イスラエル出身のピアニスト、ニタイ・ハーシュコヴィッツがECMからソロ・デビュー!
イスラエル出身のピアニスト、ニタイ・ハーシュコヴィッツが2024年に設立55年を迎えるECMからソロ・ピアノ・アルバムをリリースする。
アルバム『Call on the old wise』では、パワフルでピアニスティックな創意工夫を、主に即興のソロ・セッティングで表現。
ニタイの即興演奏は、まるでリアルタイムで創作される楽曲のように展開する。
「一度にいくつかの時代の音楽と演奏しているようなもので、AR(拡張現実)のような環境です。」
「私にとってこのアルバムは、瞬きする間に様々な体験ができる旅のようなものです。違う絵を持つフレームを飛び越えたり、違う世界の窓を覗いたりするようにね。」
ニタイはこれまで、サックス奏者オデッド・ツールのカルテットのメンバーとして、『Isabela』『Here Be Dragons』のECM2作品に参加しているが、本作はECMからの初リーダー・アルバムとなる。
『コール・オン・ジ・オールド・ワイズ』
Call on the old wise
輸入盤+デジタル:11月10日/日本盤:2024年1月10日リリース
品番:UCCE-1203
このアルバムは、ニタイがエルサレムで師事したピアノの恩師スーザン・コーエンに捧げられている。「The Old Wise」「Of Mentorship」「For Suzan」の3曲は、直接スーザンに言及したものだ。
ニタイは、ジャズの文脈での活動や最先端の現代音楽の探求からクラシック音楽のバックグラウンドに至るまで、幅広い影響を受けている。このイディオムの完璧なバランスは、即興演奏家・シェイプ・デザイナーとして独自の声を作り上げることによって探求された、豊富な色彩と音色を生み出している。
即興演奏に対するアプローチでは、形とテクスチャーが素材開発の方向性を決めるという。
「特定のキーや拍子に縛られるのではなく、リアルタイムで絶えず物事を再評価し、何度も新しい視点から見る自由を残しておきたい。できるだけ先入観を持たずにセッションに臨んだのもそのためです。」
このような自発的な創作意識に照らすと、アルバムに収録されているミニチュアのようなデザインの多くが、いかに完全な形で展開されているかが印象的だ。チック・コリアやロシアの作曲家ラフマニノフ、スクリャービンなど、一見バラバラに見えるインスピレーションが彼を導いたと述べている。
2022年にルガーノのAuditorio Stelio Moloで録音された音響特性は、プロデューサーのマンフレート・アイヒャーとのやり取りと同様、ニタイの音楽的展開の布石にもなっている。
「スタジオではほとんど言葉を交わさない。マンフレートと一緒にいると、まるで部屋にもう一人のミュージシャンがいるようで、その瞬間に音楽を反映し、反応し、再構築するんです。」
本作は、ニタイ・ハーシュコヴィッツのユニークな創意工夫の証であると同時に、2024年に設立55周年を迎えるECMの名高いピアノ・ソロ録音のラインナップに欠かせない追加作品となる。