Biography
=NEWSTED=
(L→R) Mike Mushok /マイク・ムショック【G】 // Jason Newsted /ジェイソン・ニューステッド【Vo.B】//Jessie Farnsworth / ジェシー・ファーンスォース【G】 //Jesus Mendez.JR / ジーザス・メンデス・ジュニア【Ds】
ヘヴィネスを追求することは、30年以上もの間、Jason Newstedを燃え立たせてきた。メタリカを始め、フロットサム・アンド・ジェットサム、ヴォイヴォド、 オジー・オズボーンのツアー・バンドにとって、それから無数のファンと批評家のお気に入りとして欠かせない人物である彼は、メタル界で最も怖れ知らずの冒険家の一人である。 今、ロックの殿堂入りを果たし、6つのグラミー賞を勝ち取った経歴の持ち主が、新しい領域を海図に描いている―初めて、彼自身のバンド、爆発的に強力な4人組ニューステッドのフロントマンとなって。 EP『Metal』(iTunesのメタル・チャートで一位を獲得している)で得られる期待に見合う、いやそれ以上のニューステッドのフルレングス・デビュー・アルバム『Heavy Metal Music』は、EPと同様、てらいはなく、破壊的なリフが満載になっている。サバス信奉者に立ち返ることを誇示するような「Ampossible」や、異常な速さで疾走する「Long Time Dead」や、全速前進突撃のブレイクアウト・シングル「Above All」等、11曲の超大作(8月頭に発売予定)で、この4人は、メタル界で最もハングリーなバンドの一つとしての地位を固めることであろう。 ステインドのギタリストであるMike Mushokが、メガデスの素晴らしいGigantourで、すでに驚異的であった布陣(ギタリストのJessie FarnsworthとドラマーのJesus Mendes Jr.)に加わった。ニューステッドは彼らのメタル気質を、夏の間中ツアーで披露して回る予定だ。 「ステインドにそういう資質が存在しているなんて全く知らなかったんだが、(マイクは)シュレッダーなんだ」 Jasonは『リヴォルヴァー』誌の最新のインタビューで、こう語った。 「彼がこのバンドに加える次元はどんなものかというと……ヘヴィなものをよりヘヴィにしてくれるんだ。俺はベーシストがギターを弾いているっていう立場から作曲をしているんだが、そこに彼が入ると、様々な色彩を加えてくれるんだ」 実のところ、『Heavy Metal Music』はJasonの長時間に及ぶ学習と、ロック界の偉人達(Warren Haynes、Zakk Wylde、James Hetfield、Andreas Kisser)とのパフォーマンス、そして今なお彼のオールドスクールな感性を見失わずにいることによる産物である。 「スーパースターを一堂に集めることもできたが、それではこれと同じ“信用”を得られないだろう」 彼は強調する。 「この男達は、俺をサポートしてくれる。俺達はジャムの前にもつるむし、ジャムの後もつるんでる。夕飯を一緒に食べたり、一緒に飲んだりしてる。俺達は兄弟みたいに波長が合うんだ」 とはいえ、今日の高揚は、長年の苦労の産物である。2004年の12月、Jasonは初めての深刻な肩の手術を受けた。その後何度も処置が続くことになり、彼は3年半も片腕でもう片方の腕を過度に補償しなければならなかった。休みの間、常日頃から芸術面で貪欲な彼は絵画をたしなむようになり、「自分に与えられたもので作った、かなり濃厚なレモネード」と彼が笑って説明する作品を描いて、なかなかの成功を収めた。 しかし、またヘヴィにやりたいという“うずき”は、2011年の末にサンフランシスコで開催されたメタリカの30周年記念のショウまでは起こらなかった。ドラマーのLars Ulrich が、 Rob Halford、 Geezer Butler、 Mercyful Fateといったアイドル達の参加を人参として吊るし、Jasonを誘ったのだ。 「俺は大観衆の前に立ってきた。だが、あんな甘味を、少なくとも10年間は味わっていなかったんだ」 Jasonは認める。 「3日目の夜、俺は悟ったんだ。「俺はこれに戻らなきゃ駄目だ。自分の気持ちを無視できない。できるわけないだろ?」 「これまで、俺は3つの夢を生きられた」 彼は感慨を込めて言う。 「メタリカ、オジー、そしてヴォイヴォド……これらはどれも、俺の夢だった。今、俺は50歳で、4つ目の夢に取り組んでる。最高の気分だし、有り難いと思ってる。そして、俺はまだ半分しか進んでいないんだ」