BIOGRAPHY
加古 隆 (作曲家・ピアニスト)
数々の音楽賞を受賞し、日本を代表する作曲家のひとりであり、またピアニストとしては、その音色の美しさから「ピアノの画家」とも形容される。1971年東京芸術大学・大学院作曲研究室修了後、フランス政府給費留学生として渡仏。パリ国立音楽院にてオリヴィエ・メシアンに師事し、在学中の1973年に即興ピアニストとしてデビュー、1976年作曲賞(Prix de Composition)を得て音楽院を卒業。80年に帰国後は映画、舞台、オーケストラなどの委嘱作を含め、作曲及び演奏に、クラシック、現代音楽、ジャズの要素を包含した独自の音楽スタイルを確立した。代表作には、パウル・クレーの絵の印象によるピアノ曲集『クレー』、音楽詩劇『賢治から聴こえる音楽』等があり、特にNHKスペシャル『映像の世紀』(1995-96)など数々のドキュメンタリー番組や、今年3月まで放映されたTVドラマ「白い巨塔」の音楽でも知られる。98年モントリオール世界映画祭のグランプリ作品「The Quarry」[ザ・クゥオリー](ベルギー/マリオン・ハンセル監督)の作曲で最優秀芸術貢献賞を受賞。その後、映画「大河の一滴」(五木寛之原作・神山征二郎監督)、「式日」(庵野秀明監督)、「阿弥陀堂だより」(小泉堯史監督)などの音楽を手がけた。「阿弥陀堂だより」では毎日映画コンクールの音楽賞などを受賞。2003年にパリ・デビュー30周年を記念したCD「アニヴァーサリー」が発売され、通算50作以上のアルバムを発表している。自作品によるコンサートは現在までに26カ国約200都市に及ぶ。
1969 | 東京芸術大学音楽学部作曲科卒業 |
1970 | NHK毎日音楽コンクール作曲部門入賞 |
1971 | 東京芸術大学・大学院作曲研究室修了、フランス政府給費留学生として渡仏。 |
パリ国立音楽院(コンセルヴァトワール)作曲科入学、オリヴィエ・メシアンに師事 | |
1972 | 自作のオーケストラ曲がパリ音楽院管弦楽団により初演(於:サル・ガヴォー) |
1973 | パリで即興(Free Jazz)ピアニストとしてデビュー「現在フランスで聴くことのできる最高のピアニスト」と評され、ヨーロッパ各地で数多くのコンサートを行う |
ヨーロッパ・デビューアルバム「Homage to Peace」フランスで発表 | |
1974 | 日本・デビューアルバム「日本館コンサート」発表 |
パリ国立音楽院を作曲賞(Prix de Composition)を得て卒業 | |
1978 | オリバー・ジョンソン(ds.),ケント・カーター(b.)とピアノトリオTOK(トーク)結成 |
1979 | 日本人として初めてドイツ・ECMレーベルから『パラドックス』を全世界発売 |
初めてのピアノ・ソロ・コンサートをフランス、カーンの音楽祭で行う | |
1980 | フランスより本拠を日本に移す。 |
1981 | ミュージカル『光の彼方に』の作曲で芸術祭優秀賞受賞 |
1984 | 東京文化会館主催による同ホール初のジャズ・コンサート「加古隆・ピアノとの対話」 |
1985 | 「ポエジー」がニッカウヰスキーのCMに使われ大ヒットとなる |
1986 | パウル・クレーの絵の印象によるピアノ組曲『クレー』発表。 |
以後、大原美術館(倉敷)を初め多くのミュージアム・コンサートを行う | |
パリ・ポンピドゥーセンターの招きで「日本の前衛展」に出演 | |
ドイツ放送局の招きでケルン・コンサート | |
1987 | 第3回Tokyo Music Joyにおいて自作品『箏とオーケストラのための協奏曲』の指揮 |
南仏・モンペリエ音楽祭に招かれソロ・コンサート | |
1988 | アルバム『スクロール』でスイングジャーナル社主催「日本ジャズ賞」受賞 |
1989 | イズマエル・イヴォ(ダンサー)との共同作品『アポカリプス』(演出:天児牛大)発表、東京~ウィーンにて初演 |
