Biography
Ólafur Arnalds / オーラヴル・アルナルズ
1986年、レイキャヴィークから数キロはなれたモスフェットルスバイル郊外に生まれたアルナルズは、スタジオ録音・ライヴ双方を通じてジャンルを越えた活動を続けている。2007年にデビューアルバム『Eulogy for Evolution』をリリース後、国際的なファンを獲得し、クラシック、ポップ、アンビエント/エレクトロニカの影響を独自の音楽言語に昇華した、複数のジャンルにまたがる作曲家として知られている。
いくつかのハードコア/メタル・バンドのドラマーとして活動を始めたアルナルズは、ドイツのメタル・バンド、ヘヴン・シャル・バーンの依頼でアルバム『Antigone』のイントロとアウトロを器楽で作曲した。これがきっかけとなって、弦とピアノを中心にしたネオクラシカルな作品の作曲を開始し、ベルリンのレーベル、Erased Tapesから『Eulogy for Evolution』をリリースした。2008年にはシガー・ロスのツアーに同行している。
2009年には、1日に1曲ずつ1週間にわたって新作を作曲するプロジェクトを開始し、それをネット上で公開した。このプロジェクトは、のちに『Found Songs』というタイトルでEPリリースされた。2011年にも、同様のプロジェクトを収録したEP『Living Room Songs』をリリースしている。2009年には、探検家アーネスト・シャクルトンの1909年南極探検を題材にしたウェイン・マクレガー振付・出演のバレエ音楽『Dyad 1909』を手がけた。
2010年4月にはセカンドフルアルバム『…And They Have Escaped The Weight Of Darkness』をリリースし、中国を含む大規模なツアーを行なった。
2013年2月には、新たに契約したマーキューリー・クラシックスからサードアルバム『フォー・ナウ・アイ・アム・ウィンター』をインターナショナル・リリース。この新作ではフルオーケストラとヴォーカルを初めて起用し、アイスランドの歌手アルノール・ダンが4曲を歌っている。
近年は映画音楽にも挑み、自身初となるハリウッド映画『アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち』(2011)のスコアを作曲した。また、大ヒット映画『ハンガー・ゲーム』(2012)やオーディション番組『アメリカン・ダンス・アイドル』でも、アルナルズの曲が使用されている。2013年にはデヴィッド・テナント&オリヴィア・コールマン主演の刑事ドラマ『Broadchurch』や、バネッサ・ハジェンズ&ブレンダン・フレイザー主演の映画『Gimme Shelter』(2013)の音楽を担当している。
© Luke Slater, 2013
(訳・編:前島秀国)