1st SINGLE「Brack Crack」発売を記念してオフィシャルインタビューを公開!

2023.11.08 TOPICS

【オフィシャルインタビュー】

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 ──チャンネル登録者数162万人超え(2023年11月3日現在)。“親の甘い蜜を吸い続けるニートのゲーマー吸血鬼”を名乗る「にじさんじ」所属のバーチャルライバー、葛葉がメジャー1stシングル「Black Crack」をリリースする。

 配信者としての活動の一環として“歌ってみた”動画を配信。エッジの効いた歌声と圧倒的な歌唱センスによって注目を集めた葛葉は、2021年9月に初のオリジナル曲「コントレイル」を発表。昨年3月にリリースしたメジャー1stミニアルバム『Sweet Bite』は各チャートで好アクションを記録し、「第37回日本ゴールドディスク大賞」ベスト5ニュー・アーティスト(邦楽)を受賞するなど、高い評価を得た。

 

 

「音楽活動に対するファンの温度感みたいなものが気になっていたんですけど、思った以上に応援してくれる人がたくさんいて。改めて“支えてもらってるんだな”って感じましたね。『Sweet Bite』ではいろんな曲調に挑戦できたし、自分を表現するにはうってつけの作品になったのかなと。今は配信と音楽活動のバランスを取るのが課題ですね。自分のキャパシティとの戦いです(笑)」

 

 

 ──1stシングルの表題曲「Black Crack」(作詞:溝口貴紀/作曲・編曲:加藤冴人)

は、Netflixで配信されるアニメ「グッド・ナイト・ワールド」オープニングテーマ。圧倒的なスピード感に貫かれたビート、ヘビィなギターフレーズを反映したサウンド、鋭利にして激しいメロディが共鳴し合うアッパーチューンだ。

 

 

「聴いた瞬間〈カッコいいな!〉と思いましたね。こういうサウンドはけっこう歌ってきたし、自分としてもすごく好きで。サビが〈『ゴミクズ』〉だったり、かなり強めの歌詞なんですけど、アニメ(『グッド・ナイト・ワールド』)にもマッチしているし、自分のキャラにも合ってるので違和感はなかったですね。歌うのはけっこう難しかったんですけど、原作を読んだときの気持ちをどう込めるか?を自分なりに考えて。アニメの予告編を見たときに〈すごい!〉って気持ちがアガったので、いい曲になったのかなって思います」

 

 

──〈フェイクショーとリアル/捩れ続くパラレル〉に象徴される、現実と仮想空間で揺れ動く感情を表現したリリックも魅力的。このテーマは、バーチャルライバーとして活動する葛葉自身ともリンクしているようだ。

 

 

「確かに自分の活動と重なるところもありますね。配信のときは生き生きしているけど、周りに大人がたくさんいる場だとかしこまっちゃうとか(笑)。“どっちが本当の自分?”と聞かれると……どっちなんですかね。どちらも本当の自分なんだけど、より色濃く自分を出しているのが配信なのかな」

 

 ──カップリング曲は2曲。先行配信された「Liberty&Freedom」(作詞:じん/作曲・編曲:eba & 堀江晶太)は、自ら勝ち取った自由(Liberty)、生まれ持って与えられた自由(Freedom)の差異をコンセプトにした楽曲。スリリングな楽曲展開と葛葉の挑発的なボーカルのコントラストも刺激的だ。

 

 

「歌ってて爽快感がありましたね。ちょっと変則的というか、自由奔放な感じもすごくいいなと思ったし、冒頭のコーラスの部分は“ライブで一緒に歌えたりするのかな?”って想像しました。“自由に好きなことをやればいいじゃん”みたいな歌詞も好きですね。配信しているといろいろな人が見に来てくれるんですけど、悩みを抱えた人もけっこういて。自分が楽観的に生きているせいもあるんですけど、“あまり思い詰めないで、ラクに考えてもいいんだけどな”と思うこともあるので」

 

 

──「Dummy Break」はヘビィロックのテイストとダンサブルなトラックが融合したミクスチャー系のナンバー。ラップを取り入れたボーカルからは、葛葉が持つ、シンガーとしての多彩な表現が感じられる。

 

 

「最初からトップギアではなくて、だんだん盛り上がってくる感じが葛葉っぽいなって。言葉がギッチリ詰まってるので最初は舌が上手く回らなかったんですけど(笑)、がんばって歌いました。歌詞は、ちょっと斜に構えている感じなのかな。そういう部分は自分にもあるので、共感できましたね。1+1は?って聞かれて、2って答えたくないタイプなんで(笑)」

 

 

「今回のシングルは3曲とも自分っぽいなって思います。楽曲の解像度が高いというのかな。制作に携わってくれるみなさんのおかげですね」と手ごたえを語る葛葉。音楽活動に対するモチベーションもさらに上がっているようだ。

 

 

「激しい曲が好きなんですけど、今後は切ない曲だったり、いろんなタイプの曲にも挑戦したいですね。そうやって幅を広げていけたらな、と。あと、“バズりたい”というヨコシマな気持ちもあります(笑)。ライブもやってきたいですね。普段は文字や画像を通してやり取りしてるリスナーが目の前にいると、“俺のファン、生きてるな!”って嬉しくなっちゃうんですよ。ライブでしか得られない栄養は絶対にあるし、ファンに“カッコよかった”と言ってもらえると“やってよかったな”って思うので」

 

インタビュー:森朋之