カナダ(バンクーバー・カルガリー)での音楽フェスティバルに出演 | |
1990 | ピアノとオーケストラによる交響詩『春~花によせて』、大阪・国際花と緑の博覧会にて初演 |
1991 | 北斎、広重などの浮世絵をテーマとしたピアノ組曲『エスタンプ・ソノール』発表 |
ベルギー、スペイン、フランスの合作映画『On the Earth in Heaven』(マリオン・ハンセル監督)の音楽を担当 | |
1992 | 宮沢賢治の作品を題材とした音楽詩劇『賢治から聴こえる音楽』初演 |
ドキュメンタ1992(ドイツ・カッセル)に招かれる | |
アセアン5ケ国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ブルネイ)ピアノソロ・コンサート・ツアー(国際交流基金主催) | |
1993 | 建築家・安藤忠雄氏設計の”水の教会”にて、同氏との対談を含んだコンサート |
カーネギーホール(Weill Recital Hall)におけるアメリカ・デビュー・ソロ・コンサ-ト | |
1994 | アルバム『水の前奏曲』全米発売、アメリカ自然史博物館などでのニューヨーク公演 |
1995 | NHKスペシャル『映像の世紀』の音楽を担当、サウンドトラックCD化される |
エストニア「オリエント’95フェスティバル」に招かれる | |
山海塾「ひよめき」の音楽を担当(初演:パリ市立劇場)、以降の山海塾新作の音楽にもかかわるようになる | |
1996 | ロシア(モスクワ音楽院大ホールでのリサイタル、他)・中国・インド・ネパール・スリランカから招待され5ケ国歴訪のソロ・コンサート(国際交流基金主催) |
1997 | ピアノとコントラバス4台によるコンサート『色を重ねて』発表(演出:天児牛大) |
NHK「ドキュメントにっぽん」のテーマ音楽を担当 | |
1998 | 第22回カナダ・モントリオール世界映画祭に於いて、グランプリ受賞作品「The Quarry」(邦題:月の虹、ベルギー、マリオン・ハンセル監督作品)の作曲により最優秀芸術貢献賞を受賞。 |
東急文化村:シアターコクーン・プロデュース作品「ロメオとジュリエット」(演出:ノノン・パダーリア)の音楽を担当 | |
アルバム『予感~アンジェリック・グリーンの光の中で~』を発表し東京・紀尾井ホールの他全国15ヶ所でコンサート | |
1999 | アルバム「静かな時間」を発表、東京・すみだトリフォニーホール、大阪いずみホール他でコンサート |
ブラジル、アルゼンチン、チェコ、ハンガリー、フランス(パリ)でのソロ・コンサート(国際交流基金主催) | |
2000 | NHK「にんげんドキュメント」のテーマ音楽を担当 |
アルバム「パリは燃えているか」(NHKスペシャル「映像の世紀」完全版)を発表 | |
庵野秀明監督・映画「式日」の音楽を担当 | |
組曲「映像の世紀」を東京、大阪で初演(新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団、指揮:金聖響) | |
2001 | 映画「大河の一滴」(五木寛之原作、神山征二郎監督)の音楽を担当 |
映画「白い犬とワルツを」のメイン・テーマ曲を作曲 | |
アルバム「Sceneシーン」(1992年から2001年まで10年間の映像音楽作品集)を発表しコンサート・ツアーを行う | |
2002 | 映画「阿弥陀堂だより」(小泉堯史監督)の音楽を担当 |
アルバム「風のワルツ」を発表、東京・大阪・名古屋で記念のコンサート | |
2003 | 映画「阿弥陀堂だより」の音楽で第57回毎日映画コンクール「音楽賞」、第26回日本アカデミー賞「優秀音楽賞」を受賞 |
パリ・デビュー30周年を記念したアルバム「アニヴァーサリー」を発表 | |
2004 12月 | ユニバーサル ミュージックからのリリース第1弾「白い巨塔―コンプリート」を発売 |