NOBU、自身の“始まり”を告げた30歳のバースデー・ワンマンライブ
シンガーソングライターのNOBUが、ワンマンライブ【NOBU 1st.ONEMAN LIVE SHOW~ここが僕のスタートライン NOBU 30th Birthday LIVE~】を、2018年7月3日に東京・TSUTAYA O-westで開催した。
今年4月、“これから”に向かうためのベスト・アルバム『スタートライン』をリリースしたNOBU。自身30歳の誕生日でもあったこの日は、今作の収録曲を中心に、新曲も2曲披露するなど、正に“始まり”を告げる感動的なライブとなった。
幕開けを飾ったのは、2017年夏にリリースした再メジャーデビュー・シングルであり、第50回日本有線大賞「新人賞」、第59回日本レコード大賞「新人賞」を受賞するきっかけとなった名曲「いま、太陽に向かって咲く花」のリミックス・バージョン。
DJをバックに拳を上げて力強く歌い上げると、アコースティック・ギターを手に「今日もハレ feat.HAN-KUN」を続け、ここで「やってまいりました、渋谷ワンマンライブでーす!」と挨拶。軽快なダンスチューン「Don’t Stop The Party -DJ CHIN-NEN Remix-」で会場をヒートアップさせると、音楽人生の全てを凝縮したというベスト・アルバムの楽曲群を惜しみなく披露していく。
ユーモア溢れる一幕となったのは、自身の出身地・宮崎県小林市のPRソングとして、同市の高校生たちと制作した「田舎女子高生」である。NOBUの「最高のゲストを紹介しよう!」という呼び声でやって来たのは、エンターテインメント集団、Team Black Starzのメンバー3人。体操着姿で繰り広げられる楽しいパフォーマンス、その中で本格的なブレイクダンスも飛び出すと、会場からは盛大な拍手が。
次の「Let’s Get It Started」でも4人のダンサーが登場したが、ここではNOBUもキレのあるHIP HOPダンスを披露。さらに、ステージ上のドラムセットでダイナミックなドラムソロまで展開し、その多才さに感嘆した会場からは再び大きな歓声が上がった。
その後、NOBUは苦難もあった自らの音楽遍歴を振り返り、まだタイトルも決まってない新曲を演奏する。父と母がいたから自分が生まれた。父と母が育ててくれたからいまの自分がある。そんな深い感謝の気持ちと、自身が受け取った人生の教えを歌で伝えると、この流れを汲んで「そんな両親に育ててもらったからこそ、この曲ができました」と、冒頭にリミックス・バージョンとして歌い上げた名曲「いま、太陽に向かって咲く花」を。続いて、10年ほど前の制作楽曲で、昨年気持ちを新たにベスト・アルバムのタイトル曲とした「スタートライン」。全員の気持ちがひとつになり、感涙する人たちの姿もあった瞬間である。
次にさらなるビッグゲストとして、15年の付き合いになるというRYO from ORANGE RANGEが呼び込まれる。歓喜の声が上がる中で二人は抱き合い、それぞれへの熱い思いを語ると、2015年に発表されたRYOの「DRIVE feat. N.O.B.U!!!」をパフォーマンス。NOBUの高音が伸びやかな声と、RYOの低音が心地よい声。たまに目を合わせ肩を寄せ合う二人のハーモニーに会場は酔いしれ、大変な盛り上がりをみせていた。
そして、「最後の曲でーす!」と流れ始めたのは「ナガレボシ」。ミラーボールがきらめく星々を作り出す中、楽しそうに手を振る人たち。このハッピーでピースフルな光景こそ、NOBUの目指すところなのだろう。その真摯な気持ちは会場中に届いたようだ。本編終了後には全員が声をそろえて「いま、太陽に向かって咲く花」を歌い、これによりNOBUは再登場。宮崎県の銘菓「チーズ饅頭」をばらまいてから、「最近、すごく大切な仲間ができたんです」と、会場に訪れていた一人の友人を紹介した。
その友人とは、難病ALSを患いながらも前を向いて生きるマサくん。彼への想いを込めて、ALSの支援のため、Soweluと共に書き下ろした「Don’t Worry Be Happy」という新曲がある。この日はそのSoweluもゲスト出演。二人は希望を忘れないで生きることの大切さ、美しさを、温かなメロディに乗せて伝えてみせた。その後、NOBUは自身の原点だという「THE ONLY ONE ~桜梅桃李~」で、記念すべきワンマンライブを締めくくったのである。
こうして大きな感激と勇気を与えたNOBUだが、最後に待っていたのは、ゲストアーティスト全員からのサプライズ。バースデーケーキが運ばれてくると、NOBUは驚きと喜びの混じった表情を浮かべ、「自分がステージに立ったときは一番盛り上げる!」と、まさかの顔面ケーキを実施した。こんなサービス精神もあるからこそ、多くの人を笑顔にすることができるのだろう。目標とする武道館ライブや、『NHK紅白歌合戦』への出場へ向け、NOBUはこれからも感謝を伝えながら、さらなる光を見せてくれるに違いない。