ライターふくりゅうによるオフィシャルインタビュー公開!
新時代の歌姫majiko、“光と闇”のコントラストによって表現する驚異の音世界
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
驚異の歌声を誇るシンガー・ソングライター、majiko。2019年第1弾となる作品は『COLOR』とタイトルされ、色彩を感じる音世界をジャンルを超えて堪能できる1枚となった。ロックスター性を感じる圧巻のリード曲「狂おしいほど僕には美しい」や、吐き出すような痛みを持ちながらもポジティヴなビートを奏でる自作曲「ミミズ」における、狂おしく歌い上げていくオルタナティヴ再構築とでもいうべき高揚感ある展開に圧倒される。情報過多で混沌とする2019年を塗り替えていく、新時代の幕を開ける血の通ったロックセンスに心を奪われたのだ。
今回、楽曲制作やコラボレーションとして、気鋭のシンガー・ソングライター / ギタリストであるMichael Kaneko、ヒップホップユニットGAGLEが参加していることにも着目したい。シーンの動向を占うチェンジメーカーである彼女が、新しい血を取り入れたことで鳥肌モノの化学反応が生まれたのだ。色濃い“光と闇”のコントラストを、セカイを憂う祈りのごとく、究極の色彩感覚で“ウタ”として表現するmajikoに注目したい。
「昨年(2018年)は、短いようで長かったような……。いろんな種を蒔けていたらいいなという年でした。今年は、もっともっとやりたいことを提示していきたいですね。今回のEP『COLOR』は、そのはじまりのような作品なんです。『狂おしいほど僕には美しい』もですが、自分らしさを具体的にあらわせたと思っています。もっともっと成長していきたいですね。」
――ドラマティックでシアトリカルなテイストを持つリード曲「狂おしいほど僕には美しい」のミュージックビデオは、昨年末に中国で撮影されたという。
「急遽、中国に飛んだのは監督のアイディアでした。朝から晩まで撮影で、人がまだ住んでいるという路地裏の匂いの強い廃墟へ行ったり、美術館へ行ったりしました。中国へ行ったのは3回目かな。映像、ぜひ観ていただきたいですね。」
――majiko楽曲の魅力、それは歌い回しのフロウの凄みだ。本作では2曲目「ミミズ」での、“不安定な僕は足元おぼつかない”という中毒性高いフレーズが心に突き刺さった。ヴォーカリゼーションの妙だ。
「曲作りは、メロディーが先に出て、それに当てはまるように歌詞を入れていきます。おっしゃっていただいた“不安定な僕は足元おぼつかない”は、パッと出た言葉でキャッチーさというか“耳に残るにはどういうメロディーがいいんだろう?”って作りました。“自分の中のキャッチーさとは?”を追い求めて。タイトルは夏の曲にしたかったので、去年の夏にみた“干からびたミミズ”を見て名付けました。ライブで初披露した時“次の曲は『ミミズ』です”って言ったら苦笑されましたが、この感覚で間違っていなかったと思っています。」
――ボーカロイド文化とロックシーンとの壁が崩れつつある2019年。majikoが歌う多様性あるロックナンバーは、シーンの壁をパワフルに乗り越えていく。米津玄師のブレイク以降、日本の音楽シーンに地殻変動が起きている状況を如何に思っているのだろうか?
「悪くない状況だと思いたくて。自分のやりたいことを、狭いところから深く切り開いていきたいし。“歌ってみた”から出てきたからって、なんていうか偏見とか無くなっていけばいいなって思っています。へへ(苦笑)。2019年は、いろいろなことを考えていて、ふつふつとしながら作っているところですね。」