最後の来日公演と日本画家・千住博とのコラボ映像公開!

2024.07.08 TOPICS

ボサノバの生みの親であり、晩年は3度にわたる来日公演で日本の音楽ファンを魅了したジョアン・ジルベルト。2019年7月6日の逝去から5回目の命日に秘蔵映像が公開された。

2006年の東京国際フォーラム ホールA公演の未発表テイク「WAVE」(アントニオ・カルロス・ジョビン作) のライヴ映像に、日本画家・千住博が伊豆の禅寺、大徳寺聚光院伊東別院に寄進した「波」が描かれた襖絵をデジタル技術で合成したもの。ジョアンの生前に、同寺院を訪れて映像収録が計画されていたものの、果たされずに終わったコラボレーションが遂に実現した。幻想的な襖絵をバックに、ジョアンが禅の世界にも通じる無駄を削ぎ落した至芸を披露している。

 

 
WAVE Joao Gilberto ~5回目の命日によせて~

幻となった2008年のジョアン・ジルベルト4度目の日本公演。
その来日の際、自らを「ZEN=BAIANO」と呼ぶジョアンの希望で伊豆の禅寺、大徳寺聚光院伊東別院での映像収録が計画されていた。
そこは吉村順三が建築を手掛け、千住博が描き寄進したいくつかの襖絵で仕切られている。

 「一番好きな音楽はジョアンのボサノバ」と語る千住の快諾を受け、プロデューサーの宮田茂樹は写真画像と禅に関する鈴木大拙の著作をジョアンに送り、どの襖絵の前で何を演奏するか度々語り合った。
しかしジョアンは椎間板ヘルニアを発症し直前に来日をキャンセル。

「あの襖絵の前で演奏するためにもう一度日本に行きたい」と語り続けていたが2019年7月6日鬼籍に入り、想いを共有していた宮田も2022年7月29日急逝した。

二人が果たせなかった想いをデジタル技術によって実現したこのスペシャル映像。
千住博の「波」の前で演奏するジョアンの「WAVE」は2006年に東京国際フォーラムで収録された未発表テイク。