Biography
KOЯN (コーン)
Jonathan Davis/ジョナサン・ディヴィス (Vo)
Brian “Head” Welch/ヘッド (Gt)
James “Munky” Shaffer/マンキー (Gt)
Reginald “Fieldy” Arvizu/フィールディ (Ba)
Ray Luzier/レイ・ルジアー (Dr)
KORN、11作目となる新作のタイトルとリリース日を発表。
Prospect Park/ Caroline Internationalよりリリースの『The Paradigm Shift』は、2013年9月30日に店着予定。
グラミー賞受賞バンドであり、マルチプラチナムのセールスを誇るハード・ロックの革新者、KORNの11作目となる新作『The Paradigm Shift』がProspect Park/ Caroline InternationalよりCD及びデジタル配信で2013年10月1日にリリースされる。
『The Paradigm Shift』は、オリジナル・ギタリストのブライアン・“ヘッド”・ウェルチが2003年の『テイク・ア・ルック・イン・ザ・ミラー』以降初めて復活を果たしたアルバムであり、最先端のダブステップを取り入れて絶賛された2011年の『ザ・パス・オブ・トータリティ』に続く作品となる。『ザ・パス・オブ・トータリティ』はビルボード誌のトップ200チャートで初登場10位を記録し、『リヴォルヴァー』誌のアルバム・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど高い評価を得た。
『The Paradigm Shift』はまた、KORNが大物プロデューサーのドン・ギルモア(リンキン・パークの『ハイブリッド・セオリー』など)と初めて組んだアルバムでもある。レコーディングは地元ベイカーズフィールドにあるバック・オーウェンのスタジオと、ロサンゼルスにある名高いNRGレコーディング・スタジオにて行われた。ヘッドの復活は最初にRollingStone.comで発表され、その後ARTISTdirect.comでのインタヴューで今回のリユニオンについて詳しく語られている。
新体制でのライヴはオハイオ州コロンバスで開催されたロック・オン・ザ・レンジ・フェスティヴァルのヘッドライナーから始まり、4万人を超えるファンを熱狂させた。その後ロックラホマなどアメリカのフェスに数多く出演し、さらにヨーロッパに渡ってダウンロード、ロック・アム・リング、ロック・イン・パークといった数々のフェスティヴァルのメイン・ステージに立ってきた。
『The Paradigm Shift』はメンバーにとって特別な意味を持つ作品だ。ギタリストのジェイムス・“マンキー”・シェイファーはこう説明する。「パラダイム・シフトとは、様々な視点を表わす言葉だ。アート作品をひとつのアングルから見ると、ある特定のイメージを得られる。また別のアングルから見ると、まったく異なるイメージになる。それが2013年のKORNなんだ。ヘッドが戻ってきたことで、このバンドが始まったころからファンが愛してきたすべての要素が込められているのと同時に、俺達はそれを新しい視点から解釈しているんだ。これはさらにビッグになって、輝きを増して、大胆になったKORNだ」。
KORNが再び世に送り出す、驚異的で、地を揺るがし天にも届く勢いの作品を覚悟して待て。
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永遠に続く絆というのはあるものだ。何が起きようと、曲がることも、傷つくことも、壊されることもない。その結びつきにはどこか説明しがたいものがあり、時と共に一層強くなる。
KORNのメンバーであるジョナサン・デイヴィス、ジェイムス・“マンキー”・シェイファー、レジナルド・“フィールディ”・アルヴィズ、そしてブライアン・“ヘッド”・ウェルチが1993年にバンドを始めようと決心したその時、まさにそんな絆が生まれたのだった。彼らはスタジオやステージで血と汗と涙を分かち合い、その後のロック・ミュージックを完全に変えてしまうような、誰にも否定できない、心を揺さぶるユニークなサウンドを作り上げていった。独創性に富んだ6枚のアルバムを出し、グラミー賞を二度受賞し、数えきれないほどのライヴをソールドアウトさせた後、2004年にヘッドは自らの依存症と戦うためにバンドを離れた。KORNはその後も活動を続け、2007年にレイ・ルジアーがドラマーとして正式加入し、さらに画期的なダブステップとメタルの融合を果たした2011年の『ザ・パス・オブ・トータリティ』まで4枚のスタジオ・アルバムをリリースしてきた。
