香西かおりが玉置浩二に最大のリスペクトをこめたアルバムを11/29に発表! 玉置氏からのコメントも届く。
今年11月リリースのアルバム「香西かおり 玉置浩二を唄う」が完成し玉置浩二氏に届けたところ、本人からコメントが届いた。
「歌は聞こえてくる いつもやさしくて 少しさみしくて」 玉置浩二
11月22日に発売されるニューアルバム「香西かおり 玉置浩二を唄う」の完成までのストーリーは25年前にさかのぼる。
演歌歌手としてデビューして約5年が経った頃、香西かおりは過労で病院に入院していた。事務所の社長が病室で香西に聴かせたテープから流れてきたのは安全地帯の玉置浩二氏の声。
きっかけは香西の事務所と玉置氏の事務所のスタッフ同士の結婚だった。香西は仕事を抜けて式に出席したが、玉置氏がツアー中で出席できず、そのお礼に香西に楽曲を書いたものがそのテープだった。
レコード大賞新人賞を受賞したデビューシングル「雨酒場」やレコード大賞ゴールドディスク賞を受賞したサードシングル「流恋草」などヒットを連発し、勢いに乗っていた香西かおりの6枚目のシングルは上記の玉置浩二氏の曲で行くことになり、香西かおりのステージの演出を行っていた久世光彦氏が歌詞を書くことになった
久世氏は香西かおりの勝負シングルに、玉置浩二作曲、そして自ら歌詞を書いた「あゝ人恋し」を据えた。1993年の3月に発売のシングルとして、人の心の奥底にある切なさと儚さを歌う名曲が完成した。がしかし、まだカップリング曲としてもう1曲、玉置浩二の曲に乗せる歌詞の完成を残していた。
1992年11月29日、レコーディング期限が迫る中、久世氏のペンによる歌詞をスタジオで香西かおりとディレクターが待っていた。時間ぎりぎりで入ったFAXに記された「無言坂」のタイトルと歌詞。香西はその場でぶっつけ本番30分で吹き込んだ。それが「無言坂」の誕生である。歌った香西は、「無言坂」のメロディと歌詞に並ならぬ感動を覚え、その場で「無言坂」を表題曲、「あゝ人恋し」をカップリングにすることを提案した。
そのまま最後は香西の意思は通り、シングル「無言坂」が生まれた。3月17日に発売するなり、有線放送やラジオ・TVで話題となり、その年末には第35回レコード大賞を受賞したのは万人が知るところである。この放送を観た玉置氏はすかさず「香西さんがこの曲を好きでたまらない様子で、歌ってくれているのがうれしかった」とFAXを入れた。
その後、1997年にデビュー10周年記念曲として、玉置浩二に作曲を依頼。玉置氏からデモが入ったカセットが届いた。ラララで歌われたデモ曲の最後は「すき」というフレーズのみが歌いこまれ、カセットには「玉置浩二 作曲、香西かおり作詞」と記されていた。これに背中を押され、香西はこの曲で初めて作詞に取り組むことになる。昨年末の紅白歌合戦でもこの曲を歌唱したように、これも香西かおりの代表曲のひとつである。
デビュー30周年の今年、香西はデビュー30周年記念リサイタルのオープニングで「あゝ人恋し」を歌った。玉置氏そして久世氏への言葉にならないリスペクトと数々の縁に感謝するかのように。
そして、香西かおりと玉置浩二という作詞作曲コンビが20年ぶりに生み出した記念シングル「標ない道」を今年9月に発表。尽きない愛しさを抱えながらも、明日に向かって歩きだす女心を綴った楽曲である。
香西にとって今年はデビュー30周年であるが、玉置氏にとっても今年は安全地帯でデビューして35年、ソロとしては30周年という大きな節目に当たる。
歌手人生の節目節目で歩みを共にしてきた玉置浩二。
最大のリスペクトを込めて、そのキラ星のごとき作品群の中から香西かおりが選曲し、シンプルなアコースティックアレンジで包んで歌い上げたカバーアルバムがここに完成した。
自らの代表曲「無言坂」をはじめ、安全地帯の「悲しみにさよなら」「恋の予感」、そして玉置浩二ソロの「メロディー」など、錚々たる名曲を情感を込めて歌い上げている。
またこのアルバムのアレンジは、香西と「うたびと」などでも共演しているキーボーディスト久米大作が担当。多彩なギタリストを迎え、上質なアコースティックサウンドで統一されている。主な参加ギタリストは以下の通り。
窪田晴男、古川昌義、白井良明 、押尾コータロー、浅野孝已(GODIEGO)、天野清継
「多くの方々に繋いでいただいたご縁で『無言坂』が生まれ、その曲がその後の私の活動の幅を大きく拡げてくれたのは間違いありません。そして玉置浩二さんと一緒につくった作品たちは私の一生の宝物です。今回、一人のアーティストとして心から尊敬している玉置さんの作品をカバーできて本当に嬉しく思っています。これからも大切に大切に唄って生きたいと思ってます。」
と香西かおりは語る。