BIOGRAPHY
MELISSA ETHERIDGE / メリッサ・エスリッジ
1961年5月29日、カンザス州リーベンワース生まれ。8歳でギターを始め、11歳では既に曲作りを、そして様々なカヴァーバンドに参加し13歳の時には人前で演奏していたという彼女はほぼ独学で音楽を学んでいた。18歳の頃、名門バークレー音楽院に在籍、その間にもボストンやマサチューセッツ州界隈でクラブ・サーキットを行い、プロとして音楽の世界で生きていこうと決心、LAへ移り住む。そこでもクラブに出演していたのだが、そのパフォーマンスを見込まれて86年、Island Recordsと契約。
映画『Weeds』用の曲を書くなどデビューに向けて準備をしていた87年、夏に行われたIsland25周年記念イヴェントにまだデビュー前にもかかわらず参加、前評判だけで盛り上がりを見せることになる。そして翌88年の春、デビュー・アルバム『メリッサ・エスリッジ』を発表、新人ながらグラミー賞の”最優秀女性ロック・パフォーマンス”部門にノミネートされ大きな話題を呼ぶ。89年にはセカンド・アルバム『ブレイヴ・アンド・クレイジー』を発表、そのきっぷのいいロックは幅広く受け入れられ人気は加速。92年に発表された『ネヴァー・イナフ』に収録された「エイント・イット・ヘヴィ」が大ヒットを記録、翌年のグラミーでは”最優秀女性ロック・ヴォーカリスト”部門で初の受賞を遂げる。
この勢いをそのまま受けたかのようなアルバム『イエス・アイ・アム』を93年に発表。全米アルバム・チャートに約100週間連続でチャートインという記録を打ち立て、「アイム・ジ・オンリー・ワン」「イフ・アイ・ウォンテッド・トゥ」「カム・トゥ・マイ・ウィンドウ」といった立て続けのシングル・ヒットもあり600万枚ものセールスを記録。メリッサはこのアルバムで2度目のグラミー(最優秀女性ロック・ヴォーカリスト部門)を受賞した。
95年、『ユア・リトル・シークレット』を発表。それまでもツアーを多くこなしてきた彼女はこのアルバムをフォローする意味でイーグルスの再結成ツアーにも同行、ファン層を広げることになる。96年にはASCAP主催のソングライター・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、名実ともにビッグ・ネームとなるがその後インターバルをおき99年に『ブレイクダウン』を発表。さらに、2001年『スキン』、2004年『Lucky』と、オリジナル・アルバムをリリースしている。
92年に自分が同性愛者であることをカミングアウトしたり、体外受精(父親はあのデイヴィッド・クロスビー)で子供を授かるなど私生活でも話題を集めてきたが、2004年、乳ガン発病を告白。克服後、その闘病経験をもとに早期ガン発見のための啓蒙活動など、チャリティや社会活動にも以前よりいっそう積極的に携わっている。
昨年は、2月のグラミー授賞式でジョス・ストーンとの共演でジャニス・ジョップリンの「Piece Of My
Heart」をカヴァーし、力強いパフォーマンスで完全復活を印象付け、10月には新曲を含む『Greatest Hits - The
Road Less
Traveled』をアメリカでリリース。Time誌が選ぶ”世界でもっとも影響力のある100人”の1人に選ばれるなど、今や音楽だけでなく社会面での功績も高く評価されている。