商品紹介
鮮やかながら捉えどころのない不思議な世界
1972年、ロシア連邦タタールスタン共和国の首都カザンに生まれたアンナ・ゴウラリ。スクリャービンやショパンの演奏が一部の熱狂的なファンに知られていた人ですが、彼女の名前を一躍有名にしたのは、ヴェルナー・ヘルツォークが監督した映画「神に選ばれし無敵の男」でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏、その姿と堂々たる演奏で観衆をひきつけたことがきっかけでした。それ以降も、時折彼女の新しい録音がリリースされることがあり、その都度注目を浴びては、また沈潜するということを繰り返していましたが、ついにECMからのデビューということで、またファンが飛躍的に増えるのではないでしょうか。今作ではプロコフィエフとメトネルとショパンという、ある意味とても「ピアニスティック」な作品を準備した彼女。しかしその演奏は今回もとても個性的で、まずプロコフィエフの「束の間の幻影」から鮮やかで捉えどころのない世界へ聴き手を引込ます。メトネルの示唆的な「おとぎ話」でも単なるメルヘンではない独自のストーリーが展開されています。ショパンのソナタ第3番は、まるでベートーヴェンのソナタのような力強さを感じさせながらも、実に親密な空気感を醸し出しています。
曲目
1
プロコフィエフ:束の間の幻影Op.22(全曲)
2
メトネル:4つのおとぎ話Op.26~第3曲 ヘ短調
3
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58