訃報:菊地雅章氏

2015.07.08 TOPICS

日本を代表するジャズ・ピアニスト、菊地雅章氏が逝去されました。75歳でした。
海外ECMレーベルよりアナウンスが出されましたので、その訳を掲載させて頂きますとともに、謹んで哀悼の意を表します。

独自の音楽性を貫いたミュージシャンの一人である、ピアニストの菊地雅章氏がニューヨークでお亡くなりになりました。享年75歳。
東京で生まれた菊地氏はプーさん(POOさん)の愛称で世界中のミュージシャンから親しまれ、10代の頃からライオネル・ハンプトンやソニー・ロリンズらと共演、1960年代初頭に秋吉敏子やチャーリー・マリアーノと共に録音したアルバムでデビューを果たしました。1970年代に入り、ギル・エヴァンスやエルヴィン・ジョーンズらとコラボレートし、自身のグループのリーダーとしても活躍。マイルス・デイヴィスやデューク・エリントン、セロニアス・モンクからストックハウゼン、リゲティ、武満徹まで幅広い音楽の影響を受けました。
ECMからリリースしたスタジオ作品は2012年に発表した『サンライズ』1枚のみですが、彼の凛冽な個性とあらゆるトレンドから一定の距離を取る姿勢が、ゲイリー・ピーコック、ポール・モチアン、トーマス・モーガンなどECM所属のアーティストたちから称賛され、大きな影響を与えています。

晩年、菊地氏は、それまで以上に、より心に直接響く音楽を演奏。
「流れるようなサウンドとハーモニー」を追求し、プライヴェートな録音を多数残しています。70歳の時に、「私は今以前よりも自由になった」と公言。「それは自分を信じるようになったから。ピアノの前に座るとき、何を演奏するかなど考えないし、どのように弾くかとかも考えない。新しい何かを表現する方法を見つけ、それは自分にしかできないと言っていいと思うんだ」と語っています。