BIOGRAPHY
Mstislav Rostropovich ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ (チェリスト/指揮者)
世界で最も偉大なチェリストであるロストロポーヴィチは、1927年旧ソ連のアゼルバイジャン共和国の首都バクーに生まれ、ピアニストの母、チェリストの父から音楽の手ほどきを受け、16歳でモスクワ音楽院に入学。チェロを学ぶほか、音楽史に登場するロシアの有名な作曲家ショスタコーヴィチ、プロコフィエフに作曲を学ぶ。在学中にプラハなどのコンクールで優勝し注目を浴びる。56年以降、国外でも精力的に演奏活動を盛んに行い、ソ連邦人民芸術家の称号を始め、数々の賞を受賞する。しかし74年、“反体制派”とされた作曲家ショスタコーヴィチ、ノーベル賞作家ソルジェニーツィン、物理学者サハロフらを擁護したことで政府と対立し、祖国を離れる。75年からワシントンに定住し、ワシントン・ナショナル響の音楽監督にも就任、78年には故国の市民権を剥奪された。その後体制が崩壊したことで、90年には、16年ぶりに祖国の土地を踏むことができ、名誉の回復となった。2007年 3月ロシア政府より勲1等祖国功労章を授与。4月27日、モスクワにて死去。享年80歳。
指揮者としても、ワシントン・ナショナル響を始めとして、ロンドン響、ニューヨーク・フィル、ウィーン・フィルなど、世界有数のオーケストラと共演している。