桂米朝師追悼、CDボックス・2タイトル『米朝十八番(桂米朝六日間連続独演会)』『米朝十八番』の発売が決定
2015.05.26 TOPICS
今年3月19日になくなった桂米朝師を追悼するCDボックス・2タイトル『米朝十八番(桂米朝六日間連続独演会)』『米朝十八番』の発売が6月10日に決定。5月25日に大阪・中之島の「LOVE CENTRAL」にて、桂米團治師匠と演芸研究家・落語作家の小佐田定雄氏が出席して、株式会社米朝事務所主催による、<桂 米朝CDボックス2タイトル・リリース>の記者会見が開催された。
CDボックス2タイトルの内容は、各8枚組のCDボックスで、もともと昭和52年にLP9枚組として限定発売された、大阪のサンケイホール収録の『米朝十八番(六日間連続独演会)』と、昭和60年にLP10枚組として発売された、各地のホール落語を米朝師匠が自選した『米朝十八番』のそれぞれを初CD化したもの。
会見では、今回のCD化の監修者である小佐田定雄氏より、企画概要が説明された。最も脂の乗った時期と言われる50歳代の桂米朝師の貴重な音源が初めてCD化されるが、当時の米朝師は、体力、話術、それぞれが最高の状態で交わっていた時期であるという興味深い解説もあった。全盛期のこの素晴らしい内容のLPがまだCD化されていないことがもったいないという小佐田氏の提案があり、今回のCD化に至ったということだ。
その後発売元のユニバーサルミュージックの担当者より、今回図らずも亡くなってから初のリリースということで、あたかも追悼盤のようになったが、昨年よりずっと発売を計画していたことや、作品詳細の説明があった(詳細は添付資料にあり)。そのCD音源から、大ネタ、昭和59年の「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」の『芝居町』の一節が会場に流された。当時の勢いのある師匠の高座の模様が偲ばれる。
また、当時はLP10枚組20,000円という高額な商品だったが、今回のCD化に際しては、一人でも多くの方に聞いていただきたいということで、米朝師匠ゆかりの数字にちなんで8,888円(税抜)という、お求めやすい価格に設定したとのこと。
その後、米朝師の長男である桂米團治師匠より、当時の思い出、亡くなってから今に至る現在の心境などが語られた。
サンケイホールでの六日間公演は、昭和48年と昭和52年の二度開催されたが、ともにチケットは売り切れということで、それがいかにすごいことだったか、という話。(一度目は持病と闘いながらの高座だったそうで、今回CD化になった2度目の公演の方が、内容的にはより充実していたとのこと)また、こういった時期の作品がCD化されるということで、改めてゆっくりと米朝落語に向き合い、今後のためにも生かしていきたい、そして、多くの人に米朝師が再興した上方落語の神髄を伝えて残していきたい、といった話など、落語への熱い思いの詰まった会見となった。
最後に、毎年恒例、夏にサンケイホールブリーゼにて開催される「米朝一門会」の、今年の開催詳細が発表となった。8月16日、17日の二日間にわたり、今年は「桂米朝追善公演」として、直接米朝師の薫陶を受けた直弟子、内弟子のみの出演となるということで、みなさん普段以上に思いと力を入れて臨むのではないかと思われる。
未CD化の貴重なマスターピース・昭和50年代~60年の高座を収めたLPボックス2タイトルを初CD化!(全37席)
■三代目・桂 米朝師の脂の乗り切った時期に録音された、ふたつのLPボックス。 いずれも至宝の芸としてCD化が待たれていたが、ここにようやく実現する運びとなった。
■ひとつは、昭和52年(師51歳)の録音で、サンケイホールの25周年に企画された、 六日間連続公演の模様を完全収録した、マニア垂涎物、1,000箱限定のLP9枚組。タイトルはそのまま、『米朝十八番(桂米朝六日間連続独演会)』(全18席)。
■もうひとつは、昭和54年から60年にかけて(師53歳~59歳)の高座録音からまさに十八番の演目ばかり、18席(+付録1席)を師匠自ら選んだLP10枚組の『米朝十八番』。
■上方落語の文化遺産として、また若手噺家のお手本としても、とても貴重な作品となる。
■それぞれ9枚組、10枚組LPをCD8枚組に収録し、お求めやすい価格でご提供。
■CD化監修・解説:小佐田定雄(両作品とも)
CD8枚組 『米朝十八番(桂米朝六日間連続独演会)』(全18席) UPCY-7002/9
disc1 蛇含草/口入屋
disc2 京の茶漬/犬の目/足上がり
disc3 地獄八景亡者戯
disc4 道具屋/百年目
disc5 寄合酒/猫の忠信
disc6 看板の一/鹿政談/つぼ算
disc7 らくだ/次の御用日
disc8 鯉舟/一文笛/骨つり
(昭和52年7月12日~18日 サンケイホールにて収録)
ごあいさつ:桂 米朝
演目解説:吉田留三郎(演劇評論家)
CD8枚組 『米朝十八番』(全18席+付録1席) UPCY-7010/7
2015年6月10日発売
各税抜定価 8,888円(+税)
disc1
たちぎれ線香(昭和60年3月17日 尼崎・ピッコロシアター)
本能寺(昭和59年1月3日 大阪・サンケイホール)
disc2
天狗さばき(昭和59年1月3日 大阪・サンケイホール)
阿弥陀池(昭和56年10月20日 大阪朝日生命ホール)
算段の平兵衛(昭和56年8月26日 京都府立文化芸術会館)
disc3
百年目(昭和60年1月3日 大阪・サンケイホール)
仔猫(昭和59年10月18日 大阪朝日生命ホール)
disc4
骨つり(昭和55年8月25日 京都府立文化芸術会館)
稲荷俥(昭和54年1月25日 京都会館中ホール)
七度狐(昭和59年5月28日 和歌山県民文化会館小ホール)
disc5
地獄八景亡者戯(昭和59年7月18日 大阪・サンケイホール)
disc6
千両みかん(昭和59年5月28日 和歌山県民文化会館小ホール)
足上がり(昭和55年9月16日 大阪厚生年金会館中ホール)
鹿政談(昭和60年7月8日 京都南座)
disc7
口入屋(昭和56年1月13日 大阪・サンケイホール)
宿屋仇(昭和60年7月17日 大阪・サンケイホール)
disc8
親子茶屋(昭和60年8月27日 京都府立文化芸術会館)
はてなの茶碗(昭和55年8月26日 京都府立文化芸術会館)
(付)天狗さし(昭和60年1月11日 香川県民文化ホール)
寄稿「米朝さんについて」:木津川計
解説:桂 米朝