それでもなお、彼らは同志であるヘッドが戻ってくるのを待っていた。2012年、KORNがキャロライナ・リベリオン・フェスティヴァルのヘッドライナーを務めたステージで、勝利と涙のリユニオンが実現し、ヘッドが再び“ブラインド”の伝説的なパートを弾いたのだった。そこで初期の絆が復活したわけだが、再び新たな策略を企てる時が来ていた。『The Paradigm Shift…』の時が来たのだ。
ここからKORNの11作目のアルバム、『The Paradigm Shift…』の物語が始まる。ヘッドがバンドに復帰を果たし、彼らは再びすべてが始まった場所――ベイカーズフィールドへ戻った。地元のリハーサルスペースで新しい曲を書き始めると、すぐにすべてがこうなるべきだったように感じられたという。
「メンバー全員が、それぞれの人生においてしかるべき場所にいるんだ」とヘッドは認める。「だからこそ俺は戻ってきた。ここにはもうネガティヴなものが何もない。本当に変わったんだ。全員の頭が真っ当な状態にある。バンドに戻るチャンスが訪れて、俺はこう思った。『俺はこいつらのことを昔からずっと知っている。無条件の愛がある。よりを戻すなら今しかない』ってね。あらゆる兆しが示されていた。俺はバンドを離れて、自分を立て直したんだ。ほかのメンバーも同じだった。今がこれまでで一番いい状態なんだよ」
ジョナサンも同意して言う。「ヘッドが戻って来たとき、一度も離れたことなんかなかったような気がした。俺達はいつだって、ふさわしい時が来たらあいつに戻って来てほしいと思っていた。キャロライナ・リベリオンでのステージが俺達全員の目を開かせてくれたんだ。今俺はものすごく幸せだよ。俺達全員、次の一歩を踏み出して最高のアルバムを作る準備ができていたんだ」
「ずっとこうなるのを夢見ていた」と言ってレイは微笑む。「このバンドに入ってからずっと、4人のオリジナル・メンバーと一緒にプレイできることを願っていた。彼らの間には確かにマジックがあるんだ」
「俺達がバンドとして本当にやりたいことを明確にするためには、誰もがそれぞれ自分自身の試練と苦難を乗り越えなくてはならなかった」とマンキーが続ける。「俺達はもう一度一緒に楽しみたかった。それが俺達のやることだから。俺達には新たな活力が漲っているんだ。みんな子供ができて父親になった。明日のことを考えるようになった。でも10年前はそうじゃなかった。誰も気にしちゃいなかった。今の俺達は自分の健康や家族を大事にしている。そのおかげで、最高の音楽を作るために必要な考え方を得ることができた。そうやってできた音楽は永遠に残るもので、心から誇りに思えるものになるんだよ」
2013年になると、彼らは初めてプロデューサーのドン・ギルモア(リンキン・パーク、スリー・デイズ・グレイス)と組んでスタジオに入った。何の見せ掛けや迎合もなく、誰もがキャリア史上最高のアルバムを作るという共通のゴールだけを胸に抱いていた。
「これは俺達が昔からずっと求めていたサウンドなんだ」とフィールディは説明する。「俺達はもう随分長い間一緒にやってきた。お互いにもっとチャレンジングなことをやろうと刺激し合いながら、それでいて最終的にはKORNでしかありえない音になっている」
その後押しはギルモアから来たものでもある。彼はプロデューサーとして、曲作りにフォーカスするようメンバーに働きかけたのだ。それを頭に置いたバンドは、かつてないほど心を捉えて離さないヘヴィなフックを生み出した。
「ドンはすべてを新たなレベルに押し上げてくれた」とレイは言う。「ただのプロデューサーじゃないんだ。彼自身ミュージシャンでもあるし、曲構成の腕が半端ないんだよ。すぐに効果が現われて、彼は俺達の持っている力を最大限に引き出してくれたと感じている」
