BIOGRAPHY
JUVENILE / ジュヴィナイル
本名、テリアス・グレイ、現在26才。ニューオリンズのマグノリア・プロジェクト(低所得者向け公共住宅=団
地)出身。地元界隈のクラブでマイクを握るようになったのは、17才位の時であった。元々、ニューオリーンズというラップ不毛地帯で活動していただけに、
細々とした活躍をローカルで続けていたが、その類稀な才能が評判を呼び、ジャングル・ブラザーズを輩出したインディー・レーベル”ワーロック”と契約を結ぶ。’94年、同レーベルより1stアルバムをリリース、が、突出しすぎたサウンドは世に受け入れられず、日銭を稼ぐ為にアスベストの除去作業人として
悶々とした日々を過ごす。その仕事の帰り道、バス停にたたずむ彼に「ウチでラッパーにならんか」と声をかけられる。それが、キャッシュ・マネーを興したば
かりのCEO、ビライアン”ベイビー”ウイリアムス兄弟であった。キャッシュ・マネーに所属した彼は、ソロの顔のほかに、ホット・ボーイズというグループ
を結成する。後、キャッシュ・マネー・レベール自体がユニバーサルとジョイントベンチャーを組み、全国区へと進出して行くこととなる。その先鞭をつけたの
が、ジュヴィナイル3rdアルバム『400ディグリーズ』
であった。語尾が全て「ハァ?」という疑問形で統一された<HA>がシングル・ヒット、同曲を収録したアルバムは、500万枚を売る大ベスト・セラー・ア
ルバムとなった。時の人となった彼の元には客演依頼がひっきりなしに舞い込み、ミッシー・エリオット、ドラッグ・オン、ノリエガ、E-40、プロファイ
ル、ジェイZなど錚錚たる顔ぶれのアルバムに参加するようになる。「低所得者住居から億万長者へ」という絵に描いたような成り上がりぶり、警察を敵に廻し
たかのような歌詞、ジャケットなど無法者的雰囲気が目立つが、その地元の低所得者住居を補修するために基金を設立したり、寄付をしたりといった社会奉仕活
動も行っている。