第5回 左衛門佐の陸自撮影日記

2014.09.29 TOPICS

第5回  左衛門佐の陸自撮影日記

みなさま、こんにちは! プロデューサーの左衛門佐です(さえもんのすけ、と読みます)

今週も、10月29日に発売されるDVD「車両基地 陸上自衛隊 第2師団 第11旅団」撮影時のエピソードを語っていきたいと思います。

 

演習時において全隊員たちを支える非常に重要な役割があります。特に前線の隊員たちの士気に大いに影響するそうです。それは「段列」といいます。簡単に説明すると、後方支援を担う部隊等の活動区域、人員を指します。主に補給や整備、衛生といった役割をはたします。段列は通常、前線から離れ、敵からの戦闘行動により損耗を受けない地域に設けられます。今回のDVDでは幸いにもこの段列の密着取材をすることができました。

 

今回の北大演(北海道大演習場)での検閲における段列には救護所、水、燃料の補給所、調理所がありました。特に調理所で調理を担う隊員たちは皆、凄腕の料理人でした。調理師免許1級をお持ちでした。包丁さばきが半端ないです。このあたりも本編映像で確認していただければと思います。毎食約700人分もの料理を限られた時間内に調理するのですから大変です(ちなみに取材した日の夕飯のメインメニューはカレイの煮付けとメンマの炒め物でした) ご飯は部隊ごとに人数分に区分けされ大きな容器に入れられ、決められた時間にその部隊の係の隊員が段列まで取りに来ていました。ただ、段列から遠く離れた前線の部隊や潜伏斥候等の特殊な部隊は段列の調理した食事ではなく各々で用意した食事を摂るそうです。

特に米飯の炊き具合は非常に重要で全隊員の士気に影響を与えるそうです。

ご飯が美味しければ頑張れるとのこと。ちなみに一流の調理師は炊飯器からあがる湯気の匂いを嗅いで炊き具合を見計らうそうです。また、以前はお米を研いで炊いていましたが無洗米に移行していった時期に、最初は炊き加減が難しくしばらくは試行錯誤したとのことです。この一度にたくさんの米を炊ける装備は東日本大震災の時にも、お風呂、給水と並び大活躍し、被災地の方々からも喜ばれました。

実は今回の取材中(調理中)に、我々(撮影班含む)は敵からの航空攻撃を受け、段列にいた隊員たちは全員、急きょ迎撃態勢を取りました。敵からの航空攻撃は不意にやってくるので予測がつきません。調理中でも包丁を置いて銃を取り所定の位置に着かなくてはならないのです。その間、勿論、調理は中断されるわけですから大変です。

そんな段列の様子も今作では初めて映像で紹介しています。どうぞご期待ください。

 

それでは今回はこのへんで。また次回をお楽しみに。

 左衛門佐

 

20140929

※写真は音楽隊の演奏風景です。