BIOGRAPHY
Joseph Calleja ジョセフ・カレヤ (テノール)
デビューしてから14年、ジョゼフ・カレヤは世界の主要な歌劇場で30ほどの役を歌い絶賛を博しており、最近では2009年にメトロポリタン歌劇場で《ホフマン物語》のホフマンを、2010年にはコヴェント・ガーデン王立歌劇場で《シモン・ボッカネグラ》のアドルノをそれぞれ初めて歌い、大成功を収めている。
シチリア島の南に位置するマルタ共和国は三つの大小の島で構成されており、その中でもっとも大きいマルタ島のほぼ中央にある町アッタルドでカレヤは1978年1月22日に生まれた。16歳で歌の勉強を始め、その才能をテノール歌手で、声楽教師のパウル・アシアクに見出され、そのもとで勉強を続けた。1997年にマルタ共和国で二番目に大きなコゾ島のアストラ劇場で《マクベス》のマクダフを歌ってデビューした。この年ウィーンで開かれたベルヴェデーレ・ハンス・カボール・コンクールで7名のうち最年少の入賞者となり、1998年にはミラノでのカルーゾ・コンクールで優勝した。この年、マルタ共和国の首都のヴァレッタにあるマノエル劇場で《愛の妙薬》のネモリーノを歌い、ペーザロで開かれたロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルではアヅィオ・コルギ(1937-
)の《イザベッラ》世界初演でリンドを歌った。1999年にはプラチド・ドミンゴ・オペラリアで優勝し、その後ウェクスフォード・オペラ・フェスティヴァル、レーゲンスブルグ音楽祭、トリノのレジオ劇場、ボローニャ市立歌劇場、ストックホルム王立歌劇場、ブリュッセルのモネー劇場などに出演した。2002年にはウェールズ・ナショナル・オペラで《リゴレット》のマントヴァ公爵、ブレーゲンツ音楽祭ではロドルフォを歌った。2003年にデッカ・レコードと専属録音契約を結び、これまで2枚のアリアをリリースしており、また2008年にテバルドを歌ったウィーンのコンツェルトハウスでの演奏会形式での《カプレーティとモンテッキ》はドイツ・グラモフォンからリリースされた。2003年にマントヴァ公爵を歌ってコヴェント・ガーデン王立歌劇場にデビューし、その後同歌劇場では《椿姫》のアルフレード、マクダフ、《タイス》のニシアスなどを歌っている。スポレート音楽祭で《ジャンニ・スキッキ》のリヌッチオを歌ってアメリカ・デビューを飾ったあと、ミネアポリス歌劇場、シアトル歌劇場、ロサンジェルス歌劇場、シカゴ・リリック・オペラなどに出演し、2006年にマントヴァ公爵を歌ってメトロポリタン歌劇場にデビューし、その後同歌劇場ではロドルフォ、《ランメルモールのルチア》のエドガルドなどを歌っている。 [2011年4月現在]
(長谷川勝英)