BIOGRAPHY
1955年11月23日、トリノの名門に生まれた。
祖父ルイージは、イタリア共和国第2代大統領を務めた経済学者で、父ジュリオは老舗出版社「ジュリオ・エイナウディ・エディトーレ」(現在はベルルスコーニ一族が率いる大手出版社モンダドーリ傘下)創立者。
ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院でアツィオ・コルギに作曲を師事。1982年に卒業後、同音楽院大学院生として20世紀現代音楽を代表する作曲家のひとり、ルチアーノ・ベリオに師事した。
そのままいけばクラシックの作曲家として大成するところだが、エイナウディはそうした道を進まなかった。1960年代に多感な少年時代を過ごした彼は、当然のことながらビートルズの洗礼を受け、かなり早い時期からギターを弾き始めていた。最初に買ったアルバムがビートルズの『リボルバー』だったというのは、非常に象徴的だ。『リボルバー』には弦楽八重奏をバックに用いた《エリナー・リグビー》、シタールやタブラといったインドの民俗楽器を使った《ラブ・ユー・トゥ》があり、要するに「ロック」の一言では収まりきらないアルバム。そうした特徴は、後年のエイナウディにもそのまま受け継がれていく。
クラシックをベースにあらゆるジャンルを取り入れ、映像的で美しいミニマルミュージックを作り上げるエイナウディは若者を中心にヨーロッパで大反響。数々のCM音楽やサウンドトラックを手掛け、これまでにリリースした楽曲は累計390億再生超を記録。ストリーミングで最も聴かれているクラシック・アーティストとして活躍を続けている。
日本では、2011年の映画『最強のふたり』の音楽制作で多く知られるようになり、2017年には映画『三度目の殺人』(監督:是枝裕和)の音楽を手掛けたことでも話題を呼んだ。
現在、イタリア政府音楽大使を務める。