近藤嘉宏ベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全曲録音第2弾!2009年12月2日発売!!

2009.10.14 TOPICS

安定したテクニックとベートーヴェンへの深い共感が、佳作ソナタに静かな輝きを与える。

近藤嘉宏/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16・17・18番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 作品31の1、ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 作品31の2《テンペスト》、ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 作品31の3《狩》
CD:UCCY-1013 \3,000(\2,857) UCJ ジャパン

 

全集の録音にあたって

ベヒシュタインは1853年、ベルリンに生まれた歴史ある楽器で、フランツ・リストをはじめ として多くの名だたるピアニストに愛された名器です。ドイツ生来の楽器であり、生粋のドイツの響きを今に伝えていると言えるでしょう。かのウィルヘルム・ ケンプもベヒシュタインを好んで弾いていたということです。
僕が初めてベヒシュタインを弾いたのは10年位前になりますが、その濁りのない透明な響き、明るく立ち上がりが良い音、どことなく懐かしさを感じる音色にすっかり魅了されてしまったのを鮮明に覚えています。
特にブラームスやベートーヴェン、バッハなどのドイツ音楽におけるテクスチュアの明晰な表現力には驚くものがありました。ベヒシュタインはいかなるシチュ エーションにおいても音が飽和してしまうことはなく、音の重なり合いの中から各々の音を分離してドライヴすることが可能なので、これは僕にとって大きな魅 力です。
このことは、一つ一つの音により意味を持たせることにつながり、ひいては新たな表現の可能性が大きく膨らむことを意味します。ですから、ベヒシュタインでベートーヴェンを演奏することはとても意義深いと思います。

 .....近藤嘉宏(ピアニスト)