの名手ペルルミュテールに師事している。このことは日本での恩師で共にパリで学んだ安川加寿子や北川正の影響も大きいと思われる。
このCDにはドイツ音楽の中心をなす3大Bのうちの2人、すなわちベートーヴェンと、留学地ハンブルクゆかりのブラームスの作品が選ばれているが、牧野の演奏はドイツ的とも言える確固たる構成感に加え、和声感に根ざした優美で内に秘めた心温まる音色は日本人には稀有のことであり、北川、安川、ペルルミュテールの影響が色濃く感じられる。
ドイツ滞在中、数多くのリサイタルや、オーケストラとの共演も行い、室内楽ではハンブルク・ピアノトリオの一員として活躍した。
教育面では、ドイツではピンネベルク音楽学校、マンハイム国立音楽大学で教鞭をとり、帰国後は東京藝術大学でピアノ科講師を務め、後には洗足学園大学教授、更に愛知県立芸術大学教授として後進の指導にあたった。
確固たる構成感と、感覚的で優しい音色、和声に対する行き届いた配慮の見事な融合!
これらの難物をこともなげに弾いて何事もなかったかのように退場する。そういう「大人のピアニスト」の再登場が嬉しい。-----ライナーノーツより 樋口隆一(音楽学者・指揮者)
内容
牧野 縝(マキノ サオリ)
4歳から笈田光吉氏の許でピアノ及び作曲の手ほどきを受ける。後北川正、金澤希伊子、マックス・エッガー各教授に指導を受ける。東京芸術大学附属音楽高等学校卒業後、東京芸術大学器楽科入学、ピアノ専攻、安川加壽子教授に師事。
卒業後に西ドイツ(当時)国費留学生試験(DAAD)に合格、ドイツ国立ハンブルク音楽大学に留学し、コンラート・ハンゼン教授のクラスで学ぶ。またその他、伴奏、室内楽などを修める。その後ドイツには合計12年間滞在し研鑽を積みながら、イタリア・セレーニョにおけるポッツォーリ国際ピアノコンクール、フランス・コルマールにおける国際室内楽コンクール等で入賞する。またヨーロッパ滞在の後半、パリのヴラド・ペルルミュテール教授のもとに通い、М.ラヴェルの作品などを中心に指導を受ける。ピアニストとしての演奏活動は日本国内はもとより、ドイツを中心としてヨーロッパで数多くのリサイタル、オーケストラとの共演を行う。また室内楽の演奏活動も多く、特にハンブルク・ピアノトリオの一員として各地で演奏を盛んに行う。
教育活動に関しては、ドイツではピンネベルク音楽学校、マンハイム国立音楽大学で教鞭をとり、帰国後は東京藝術大学でピアノ科講師を務め、後には洗足学園大学教授、更に愛知県立芸術大学教授として後進の指導にあたった。
曲目
[C D]
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 作品101
1
第1楽章: Allegretto ma non troppo
2
第2楽章: Vivace Alla Marcia
3
第3楽章: Adagio ma non troppo,con affetto -
4
第3楽章: Allegro
ブラームス:4つのピアノ小品 作品119
5
第1曲: 間奏曲 ロ短調
6
第2曲: 間奏曲 ホ短調
7
第3曲: 間奏曲 ハ長調
8
第4曲: ラプソディ 変ホ長調
ブラームス:
9
創作主題による変奏曲 ニ長調 作品21の1