ジョナサンは笑ってこう言う。「ドンはクレイジーだ。いい感じで俺の背中を押してくれた。ジェダイみたいなパワーを使って、正しい方向に導いてくれたんだ。無理矢理難しいことをさせられたわけじゃなかった。最高だったよ。ドンに関してはいくら褒め言葉を並べても足りないね」
「彼は俺達を居心地のいい領域からうまく引き出してくれたんだ」とマンキーも同意する。「新しいハーモニーやコードのボイシングを試してみるように勧めてくれて、その結果これまでにないカオスを生み出すことができた。これが現在の俺達のあるべき姿なんだ。偶然じゃない。この瞬間とこのアルバムを手にするべくしてこうなったんだ」
その運命は不吉なギターが崩壊して映画のように破壊的なブリッジに入っていく“Punishment Time”といった曲で感じられる。その一方で、ジョナサンのヴァンパイアのように辛辣で生々しい唸り声が響く“Lullaby for a Sadist”では、演劇的に堂々としたクリーンなギターがひとときの救済のように聞こえ、“Love & Meth”は動揺させる7弦ギターの暴力性をそびえ立つリフレインで和らげていく。そしてファースト・シングルの“Never Never”では、高音のエレクトロニック・サウンドに巨大な獣がゆっくりと足を踏み鳴らして入ってきて、“ガット・ザ・ライフ”や“フリーク・オン・ア・リーシュ”を思い起こさせる勢いのいい軽快なコーラスへと流れ込む。
「あの曲を完成させた夜は特別素晴らしかった」とジョナサンは言う。「あれは恋愛関係を歌った曲なんだ。つらい目に遭ってひどく傷付いて、そのうち『もう時間の無駄だ。二度と誰かを愛したりするもんか』と思うようになる。いい父親、いい夫、いい恋人でも何でも、そうならなければならないというプレッシャーがいくつも襲いかかってくる。人と関わり合うということには、たくさんの労力が必要なんだ」
レコーディング中、ジョナサンと二人の息子、ツェッペリンとパイレートはスタジオに住み込んでいた。父親がレコーディングをする間、息子達は絵を描いたりして、たくさんのインスピレーションを与える存在になっていた。
「このアルバムを生きて、体に取り込みたかった」とジョナサンは認める。「息子達を呼んだのはそのプロセスの一環だった。子供のころ、俺は自分の父親が同じスタジオで仕事をする姿を見ていた。おかしなことに、一周したんだよ。今度は俺がそこで仕事をしているのを俺の子供達が見ていたんだから。いろんなことがつながってここまで来たんだ。俺達はキャンプに出掛けたみたいだった。デカいスランバー・パーティみたいなものだ。俺も子供に戻ったような気分になれて、それがすごく助けになったんだ。子供達がいたからこそできたことなんだよ」
ある意味では、今作のタイトルはバンドの精神をカプセル化したものだと言える。「自分の物の見方が変わることを意味するんだ」とマンキーは説明する。「インターネットで、パラダイム・シフトに関連するアート作品を見つけたんだ。それはアヒルの絵なんだけど、見方を変えるとウサギにも見えるっていう。角度を変えることでいろんなものが見えてくる。俺にとって、それは新しい考え方だった。意識の変化とも言える。そしてバンドにおけるポジティヴな変化でもある。俺達は同じ人間だ。今でも同じ要素を持っている。ただ、自分達の音楽をもっとポジティヴな目で見ることができるようになったんだよ」
セルフタイトルのアルバムで衝撃的なデビューを果たして以来、KORNは大きな進歩を遂げてきた。そして彼らは自分達自身、あるいはヘヴィ・ミュージックへの挑戦を止めたことは一度もなかった。それは何故なのか? 答えはあの掛け替えのない、独特の絆へとさかのぼる。
「俺達の絆は今最高に強まっている」とヘッドは結論付ける。「マンキー、フィールディ、レイ、ジョナサンと俺は、お互いを強くし合っている。自分の人生に友達を取り戻すことができて、素晴らしい気分だよ。そしてファンも最高だ。これは全部彼らのためのものだ。俺達には贈りものがあって、それを彼らに渡していくんだ。俺達のやることが、彼らをより良い存在にしていく。それが一番デカいことだ。それ以上望めることはないよ」
ジョナサンが最後に言う。「ここにいるのは俺の兄弟だ。俺達はまさに自分達がやりたいことをやりたいようにやっている。そう、これは新たな一章だ。そしてKORN以外の何物でもないんだよ」
――2013年6月、リック・フローリノ