映画『桜色の風が咲く』サントラ配信リリース!コメントも到着!

2022.11.04 TOPICS

小瀬村晶が音楽を手掛けた本日公開の映画『桜色の風が咲く』のサウンドトラックが配信リリース!

 

映画『桜色の風が咲く』オリジナル・サウンドトラック

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▼小瀬村晶コメント

本作「桜色の風が咲く」の松本准平監督とは、僕にとって初めての映画音楽となった作品「最後の命」を担当させて頂いた縁があり、数年ぶりにまたご一緒させて頂きました。

まだ世界が変わる少し前の冬、監督から連絡があり、撮影前の脚本を読ませて頂くことになりました。その時点で、この作品が特別なものになるような予感はしていたのですが、同時に、監督はまたしても茨の道へと歩まれるのだなと感じたのを覚えています。
それからしばらくして、監督から映画の編集が届けられ、脚本を読んだ印象を思い起こしながら、心して拝見しました。
智が抱く病気への恐れ、迫りくる闇との葛藤、息子を支え続ける母・令子の底知れぬ愛、想像もし得ない境遇に置かれた母子の人生を、監督はどのようにして描いていったのだろう。どのシーンもとても難しかったに違いありません。そんな一抹の不安を抱えながらも拝見した編集でした。
しかし、そこに映っていたのは、僕のそんな小さな想像力を遥かに超えた、人が生きる意味とは、幸せとは、希望とはいったいどういったものなのか、智の思索と母・令子の献身が生み出す真理までの道のりを、温かく見つめ、寄り添い続ける圧倒的な人間讃歌でした。

観終わった後で、感嘆のあまり「こんな映画、どうやって作ったんですか」と、かなり失礼な発言をしてしまったことを思い出します。映画に携わるようになって、映画作りが如何に望み通りにはいかず、困難な連続のなかで成立されていく芸術なのかを目の当たりにしてきたことで、つい純粋な疑問を投げかけてしまったのです。本当に、どうやったのですか?と。監督は笑いながら、僕にも分かりません、と謙遜していました。

この映画は間違いなく、僕にとって、これから生きていくなかで節目節目に必ず戻りたいと思う作品の一つになりました。そんな作品に関われることが、果たしてこれからの人生でいったい何度訪れるだろうか、今作との出会いを幸運に感じると共に、監督との出会いに感謝しています。

音楽面では、邦画ではあまり求められることのない微細な音構造の音響的で偶発性のある音楽を許容してくれて、映画の中を有機的に漂わせることができました。
言葉と言葉の合間、音と音の合間にこそ宿る感情を丁寧に掬っていこう、そんなことを思いながら作曲した作品でした。

 
 

映画『桜色の風が咲く』
2022年11月4日 劇場公開
https://gaga.ne.jp/sakurairo/

出演:小雪 田中偉登 吉沢悠 吉田美佳子 山崎竜太郎 札内幸太 井上肇 朝倉あき / リリー・フランキー
製作総指揮・プロデューサー:結城崇史
監督:松本准平 脚本:横幕智裕
協力:福島令子 福島智

音楽:小瀬村晶 
エンディング曲:辻井伸行「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13《悲愴》II. ADAGIO CANTABILE」

製作:スローネ、キャラバンピクチャーズ 制作:THRONE INC. / KARAVAN PICTURES PTE LTD
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 ©THRONE / KARAVAN Pictures
製作国:日本/日本語/2022/ビスタ/5.1Ch/113分 配給:ギャガ