<レポート>アルバム発売記念トーク&サイン会

2018.06.18 TOPICS

6月13日にリリースされ、音楽ファンから熱い支持を集めているKIRINJIのニュー・アルバム『愛をあるだけ、すべて』。
その発売を記念したトーク&サイン会が、6月17日(日)にタワーレコード新宿店のイベントスペースにて開催されました。

 

 
アルバム購入者に先着で配布されたイベント参加券は300枚すべて配布終了。
開場と同時に場内はファンであふれかえる中、ヴォーカル/ギターの堀込高樹、ペダルスティール/スティールパンの田村玄一、ベースの千ヶ崎学の3名が登場。中でも、粋な浴衣姿の田村が姿を見せると、観客から歓声が上がりました。

トーク・パートは、音楽ライターの油納将志氏の司会により進行。
まずは、これまでのKIRINJIのイメージを払拭し、現在進行形のR&BやEDMの影響を感じさせるダンサブルなサウンドに仕上がった新作の狙いや制作過程がメンバーの口から語られました。

「RHYMESTERとのコラボを通して学んだ、現行のダンス・トラックのサウンドの構築の仕方を今回の制作に活かした。また、順当にいったらこうなるよね、という従来のやり方ではなく、手探りしながら作っていった。特に今回はアレンジよりも音色を選ぶという作業にじっくり時間をかけた」(堀込)

「ダンス・ミュージックは低音が効いていないと成立しない。だからグルーヴに関してはこだわりと責任をもって担当した」(千ヶ崎)

「ペダルスティールも従来のサウンドではなく、トラックに自然と溶け込むような音色やフレーズを工夫した」(田村)

 
今回の新作収録曲でも独特な世界観を放つ堀込高樹の歌詞の世界観について。

「今回はリズムが立った曲が多いので、観念的なことや複雑な比喩を描いた歌詞だと曲が失速するような気がして、曲と聴いた人が密接な関係になれるよう、わかりやすい言葉で感情をストレートに描いたものにした」(堀込)

「(堀込の歌詞の変化を)すごく感じた。今回は高樹さんのパーソナリティが見えてくるような歌詞が増えてきたと思った。と同時にサウンドはダンス・ミュージックでも歌が中心になっているように感じた」(千ヶ崎)

 
KIRINJI以外でも複数のバンドやサポートで活動している千ヶ崎と田村への質問で、KIRINJIというバンドの特徴について。

「KIRINJIには世界中のあらゆる音楽の要素が詰まっているので、自分がこれまで吸収してきた音楽的な経験を総動員して関わっている」(千ヶ崎)

「千ヶ崎の言うとおり(笑)。他のバンドでは割と自分の自由な裁量で演奏しているが、KIRNJIは全体のサウンドの枠組みが複雑なので、他のメンバーの奏でる音を注意深く聴いて演奏しなければならない」(田村)

 
そして、2013年にバンド編成で活動をスタートしてから5年が経つが、この間の変化について。

「これまでは自分の好きな音楽の引き出しを全部開けて、それをすべて作品に取り入れようとしたけど、今回の『愛をあるだけ、すべて』は、今の時代に合うもの、なおかつKIRINJIらしさを失わないもの、を念頭に置いて取捨選択して制作した」(堀込)

「KIRINJIは変化の早いバンド。今回はバンドらしくない録音の仕方だったにもかかわらず、結果としてバンド感のあるサウンドに仕上がったのが不思議。KIRINJIなりのバンドらしさが新作には出ている」(千ヶ崎)

「5年間、ずっと同じスピード感で変化してきたような気がする。今でもついていくのに必死だけど、必死になれるバンドが1つくらいあってもいいかなと」(田村)

 
また、7月に開催する「KIRINJI TOUR 2018」には気鋭のキーボード奏者Kan Sanoがサポートで参加することも発表されました。

KIRINJI TOUR 2018

7月14日(土) 福岡・福岡スカラエスパシオ
7月19日(木) 大阪・梅田クラブクアトロ
7月20日(金) 名古屋・クラブクアトロ
7月25日(水)、26日(木) 東京・渋谷クラブクアトロ
*渋谷クラブクアトロ2デイズの東京公演は既にソールドアウト