怒れる黒人作家、ボールドウィン生誕100年に捧げる新作をリリース!
ブルーノート・デビュー作『The Omnichord Real Book』(2023) がグラミー賞を受賞、2月の来日公演もソールドアウトと大きな話題を呼んだミシェル・ンデゲオチェロの新作『No More Water : The Gospel Of James Baldwin』から、2曲の先行SGが配信されてている。
ブルーノート2作目となる新作は、今年生誕100年を迎える、作家で公民権運動家のジェイムズ・ボールドウィンにインスピレーションを受けた作品。人種差別や同性愛などの社会的・心理的圧力をテーマとし、社会の分断を愛で繋ごうと試みたボールドウィンに捧げるアルバムとなっている。ジャンルを超越した彼女ならではの世界を描き出し、教会での祝祭から他者との会話、社会的なメッセージを内包。「On The Mountain」「Another Country」などボールドウィンの著作を想起させるタイトルの楽曲も収録されている。
アルバムの制作は、2016年にニューヨークで行われたボールドウィンのトリビュート・イベントから始まったという。ボールドウィンの著作『次は火だ』(原題:The Fire Next Time) に深い感銘を受けたミシェルは、アメリカの人種・階級闘争の困難な歴史について、そしてこれがミシェルや自身の家族に及ぼした影響について、深く理解することが出来たという。
「私にとっては啓示のようなもので、色々な意味で心が和らぎました。特に最初の章では、まるで私の家族のことが書かれているようでした。『私は、軟弱だと思われたくない黒人男性に囲まれて育ちました』というのは、彼が『甥への手紙』(A Letter to My Nephew) の中で記しているものです」
アルバム・タイトルの『No More Water』は、ボールドウィンの著作や黒人霊歌「Mary Don’t You Weep」、旧約聖書の「ノアの箱舟」などで登場するフレーズであり、それらからの引用となっている。
プロデュースはミシェルとギタリストのクリス・ブルース。参加ミュージシャンには、ジュリアス・ロドリゲスやジョシュ・ジョンソン、エイブ・ラウンズ、ジャスティン・ヒックスなど気鋭の若手が名を連ねている。さらに、ロバート・グラスパーやタナ・アレクサの作品にもフィーチャーされているジャマイカの詩人ステイシーアン・チン、ピューリッツァー賞も受賞した作家のヒルトン・アルスがリーディングで参加。アルスはアルバムのライナーノーツも執筆している。
アルバムは、ボールドウィンが生誕100年を迎える8月2日にリリースされる。
『No More Water : The Gospel Of James Baldwin』
ノー・モア・ウォーター:ゴスペル・オブ・ジェイムズ・ボールドウィン
2024年8月2日リリース
UCCQ-1205 SHM-CD ¥2,860(tax in)
≫ LISTEN / BUY
01. トラヴェル / Travel
02. オン・ザ・マウンテン / On The Mountain
03. ボールドウィン・マニフェスト 1 / Baldwin Manifesto 1
04. レイズ・ザ・ルーフ / Raise The Roof
05. ザ・プライス・オブ・ザ・チケット / The Price Of The Ticket
06. ホワット・ディド・アイ・ドゥ / What Did I Do?
07. プライド I / Pride I
08. プライド II / Pride II
09. アイズ / Eyes
10. トラブル / Trouble
11. ザス・セイエス・ザ・ロード / Thus Sayeth The Lord
12. ラヴ / Love
13. ヘイトレッド / Hatred
14. ツナミ・ライジング / Tsunami Rising
15. アナザー・カントリー / Another Country
16. ボールドウィン・マニフェスト 2 / Baldwin Manifesto 2
17. ダウン・アット・ザ・クロス / Down At The Cross